度々このブログに登場する私の長男から、先日、こんな無茶ぶりが投げかけられました。
「お父さん、このキャッチコピー作ってよ」
なんのことかと思い、もう少し話を聞いてみると、どうやら、学校から出された宿題の中に、ある商品の「キャッチコピーを考えよ」という設問があったようなのです。
まぁ「そんなの自分でやれよ」と思い、「自分でやりなさい」と言ったのですが、「え、だってお父さんそういう仕事しているんでしょ」と返されてしまい…
(それが私がこれを作る理由にはならないのですが)
仮にも「ライター」を名乗る以上、引き下がることができず…興味本位でその問題を見てみることにしました。
すると、そこにはこんな設問が書かれていたのでした。
「休眠化している農耕地を活用して作られている鶏の飼料用作物。その飼料用作物を食べて育った鶏が産む卵のキャッチコピーを考えよ」
社会の問題で、なぜこんな問題が出るのか?しかも、前提が2重になっているので、難易度高め。なぜ小学5年生にこんな問題を出した?と少し疑問に思いましたが、少し考えてみることにしたのです。
(ちなみに、他の情報は一切ありません)
セールスライター的に言うなら、キャッチコピーではなく、ヘッドライン。ヘッドラインはコピーの命ですから、結構真剣に考えてしまいました。
あなたなら、この商品を売るためのヘッドライン。どうしますか?少し考えてみてください。
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いかがですか?結構難しくないですか?
私はというと、結局アイディアもわかず、まともにリサーチする時間もなかったので、完全にお手上げでした。1時間ほど考え、長男には「やっぱお前の宿題だから、自分でやりなさい」と苦し紛れの言い訳をし、なんとかその場を逃げたのです。
でも、このままではなんか気持ち悪いので、この場を借りて、この問題を解いてみたいと思います。
卵を買う人のマーケットの意識レベルは?
少し前の桜井さんの記事で、5段階の意識レベルと6つのリードについての記事がありました。それを元に考えてみると、この商品は明らかに
意識レベル5:競合商品がたくさんあって選べない人
この部類に入ります。ということは、セオリー通りでいくのならリードはオファー型になるのですが、ちょっと待ってください!
卵をオファー型で売ると、ただの特売になってしまいます。タイムセール!お一人様1パックまで!1パック100円でご奉仕!
これでは、キャッチコピーもへったくれもありません。しかも、「休眠化している農耕地を活用して作られている鶏の飼料用作物。その飼料用作物を食べて育った鶏が産む卵のキャッチコピーを考えよ」この問題の答えに全くなっていません。
ではどうするか?私はこう考えました。
人はストーリーに共感する
「休眠化している農耕地を活用して作られている鶏の飼料用作物。」
この部分。明らかにエピソードが隠されているのがわかります。
- なぜ、わざわざ休眠化した農耕地を活用したのか?
- なぜ、その農耕地で鶏の飼料用作物を作ったのか?
- なぜ、その作物を食べて育った鶏の卵を販売しようとしたのか?
この、「なぜ」に対応したストーリーが必ずあるはずです。詳細な背景情報は調べようがないのでわかりませんが、あえてこのような取り組みをするからには、生産者の強い「想い」や「理念」が込められているはずなんです。
つまり、今回のヘッドラインは、ストーリー型でいけばいいと私は結論づけました。これを、「プロフェッショナル仕事の流儀」的な「不可能への挑戦」をイメージさせるヘッドラインにしたら結構魅力的になるかなと思いました。例えば
- 養鶏家一筋〇〇年、覚悟の挑戦
- 日本の未来を取り戻す
- 卵に人生をかけた男の物語
- 僕の卵は、まだ美味しくなる
- 卵の革命児、日本の農業に挑む
う~ん、少し微妙ですが、こんな感じで作ると、結構興味を引けるんじゃないかなと思うのですが…あなたならこの卵を売るために、どんなヘッドラインをつけますか?
(ちなみに、上記のヘッドラインは、仕事の流儀の過去放送のタイトルをもじっています)
セールスライターならヘッドラインに命をかけろ
ここまで、簡単ですが長男から突然降りかかった無茶振りの答えを考えてみました。ちょっと時間切れで「これしかない!」というヘッドラインは絞りだせませんでしたが、結構いい線にはなったように思います。
では、なぜ今回、こんな話をしたのかというと、セールスライターならやっぱりヘッドラインやビッグアイディアが命だよなと思う出来事が最近あったからです。
というのも、このブログの執筆人でもある、スライム(日向さん)と黒岩さん、それに楠瀬健之パートナー養成会のメンバ-2人に私を加えた5人で、あるプロジェクトの準備をしているのですが、その中の1人の方が、ヘッドラインやビッグアイディアの作り方のコツを知っただけで、めちゃくちゃいいコピーを書くように変わったからです。
しかも、そのコツを掴んだきっかけは、たった一度のレビュー。その方が書いたコピーに対し、楠瀬さんがレビューをし、それだけで、一気にコピーの質が劇上がりしたんですね。
これこそまさに、劇的ビフォーアフターと言わんばかりの変わりように、私はかなり驚きました。(スライムも驚いていました)
さらに、その後も、その方は精力的に(しかも数時間とかいう短い時間で)どんどんコピーを書き、それに対してプロジェクト内でレビュー受け、その度に質が向上している。
ヘッドラインの質が上がるのはもちろん一番重要ですが、コピー全体の質はそのビッグアイディアによって支えられているので、そうした観点でもヘッドラインは超重要なんですね。
また、その方がものすごい勢いで成長しているのには、もう2つ理由があります。1つ目は「素直にレビューを受け入れる」ことです。
自分が書いたコピーに対してのフィードバックを良い意味でしっかりと受け入れているんです。よくあるのが、フィードバックに対して「いや、それはこうだから」みたいな反論をする人がいますが、それでは成長しませんよね。
確かに、こだわりを持つことは大事ですが、自分の意見とは違いフィードバックに対して納得ができなかったとしても「そういう考えもある」と受け入れるか受け入れないかでは、ライターとしての幅や深さが全然変わってきます。
そうした意味で、その方は素直にレビューを受け入れるので、成長スピードがとても早いんです。そして2つ目の理由が
書くことから逃げない
ことです。
あなたは書くことから逃げていませんか?
この方の凄いところは、レビューを受けて、決定的なズレがあることがわかると、そのコピーをどうにかして使えるようにしようとするのではなく、ゼロから新しいアイディアですぐに書き直すことです。
多くのライターは、そのアイディアがずれていることがわかっても、また同じ苦労をしたくないがために、書き直すということはしません。
でも、アイディアがずれているコピーをいくらこねくり回しても、そもそもアイディアがずれているので、そのコピーが良くなることなんてないんですね。
だから、アイディア自体がズレていた場合は、ゼロから書き直すのがベストなわけですが、ほとんどのライターはこれをしません。
だから、成長しないんです。
おかしな話ですが、セールスライターになりたくてこの世界に入ったのに、書くことから逃げるセールスライターがあまりにも多いのが事実です。
もしあなたが、書くことから逃げているのなら、そこに成長はありません。是非、書くことから逃げず、ひたすら書きまくりましょう。
そうすれば、必ず成長を実感出来るはずですよ!
PS
この方がコツを掴んだきっかけはこの桜井さんの記事にヒントが隠されています。