
先日、とある学習塾の経営者さんとお話しする機会がありました。きっかけは、先日開催した採用勉強会「なかなか良い人が採用できなくて…」ということで、個別にご相談いただいたんです。
で…最初はいつものように、採用状況を聞いていました。
- どんな人が欲しいのか?
- 今はどんな媒体を使っているのか?
- これまでどんな人が応募してきたのか?
聞いてみると、ハローワークを中心に採用活動をされているとのこと。ただ、応募があっても年齢層が高かったり、経験は十分でも、会社の雰囲気に合わなかったり…なかなか思うような人材に出会えないそうです。
なので、「だったらIndeedも使って、もう少し露出を増やしましょう」という話もしました。
でも…話を聞けば聞くほど、僕の中である違和感が大きくなっていったんです。それは、「そもそも、何のために人を採用するんだろう?」ということ。というのも、この経営者さん…実は、あと2年ほどで現場から退くことを考えているそうです。さらに、長年働いてくれた社員さんも定年を迎える。
- 今後は教室を増やすのか?
- それとも規模を縮小するのか?
- あるいは、フリースクールなど新しい事業に力を入れていくのか?
まさに、会社としての大きな転換期にあったんです。で、僕は思ったんですよね。これ…単純に求人広告を出せばいいという話じゃないよな、と。
だって、そうですよね。今後、教室を増やしていくなら、新しい拠点を任せられる人が必要です。でも、規模を縮小するなら、求める人材は変わってくる。さらに、次の世代に経営を託したいのであれば…単に授業が上手な先生ではなく、会社の未来を一緒に考えてくれる人材が必要になるかもしれません。
つまり…経営戦略が変われば、採用戦略だって変わるってことです。当たり前の話なんですが、ここを見落としている会社って実は少なくないと思います。
そして、これ、僕らコンサルタントにとってもめちゃくちゃ大事な話だと思うんですよね。
例えば、「ホームページから問い合わせが来ないんです」と相談されたら…多くの人は、ホームページの改善を考えます。「求人の応募が来ないんです」と言われたら、求人票や広告媒体を考える。「Googleマップから集客できないんです」と言われたら、GBPの運用改善を考える。
もちろん、それ自体は間違っていません。でも…お客さんが相談してくる問題と、本当に解決すべき問題は、必ずしも同じじゃないですよね。
こうしたテクニックや手法の前に「そもそも、何のためにやるのか?」という視点が、やっぱ大切なんです。僕自身、最近はGBPや採用、ホームページ制作など、いろんな現場に出ていますが、やればやるほど、この重要性を感じます。
例えば、今回の学習塾でも話を聞いていく中で、実は、卒業生が大学生になってアルバイト講師として戻ってくる。そんな素晴らしい循環がすでに生まれていたんです。
これって、業界では当たり前かもしれませんが、でも、ものすごい強みですよね。良い塾、良い環境でなければこの循環は生まれませんからね。
で、この循環があるからこそ、外から新しい人を探すだけでなく、今いるアルバイト講師に将来のキャリアを伝えることだってできます。卒業生に向けて、「今度は教える側として、一緒に子どもたちを支えてほしい」とメッセージを届けることもできる。
さらには、「これから会社をどうしていきたいのか?」という経営者の想いを発信することで、その未来に共感してくれる人が集まる可能性だってあるわけです。これ、求人媒体を変えるだけでは絶対に出てこない発想ですよね。
でも、こうした話ってお客さん自身も気づいていなかったりします。だからこそ、僕らコンサルタントが関わる意味があると思うんです。お客さんの言うことをそのまま実行するだけなら、極端な話、これからはAIでもできることがどんどん増えていくでしょう。
でも、お客さんの話を聞いて、本人も気づいていない強みや可能性を見つけて、「だったら、こういう方向もあるんじゃないですか?」と、新しい選択肢を提示する。ここにこそ、コンサルタントの価値があります。
今回も、最初は「採用をどうするか?」という相談でした。でも、話が進むにつれて、「この会社を、次の世代にどう残していくか?」という話になっていたんです。きっとコンサルとしてやるべきことは、『お客さんが本当に考えるべき問いを見つけられること』なのかなとも思います。
ではでは…あなたはどうでしょう?目の前のお客さんから相談を受けたとき、その問題をどう解決するか?ばかり考えていませんか?もしかしたら、その問題の奥には、もっと大きなチャンスが眠っているかもしれません。
だからこそ、「どうやって解決するか?」を考える前に、「そもそも、何のために?」この問いを、大切にしてみてください。


