
こんにちは。株式会社バリューイノベーションジャパンのリサーチャーXです。今回の推し本はコチラです!
■ 顧客思考の仕事術 AI時代はお客様に会いに行く人が生き残る
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もうですね、この本のタイトルだけで“買い” でした。「よくぞ、言ってくださった!」と。やっぱり会う以上にお客さんのことを知ることができる方法はないんですよね。
Zoomなどオンラインの手段もありますが、得られる情報量は桁違いです。話しているお客さんのたたずまいだったり、呼吸だったり、醸し出す雰囲気だったり、空気の作り方、間合いだったり。
オンラインは、どちらかというと「情報伝達」。しかもかなりの最小限。ですが、リアルで会って言葉を交わしたり、実際の行動を見る(観る)ことはもっと立体的に、全方向から情報を受け取れます。
もうタイトルだけでも超オススメなのですが、この本、随所に現れる見出しコピーがまたシビレるのです。たとえば、
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言葉はフェイク、行動がファクト。
引用「顧客思考の仕事術」p.9
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「言葉はウソをつく、行動が本心」ってやつですね。しかも「フェイク」「ファクト」という言い方が、今っぽくて、響きがかっこいい。(今度から使おう)
さらに、
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Betterで競うな、Differentで尖れ。
引用「顧客思考の仕事術」p.93
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こちら弊社の講座やセミナーなどでもたびたびお伝えしている“「より違う」は「より優れている」より優れてる”そのままです。
競合と比べて、どちらがより良いか。その勝負に乗るのではなく、そもそも違ってしまえば、同じ土俵に立たなくていい。この発想ってめちゃくちゃ大事なんですよね。頑張って勝とうとする前に、「ずらす」「尖らせる」「違いを明確にする」。そのほうが、お客さんの記憶にも残りますし、選ばれる理由にもなります。
「Better」「Different」という表現だともしかしたら日本語よりもわかりやすいかもですね。そしてなんかかっこいいですし。(これも今度から使おう)
そして、個人的に最大級にシビレ、救われたのがこれです!
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顧客に会えば、ペルソナはいらない。
引用「顧客思考の仕事術」p.31
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そう、それ。本当に、それです。もうずいぶん長いことマーケティング界隈におりますが、基礎を学ぶと、ほぼ確実に出てくる「ペルソナ」。
ATLUSのペルソナシリーズ(ゲーム)は大ファンですが、マーケティングで語られる「ペルソナ」には、ずっとどこか納得しきれないものがありました。
セミナーやワークショップに行くと、必ずと言っていいほどペルソナを特定するカリキュラムがあります。一応、取り組むんですよ。ちゃんとやるのです。でも毎回、「誰?これ」という釈然としない感覚が残る。
リサーチが足りてないのかな…。解像度が低いのかな…。そうやって自分を責めてみるのですが、何度やっても違和感しかない。
幸い、社内から「ペルソナってどうなってるの?」と詰められることはなかったので、しれっとそのままにしていました。とはいえ、「ペルソナをうまく掴めない」「うまく抽出できない」そのことに、劣等感や罪悪感がなかったわけではありません。
だからこそ、本書でこの見出しに出会ったとき、リアルに涙が出そうなくらい、シビレました。「ああ、そうだよ!リアルに実在するお客さんがいるのに架空を作り上げる必要があろうか。否、ない!」と。
この1行のために、この本を買ってよかった。そう思えるくらいでした。
もちろん、ペルソナという概念そのものを全部否定したいわけではありません。ただ、実在するお客さんに会える環境があるのに、生身の声より先に、頭の中の設定資料を作り込む。それは違うだろう、と。
まず会う。
まず観る。
まず聞く。
そこから考える。
この順番に戻るだけで、届ける言葉の精度も深さもかなり変わります。
実際、弊社では今、集客の仕掛けとして地域戦略の「勉強会」というアイデアで見込み客の方に会いに行っています。さらにその “前段階”として、その街を自分の足で歩き回ってチラシのポスティングもしている。つまり、見込み客になる「前」のお客さん(とその環境)にも会いに行っているわけです。
そして、これはマーケティング事業部だけのお話ではありません。スタジオのスタッフは、お客さんの会社やイベント会場に足を運び、お客さんの「お客さん」にも会っています。
子どもの脳育教室の塾長も、日々、保護者の方に会い、自らチラシ配りをしています。会長の楠瀬も例外ではなく、とにかく人に会うことを最重要し、実践しています。
そこから上がってくる情報は、量も質も桁違いです。リアルな人間の温度がある。表面的なアンケートや、都合よく整えられた言葉だけでは取れないものがある。これだから一次情報はやめられないんですよね。
ですので、先の「顧客に会えば、ペルソナはいらない。」には100%完全同意です。
そして本書の推しポイントは、まだまだあります!本書のテーマでもある「顧客思考」が
ビジネスをどう変えたか?の実例として、
・Airbnb
・Uber
・Slack
・Canva
といった、普段私たちが使っているツールを挙げながら、わかりやすく解説してくれています。こういう具体例があると、「ああ、そう考えればいいのか!」が一気に臨場感を持ちます。抽象論だけで終わらない。ここがまたイイ!
とはいえ「顧客思考」について
「会いに行くのが大事なのはわかるけど、腰が重くて…」
「顧客に会うことを、どうやって日常の予定に組み込めばいいの…」
「実際に会ったとして、現場で何を見て、どう動けばいいのか…」
もしかしたらそう感じた方もいると思います。でも、大丈夫です。本書では、顧客に会うための具体的なやり方や強制的(?)に日常へ組み込む方法、さらには顧客と会ったときに何を注視すべきか、どう振る舞えばいいのかという「型」まで紹介されています。
テクニック寄りではありますが、最初からフリースタイルでやるのは正直難しい。だからこそ、まずは型を借りればいいんです。最初はぎこちなくて当然。会う回数が増えれば、見えるものは確実に増えますから!
さらに、「顧客思考」を実践するための7つの大原則も紹介されています。これをフレームワークとして知っておくだけでも、現場で使える武器を一つ持てたような感覚になります。その7大原則の中には、顧客の潜在課題を見つけるための思考法や、失敗例も含まれていて、かなり親切です。
そして本書の後半では、顧客思考を実践・アウトプットするための練習として、
・採用
・ジム
・物販(コーヒーマシン)
この3つがケーススタディとして例題になっています。このジャンルどまんなかの方であれば、そのまま自社に当てはめやすいのでオトクですよ。
そして本書は、サブタイトルにもある「AI時代はお客様に会いに行く人が生き残る」もちろん、これもちゃんと回収してくれます。
生成AIを脅威として見るのではなく、自分が顧客に会い、一次情報を持っているからこそ、生成AIと協業したときに、そのチカラをもっと引き出せる。
AIが強いのは、整理や要約や展開。でも、何を拾うべきか、どこに本音が埋まっているか、何が現場の違和感なのか。そこはやっぱり、会いに行った人間のほうが強い。
だから、AI時代に価値がなくなるのではなく、むしろ「会っている人」の価値は上がる。そう感じられる一冊でした。勇気ももらえるし、希望ももらえます。
もし今、
「もっとお客さんを理解したい」
「でも何から始めたらいいかわからない」
そんな状態なら、完璧な分析から入ろうとしなくて大丈夫です。
まず一人に会う。
まず一回、現場に行く。
まず一つ、観察して持ち帰る。
そこから全部動き出しますから!
P.S.
弊社の「梅澤式キーニーズ法認定講座」を受講された方。本書、必読です!
おそらく初見の方よりも何倍も「そうそう!」と、深くうなずきながら読み進められると思います。そして、講座を受講したご自身の選択が間違っていなかったと、胸を張れるはずです。ぜひぜひお手にとってみてください!


