
先日、ある社長さんと話していたときのこと…「今度、こんな新サービスを売り出そうと思ってるんですよ!」と、かなり熱く語ってくれました。聞いてみると、今までやってきたサービスに新しい要素を加えて、今までとは違う新しいパッケージとして売り出したいとのこと。
「これ、他ではあまりやってないし、絶対いいと思うんですよね」と…確かに、話を聞いていると面白いんです。本人も、かなり自信を持っている。でも…よくよく聞いていくと、僕の中で1つ疑問が出てきので聞いてみたんです。
「ちなみに、お客さんからこういうサービスが欲しいって言われたことってあります?」すると、「いや…それはないですね」「じゃあ、今のお客さんって、何に一番困ってるんですか?」など、少しだけ突っ込んで聞いてみると…少しずつ、問題が見えてきたんです。
それが何か?っていうと…“自分が売りたいもの”から商売を考えてしまっているってことです。
「こんなのあったら喜ぶだろう」「こういうサービスなら売れるだろう」「これだけ付ければ価値を感じるだろう」もちろん、商品を考えること自体は悪くありません。
でも…ここには、大きな落とし穴があります。それが、お客さんが「欲しいと思う気持ち」まで、自分たちで作ろうとしてしまうこと。
これ、僕自身もマーケティングをやっているとついついやってしまいます。良いコピーを書けば、欲しくさせられるんじゃないか?良いプレゼンをすれば、必要性に気づかせられるんじゃないか?広告を出し続ければ、市場を作れるんじゃないか?
でも…そもそも、人の欲求ってそんな簡単に作れるものじゃないんですよね。
- 痩せたい
- もっと稼ぎたい
- 良い人を採用したい
- 集客を安定させたい
- 家族と幸せに暮らしたい
- 面倒な仕事を減らしたい
- 将来への不安をなくしたい
こういう欲求って、僕らが広告でゼロから作ったものじゃありません。すでに、その人の中にあるものなんです。
だから、マーケティングで大事なのは、欲求を作ることじゃなくて、『すでに存在している強い欲求を見つけて、そこに自分の商品をつなげること』これなんです。
例えば僕らがホームページ制作を売るとしても、お客さんは別に、「ホームページが欲しい!」と思って日々過ごしているわけじゃないですよね。欲しいのは、「もっと地域のお客さんに来てほしい!」だったり、「広告費をかけ続けなくても問い合わせが来る状態にしたい」だったりすると思います。
求人だって同じです。社長が欲しいのは、「Indeedの運用」ではなく、「良い人を採用して、今いる社員の負担を減らしたい」かもしれないですよね。
つまり…商品はあくまで、欲求を叶えるための“手段”でしかないんです。でも…僕らは商品を持つと、どうしても商品側から考えてしまう。「これをどう売ろう?」「この商品の良さをどう伝えよう?」「どうすれば欲しいと思ってもらえるだろう?」と。
なので、ここで一回、逆にしてみてください。商品を見る前に、相手の頭の中を見てみる…この人たちは今、何を欲しがっているんだろう?何に悩んでいるんだろう?何にお金を払っているんだろう?何を諦めているんだろう?そして、その欲求と自分の商品との間に、どうやったら、一本の橋をかけられるだろう?
ビジネスで大事なことって結局、ここなんだと思います。相手の頭の中にあるものと、自分たちの商品をつなぐ。逆に言えば、そこにつながらないのであれば、どれだけ自分たちが「これは良い商品だ!」と思っていても、一度、立ち止まった方がいいです。
場合によっては、売り方を変えるんじゃなくて、商品そのものを変えた方がいいかもしれません。
今回、その社長さんと話しながら、僕自身も改めて考えさせられました。「何を売りたいか?」から考えるんじゃない。まず、「相手は、何を欲しがっているのか?」から考える。ここを外すと、どれだけ頑張っても苦しくなってしまいます。
でも、ここがガチッとハマれば、商品も、コピーも、広告も、営業も、全部が一気につながってくるんです。あなたが今、売ろうとしているその商品。それは本当に、お客さんが欲しいものにつながっていますか?


