From:桜井啓太
最近、楠瀬さんがチーム内に「インタビューチーム」というものをつくりました。
そのせいか、最近にわかにセールスライターの間でも「インタビュー」に対する意識が高まりつつありますね。いわばインタビューブームとでも言えるでしょうか。
実は、私も最近めちゃくちゃインタビューをしてます。
先週、とある会社さんの「求人サイト構築」のために石川県金沢市まで出張して「社員インタビュー」をしてきました。
どれくらいやったかというと、3日間で総勢10名。これらのインタビューは、もちろん「働いている社員の声」として動画にして公開するという目的があります。
が、しかし!
たとえこれらの動画が公開できなかったとしても、それでも「やってよかった」と思えるだけの価値がこのインタビューにはありました。
今日の記事では、セールスライターがインタビューする意味。それから何に気をつけてインタビューすればいいのかを、私の実例とともに紹介します。
インタビュー準備:桜井の場合
もちろん事前の情報収集として、業界やその企業のリサーチは一通り行いました。ですが、それらは全てウェブ上で手に入れた知識。誰もが手に入りますし、それほど深い内容でもありません。そもそも今回のクライアントは、現状すでにホームページをお持ちです。そこからあえてもう1個つくろうとしているわけですから、既存情報の焼き直しでは意味がありません。
今回はそのためのインタビューです。
ちなみに私が必ず聞くようにしている質問項目は以下の通り。もしあなたが次に顧客インタビューなどをするときがあったら、ぜひ使ってください。
- 簡単な自己紹介をお願いします
- 現在の仕事内容や役職を教えてください
- これまでの経歴を教えてください
- どうして今の会社に入社しましたか?
- 他の会社との違いはどんなところですか?
- この仕事に向いていない人はどういう人ですか?
- この仕事に必要な資格や経験があれば教えてください
- どんな人がこの仕事に向いていますか?
- 働こうか悩んでいる方へメッセージをお願いします
インタビュー直前には一応確認として、これらの項目をお伝えしています。ですが注意しなくてはいけないことが1つ。確認の段階で、あまり考えさせないことです。
事前に考えてもらってしまうと、いざ撮影のときの受け答えがこなれ過ぎてしまいます。それに、論理的に考えて用意した答は必要ありません。なぜなら、人が購入を決めたとき(この場合は求人なので「働きたいと決めた」とき)は、非常に無意識的で、感情的だからです。あまりに考えてもらってしまうと、論理が前に出すぎてしまい、結果感情的な理解が足りないリサーチになってしまいます。
この打ち合わせは、いざインタビュー中に戸惑わせないといった程度の狙いしかないことに注意してください。
それから、ポイントとして以下をお伝えしました。
- 個人情報など言ってはいけないことを言ってもカットするので大丈夫
- 目線はカメラではなく私の方へ。緊張しないため。
- 考え込み、黙り込んでも大丈夫。これもカットできるので。
とにかく「一発勝負ではない」ということを強調してお伝えしました。というもの、緊張して固くなってしまうのも不自然ですし、何より本音が出ません。
このあたり、私は見よう見まねかつフィーリングでやっているのであまり体系的ではありません。いまチーム内では、インタビューリーダーの小野裕史さんが鋭意カリキュラムやノウハウを準備してくれています。小野さんはそのうちザ・セールスライター執筆デビューをするようなので、ご期待ください。
セールスライターいらないじゃん
さて、そんな感じで1人1人インタビューをしていきました。ここで私は大変なことに気が付きます。それは…
10人全員が、とある1つの同じことを言った
という事実です。全員が同時に挙げたベネフィットということになります。
そして驚くことなかれ…。それはそのままヘッドラインとして使えるようなレベルでした。つまり、もうリードは完成。セールスライターなんていらないのです。
顧客の声の中、マーケットに正解はあるとはよく言ったものです。私は今回、金沢に合計4泊し、インタビューには3日間をかけて10名の方にインタビューしました。たったそれだけで、頭のなかに「こういうヘッドラインで行こう」というイメージが湧いたのです。
はたしてこのイメージは、自宅で一人シコシコ書いていたら思いついたものでしょうか?そんなはずはありません。私はむしろ全く考えていない。ただ10名の方に順番にインタビューしていったら、「たった1つのこと」がポイントだったことに気づいただけなのです。
今回インタビューした人と同じ属性、同じ悩みを持っているお客さんには、これを伝えていけば十分効果の出るセールスコピーがつくれます。
これが、「好きな人とだけ会えばいい」もしくは「家で一人で仕事ができる」などというセールスライターの都市伝説が否定されるべき理由です。もちろん家で一人でやれなくはないでしょう。ですが、顧客インタビューでアイデアがひらめいたときの興奮といったら、半端ありません。震えるというか、感動するというか…。
売れるレターが書けるかどうか以前に、こんなに「ワクワクする体験」を得ることができなくていいのなら、家で一人でやっておけばいいんじゃないですか?
インタビュー動画は臨場感が勝負!
テレビではインタビューがたくさん放映されています。あなたはどんなタイプのインタビューがあるか、ご存知ですか?
もちろんいろいろなタイプがありますが、私は「臨場感」というキーワードで大きく2つに分けて考えました。すなわち…
- キレイなセットや背景できっちり行うインタビュー
- 街頭や車内など、いわば「急に尋ねた」インタビュー
このどちらも、意味があるものです。ですが「顧客インタビューをしよう」と思うと、あなたは前者の方ばかりイメージが湧いてしまいませんか?
実は、後者のほうが難しいです。だって街頭インタビューなんか、テレビ局関係者とかそういう背景を持っていなかったらなかなか難しいですからね。
でも、後者のほうが「臨場感」があると思うんです。用意されていない感といってもいいです。そして、そっちのほうが「本音」を言っている感じがしませんか。
そこで今回、私は2つ試してみました。
1つは「オフィスや会議室でなく、カフェで撮る」こと。社員さんの時間的場所的都合があったというのもありますが、ちょうど良かったです。しかもカフェには「子どもを二人」連れてきてもらいました。ワイワイガヤガヤしている雰囲気の中、横にいる子どもを気にしながら質問に答える社員さん。
- ああ、この人は子育てしながら頑張って働いているんだな
- 子どもを気にしているから、あんまり考えながら喋ってない。なんだか本音っぽい
と感じてもらえるようなインタビューが取れました。
それから、そういう場所へ移動する際の車内。社長に連れて行ってもらったのですが、密かにiPhoneでカメラを回しておきました。そうするとドキュメンタリー番組のようなテイストの絵がとれましたね。
サンプル
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たしかに正面を向いているわけではないし、音も周りの雑音が紛れています。ですが、だからこそ本音感が出ていますよね。それにインタビューされる人も、「撮られていることを忘れてしまう」みたいになってくれれば、ますます良いかもしれません。
まとめ:セールスライティングの実体
このように、今回の私は労せずしてライティングアイデアが思いついてしまいました。いや、インタビューを10本もしているので、軽く10数時間は使っていますし、金沢まで行っていたりして全然「労」がないわけではないんですけどね。
それでも、じゃあ同じ時間オフィスで一人で考えていたとしたら、果たしてこんなアイデアが思いつくのかっていうレベルなんです。そういう意味では、「労せず」です。
この記事を読んでいるセールスライターのあなたは、武器を手に入れたと思ってもらって大丈夫です。セールスライティングには才能はいりませんし、誰もが良いコピーを書ける素地はあります。でもその中で「できるライター・できないライター」を分ける要素があるとしたら…
いかにパソコンの前から離れるか。これだけです。
PS
楠瀬健之パートナー養成会では、この度「インタビューチーム」を創設しました。もしあなたがインタビューのスキルを高め、練習として実戦の舞台が欲しいと思うのなら…
養成会に入って、ぜひ小野さんに頼んでみてください。
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詳細はこちら
PS2
今回の金沢では食べすぎました…↓
桜井さんの人柄というか考え方がものすごい判る内容になっていたなと思います!
素直にライブ感をリサーチすれば自然とリードが出来上がる。
僕も意識していきます!