2024/03/25

誰に何を売るか?

From:宮川徳生

つい先日
あるグルコンの最中に
こんな相談を受けた。

「企業にコンサルを売るか?
 店舗系にWEBツールを売るか?
 行政にエネルギー開発を売るか?迷ってるんです」

仮にこの人のことをAさんとしよう。

Aさんは
商品を3つ持ってるらしい。

1つは
海外商品の輸出入に関する
コンサルの提供。

1つは
SNSツールを委託販売をする
代理店。

1つは
行政にあるエネルギーを活用する
施設の設置。

Aさんは
これらをネットで売っていくにあたり
どれに力を入れていこうか迷ってるみたいだった。

僕としては
なぜそんなことで迷うのか?
理解ができなかった。

なぜなら
全部やればいいから。

だが、全部やれないということは
おそらく、リソースの問題で
やれないのだろう。

だから、聞いてみた。

宮川
「なぜ、どれをやるか迷ってるの?」

するとAさんは
こんな風に答えた。

Aさん
「どれが一番てっとり早く儲かるかと思って」

宮川
「ん?早く儲かるものをやりたいの?」

Aさん
「そうです」

宮川
「なんで?」

Aさん
「今、キャッシュが厳しいんで。。。」

宮川
「ってか、それさ
 1年前も同じこと言ってたよね?
 で、当時は輸入だけだったのが
 なぜか今、SNSツールとエネルギー施設も増えてるし」

宮川
「で、どれから始めように悩んでるってことは
 やろうとしてることは2つ増えたけど
 何1つやってないってことだよね?」

Aさん
「いや、やってないわけじゃなくて
 儲かりそうなビジネスを探してて
 で、2つ見つけたんです」

宮川
「。。。」

実はこのAさん
1年前くらいにも相談を受けていて
その時は輸入関連の事業をどうするかって
相談だった。

だけど、1年後の今
事業ネタが1つから3つに増えただけで
事業自体は何も変わってなかったのだ。

このAさんの話を聞いて
僕が伝えたことはこうだった。

宮川
「あなたが顧客に価値提供できるものはなんですか?
 そして、それを約束できるものはなんですか?
 そして、その顧客に真剣になれますか?」

この問いに対してAさんは
答える事ができなかった。

Aさんに限らず
なかなか起業できない人や
起業はしたけど安定して稼げない人の多くは

・簡単に稼げそう

という動機で
ビジネスを始めようとするケースが
とても多い。

そのビジネスの顧客に情熱がないのに
そのビジネスが解決できる問題に情熱がないのに
ただ、「楽して簡単に儲かりそう」という理由だけで
ビジネスを始めようとするのだ。

外から見ると
確かに簡単に稼げそうなビジネスは
たくさんある。

そして、特に起業マーケットは
「〜するだけで素人でも月100万」みたいな
誇大広告で売る輩がいっぱいいる。

だから、現実を知らない起業初心者なら
その謳い文句に踊らされてしまうのも
仕方ないだろう。

でも実際は
簡単に稼げる方法なんてのはなく
仮にあったとしても

簡単に稼げるマーケットは
競合もすごい勢いで増えていくので
熾烈な生存競争に陥るのだ。

あなたが自分のことを
「起業家・社長・経営者」と認識しているのなら
我々にとってビジネスとは

24時間365日
その事が頭から離れないようなものである。

何をしてても
常に自分のビジネスのことばかり
考えてしまう。

それが我々にとって
ビジネスだ。

起業家というのは
ビジネスという麻薬の
中毒に陥るものだ。

中毒になる程、熱狂するからこそ
ビジネスで成功する事ができる。

簡単に儲かりそうという理由だけで
ビジネスを始めてはいけないのだ。

ビジネスはスタートするよりも
それ発展させ維持していく方が
はるかにエネルギーを使う。

好きでもない仕事
情熱が持てない仕事を
ずっとやり続けるなんてできない。

ビジネスとは結婚と同じなのだ。

あなたのビジネスで解決できる問題に
苦しんでる人を導くことに
あなたはどこまで情熱を注げるか?

例えば、嫌いだけど
金を持ってるという理由だけで結婚をしたら
その先どうなるだろうか?

すぐ離婚するのが
関の山だろう。

同じ家の中で
好きでもないやつと生活を共にするなんて
誰だって苦痛にしかならない。

でも、結婚したら
相手のことをずっと考え続けなければいけない。

ビジネスも同じじゃないか?

リスペクトできない顧客
情熱を注げない問題

そんなことを
ずっと考え続けることは
苦痛でしかないのだ。

ビジネスは
究極的には顧客の問題を解決するために
存在するものだ。

顧客の問題を解決する。
そのための価値提供をする。

だから、その対価として
金が儲かるだけの話だ。

「楽して儲かるビジネスはどれか?」

もう、完全にフォーカスがズレてるのだ。

長期的にビジネスで成功するためには
お客のことを常に考えなくてはいけない。

どうやったら価値を提供できるか?

そのことを24時間毎日
考え続けなければいけない。

だからこそ
それが続けられるのは
「簡単に儲かるビジネスは何か?」ではなく

顧客やマーケットの課題への情熱

がある場合だけだ。

Aさんが
なぜ同じ問題を繰り返しているのか?

そして、なぜ
ビジネスネタばかり増やして
いっこうに儲からないのか?

それは
顧客にフォーカスせずに
自分の儲けにフォーカスしているからなのだ。

どんなビジネスをやるか考える時
今日のメルマガを思い出して欲しい。

そして、自分に問いかけよう。

「俺は、このお客に情熱が持てるか?」