From:桜井啓太
恵比寿のオフィスより
「いったいどうすんねん」
これは、私がクライアントから仕事の依頼を受けたときの本音です。
セールスライターですから、コピーはいくらでも書きます。でも現場でクライアントを獲得し、仕事をしていくなかで、どうしても自分では対応できないものがでてきました。
しかも、それは絶対にクリアしなくてはいけない。それをやらずには、せっかく書いたセールスコピーを出すことすらままならない。
そんな絶望的な状況が、現場には隠されています。
それは…
「デザイン」です。
セールスコピーを書くだけでは通用しない…
実際、私は苦労しました。
いざ現場に出て、社長さんと話をします。それで、チラシをやろうということになります。そしたらどうなるか?
まず、ヒアリングなりリサーチなりをした結果からチラシにコピーをはめこんでいきます。実はここは対して大変ではありません。チラシですから、ヘッドライン〜サブヘッドまでは業種が同じならそのままで良いです。
業種が違う場合でも、スワイプが一緒ですからあまり考える必要はありません。「無料で〜をしたい方は他にいませんか」って言ったとしたら、大して考える余地はないのです。
この時点で、デザインスキルもあまり必要ありません。もともとのスワイプにデザインも入っているからです。
最低限これはできないと!
ただし、「デザイン再現スキル」は求められます。あなたはチラシを何で書きますか?Wordでしょうか、それともMacユーザーならPages?どちらでもかまいませんが、少なくとも見た目を再現しておく必要があります。
- 画像や図形を正しい位置に配置する
- フォントの大きさや、色・太字を揃える
それからデザインとはちょっと違いますが、
- 印刷業者に正しく発注する
なんてことが求められます。
これまでWordを使うといえばもっぱら「書くこと」しかなかったというセールスライターがほとんどです。画像を多少配置したりしたことはあったかもしれませんが、「ミリ単位」で気にしたことはあまりないかもしれません。
Adobeイラストレーターやフォトショップなどの専門ソフトを買う必要はないかもしれませんが、少なくとも持っているソフトの特殊な使い方を知っておく必要があります。
まあそれでも、一度つくっておけば何回もでも使えます。しかし…
クライアントからの「デザイン修正依頼」という爆弾
実は、ここからが大変です。
クライアントは、どんどん修正依頼をしていきます。それがセールスコピーの部分だとしたら、私たちもプロですからしっかり意見をいうことができます。なぜその単語なのか、なぜこのヘッドラインなのか。過去の事例から最適だと言われている、なんてことが伝えられれば、クライアントも納得してくれることが多いです。
最悪修正することになったとしても、苦労はありません。バックスペースキーを何回かタンタンと押して、カタカタと文字を打ち込み直すだけ。それで数字が出せるかどうかは、正直二の次です。最終的に広告費を使ってそのチラシを出すのは、あくまでクライアント。きちんとプロとしての意見を伝えた上で、それでも修正してほしいということであれば、せいぜい自分のコンサルスキルが低いのが問題です。
もっとも問題は、デザインです。実際に私が言われた修正依頼は…
- 雑誌「女性自身」のピンク色にしてください
- もっと文字を大きくしてください(書けるコピー量が減る)
- うちのイケメン社員の写真を使って。切り抜いて自然になじませて。
- もっと女性っぽく
- もっと美容室っぽく(←デザイン的な意味で、です。指示はこれだけ)
これだけではありませんが、イメージはつかんでいただけるでしょうか。要は「雰囲気」で修正依頼が来ます。クライアントの意図を汲み取ってきちんと叶えてあげないと、クライアント先とあなたの家とを、今後何往復もすることになるわけです。
さらに技術的に言えば「切り抜いて」という作業1つをとってなかなかハイレベル。私はフォトショップで、ペンツールを使ってアンカーポイントがうんぬん。まあとにかく説明ができませんので、以下の動画を見てください。
アンカーポイントを使って曲線を書くのは、Macbookのトラックパッドでは不可能でした。仕方ないので、Appleのマウスを購入しました…。
イラストレーターやフォトショップの使い方を学ぶのはすぐにはできません。私は毎週、デザイナーさんに個別指導をお願いし、3ヶ月くらいかかってようやく少しはできるようになりました。ちなみにそのデザイナーさんとは、The Sales Writer執筆者の甲斐さんの弟の陽信(はるのぶ)さんです。
クライアントのセンスに追いつけるか!?
私が不安だったのは、修正依頼を美容師さんから受けたときです。彼らって色々とセンスがいいじゃないですか。私なんか思いもよらないようなこだわりを持っていらっしゃるはずです。そういう人のセンスに叶うだけのデザイン感覚をこちらも持っておかなければならない…。そう考えると、けっこう怖かったです。実際、何度も酷評されましたし(笑)
実はデザインセンスが問われるニュースレター
それからチラシ以上に難しそうなのが、ニュースレターです。
ただしはっきり言っておくと、デザインはピンキリです。こだわろうと思ったらどこまでも作り込めるし、こだわらず「単なるレポートチックな紙面」にするのなら本当にWordレベルで十分です。ここでは、クライアントに割りと高めなデザインセンスを求められたら、という話をします。
何を隠そう、私も最初はダサダサなものしかつくれませんでした。こちらをご覧ください。
全部は見せられないのですが、これは私が一番最初につくったニュースレターです。なんていうか最低限。トップ上部の秋らしい画像を貼り付けるのがやっとです。まあこんなのでも立派なニュースレターなわけです。
次に、私がデザインを学んだあとのニュースレター。といっても、学んで自分でデザインしたのではなく、結局自分ではやらないことに決め、素直に依頼したのですが…。その結果がこちら。
うーん、洗練された気がしますね。野暮ったい田舎者から、東京のクラブに繰り出しているイケメンになった感じでしょうか。
これくらいのレベルにできると、気に入ってくれます。というか何も言われなくなりました。素直にデザイナーに依頼しているとは伝えているのですが、正直これまでのは何だったんだと思われてそうで少し恥ずかしい、くらいです。
本当にデザイナーに任せるのか?
とはいえ、「デザイナーに任せる」という選択肢はあなたにはないと思います。それは、
- そもそもやってくれるデザイナーが周りにいるのか
- その人は信頼できる人なのか
- そして何より、「それだけの費用を支払えるのか」
私はと言うと、クライアントからもらっている報酬の半分以上をデザイン費用に支出しています。もしあなたが毎月10万円のクライアントを3件獲得でき、そこで使用するツールデザインの全てをデザイナーに投げたとしたら…。単純計算であなたの取り分は15万円です。で、そこから交通費とか出してくださいね…。
だから、現実的には「自分でやること」をオススメします。それは、デザイナーに任せるレベルではなくてももちろん構いません。ただし、修正依頼を受けたらすぐに直して提案できるとか、新しいコンセプトでチラシをつくる際に一からデザインをやる、くらいのスキルは必要です。
これが、「セールスライターのデザイン現場の真実」になります。
どうでしたでしょうか。あなたは自分にはできると思いましたか?
朗報です!
できなくても、今は仕方がないと思います。最低限のスキルくらいまでは、これからコツコツ伸ばしていくしかありません。
そこで、デザインスキルなど「セールスライターがコピーだけでは解決できない問題」についてのセミナーを開催しようと思っています。たぶん最初は無料で参加できます。なので、ちょっと真剣にアンケートに答えてほしいです。あなたがどんなところに困っているか、教えてください。それにあったセミナーを開催することができるはずです。