From 古川馨
スタジオジブリの新作
「君たちはどう生きるか?」
という作品を知っていますか?
この作品の宣伝方法…というか
マーケティング手法がとても斬新でした。
公開日までポスタービジュアル以外を
一切公開しないという方法。
要するに「秘密」です。
普通、映画の公開前には
バンバン宣伝をして
予告CMをガンガン流して
公開までの期待感を高めていきますよね
ですが、この「君たちはどう生きるか」では
アオサギのイラストが描かれたポスターだけが
公開されていました。
内容が全くわからない。
予告CMもない。
公式アカウントもほとんど投稿なし。
投稿してもポスターのイラストくらい。
もちろん、原作を知っている人や
書籍があるのである程度、
想像はつくかもしれませんが
映画として、どんな出来なのかが全くわからない。
人は秘密にされると
知りたくなるもの。
知りたい、見たいという感情が高まりますよね。
誰よりも先に見たいとか。
あなたの知らない情報を
私は知っているという優越感。
「秘密」は好奇心や優越感を刺激します。
そして、公開日の7/14に
情報が一気に溢れる…というか
爆発したというべきか。
とにかく、これまで情報が解禁されてこなかった
その反動がが怒った感じで
ツイッターにもガンガン投稿がされて
公開日当日のツイッタートレンド入り。
7/14の時点で8782件も投稿があったようです。
すごい勢いですね。
爆発的な伸び。
情報のオンパレードです。
興行成績はまだ出ていないようですが
めちゃめちゃ伸びそうです。
こういった「秘密」にすることで
売上を上げた事例は他にもあります。
例えば、「文庫X」
これは盛岡のある書店員が仕掛けて話題となった
中身が全くわからない本の話は
あなたも聞いたことがあるかもしれません。
書店員のおすすめ文が書かれた
ブックカバーで覆われ中身はかわらない。
わかるのは、、、
値段が810円で
ノンフィクション作品
ページ数が500以上
であること。
この中身がわからない秘密の本は
瞬く間に売れ、全国の書店にも広がり
あっという間に発行部数が18万部にまで
達したとか。
隠されることで中身を知りたくなる
情報がないことで、かえって見たくなる
知りたい欲求
好奇心を駆り立てられることで
通常よりも爆発的に売れてしまう。
そんな人間心理をうまく使ったのが
この「秘密」を使ったマーケティングです。
今はあまり見かけませんが、
昔、自動販売機に黒塗りで謎の商品があって
「買うまで何が出るかわからない」
というモノがありました。
いろんなモノがランダムに入っているので
子供の時に面白がって買っていましたが
アレもある種の「秘密」を使った
マーケティングですね。
他には格安航空のピーチが始めた「旅くじ」
ちょっと「秘密」とは毛色が少し違うかもしれませんが
行き先がわからない点ではある意味、秘密です。
ガチャガチャで旅行先を決めるっていうのは
斬新な企画ですし、何がでるかのワクワク感もある。
好奇心がかなり刺激されますね。
この旅くじは2ヶ月で3000個以上も
売れる大ヒットだったそうです。
爆発的な売上を作るには
「秘密」「好奇心」
という要素が大きな鍵になりそうです。
ガチャを使った手法は
比較的他の業種でも使いやすそうですし
中身がわからないという売り方は
福袋の別バージョンと捉えると
小売でもいけそうです。
居酒屋とか
メニュー名を書いたカプセルを
置いておくとかウケそうですしね。
あなたのビジネスで
「秘密」や「好奇心」を刺激する
パッケージや見せ方はできませんか?
あなたの商品やサービスが
大ヒットするキッカケになるかもしれません。