こんにちは。
リサーチャーXです。
先月末に米国で
Googleのイベントが開催され、
今後、Google広告が
どんな展開をしていくか発表がありましたね。
その中で
「これはぜひチェックしたほうがいい!」
と、まとめられているページが
ヘルプにありましたので、
今日はこちらをシェアしますね。
(ヘルプにしてはめずらしく読みやすい)
こちらです!
↓
■ Google Marketing Live 2023: 検索キャンペーンと P-MAX キャンペーンで成果を増幅
https://support.google.com/google-ads/answer/13602916
操作画面のイメージもありますので、
「こんなふうに変わるのか」
「こんなふうに動くのね」
と雰囲気だけでも先んじて
味わっておくことをオススメします。
管理画面がAIを中心に
ガラっと変わりそうな感じですね。
この中のひとつの目玉は、
検索キャンペーンの設定が
“同僚に話しかける” ように
会話調(チャット形式)で
できるようになることでしょうか。
もし、あなたが
すでにChatGPTやBardを
仕事で使っていらっしゃるなら
チャット形式でやりとりすることで
答えがみつかったり、
問題が解決されたり、
を実感していることと思います。
めちゃくちゃ便利でカンタンですよね。
広告の管理画面の設定は、
意外に手こずったりするので
ここをそんなチャット形式で
できるようになるのはありがたいです。
と、ここで私が気になったのは、
ヘルプページ書かれたこの言葉。
————
(引用)
お客様の専門知識とGoogle AIを組み合わせて、
さらに効果的な検索キャンペーンを作成できます。
————
「お客様の専門知識」とあります。
何を当たり前のことを言ってるんだ
というお声が聞こえてきそうですが、
ここ、ちょっと立ち止まって
考えてみたいポイントです。
そもそも、
今回発表されたこの機能は
ランディングページ(LP)のURLを
AIに読み込ませるところからスタートします。
それらベースに
AIが検索キーワードや見出し、
説明文、画像などを生成するので、
読み込ませるLPが的を射ていなければ、
その後の精度に大きく影響を与えることになる。
また、
見込み客のことをしっかり理解していないと、
生成された各パーツの良し悪しも判断できない。
つまり、
・自社の顧客理解という「専門知識」
・LPの完成度
が、より重要になる。
このうち、
顧客理解については、
「普段から顧客に接しているから大丈夫!」
と特別、問題視しないこともあるかもしれません。
ただ、実際にコンサルの場などで
相談を受けているとこんなケースがあります。
例)
ファネル設計や広告運用に際して、
見込み客についておたずねすると
「見込み客は◯◯だと思うんで」
とのご回答。
言葉に敏感な方なら
お気づきかと思いますが、
語尾が
「思う」になっているんですね。
この語尾を耳にすると、
私の中で「ピコン!」とアラートが上がります。
それは、
思い込みと先入観がせっかくの機会を
失わせてしまうおそれがあるためです。
たとえば、
この“思う”で広告出稿するとき。
・「見込み客はお昼の時間帯に
パソコンでしか調べないと“思う”」
↓
配信時間帯を昼だけにし、
スマホは配信除外をする
・「見込み客は
決裁権のある年長者だと“思う”」
↓
年齢設定で若手層を
配信ターゲットから外す
・「見込み客はシニアだと“思う”」
↓
配信ターゲットから若年層を外す
このような設定をして
広告の配信をしようとされている。
こういうとき、
「見込み客は夜に
スマホでも検索する可能性は
ありませんか?」
だったり、
「たしかに決裁権者は
年長者かもしれませんが、
リサーチは部下に行わせている
ということもあるかもしれません」
だったり、
「シニア層の親のために
子どもが検索、購入する可能性は?」
をお伝えして、
配信対象を絞りすぎないようにお伝えします。
結果、
データとして出てきた数字は、
深夜帯にスマホから
コンバージョンが発生していたり、
20〜30代のコンバージョンが確認できたり、
若年層が商品を購入していたりすることも。
つまり、
何が言いたいかと言いますと、
「顧客理解は本当に顧客理解になっているか?」
ということです。
思い込みや先入観で、
見落とし、見逃し、機会損失が起きていないか?です。
もちろん、
経験や長年の積み重ねによる“直感”も大事。
そこに異論はありません。
ただ、それが盲点になってしまい、
実情の把握や時代の変化、
大事な機会やチャンスを見落とす、
見逃すことになっていないか?
ということです。
予測、想定、見当は持つ。
その一方で、
いつ、それらが思い込みや先入観に
すり替わるとも限らない。
だからこそ
「自分は先入観で見ている可能性があるかも…」
とバッファを持っておく。
そして、
見込み客と向き合うときは、
意識的に自分の中を
ゼロ、白紙の状態にする。
先入観があると
「自分はもう顧客のことがわかっている」
「知っている」
となって、せっかくの新しい情報が
入りにくくなってしまうような気がするんですよね。
それって、
めちゃくちゃもったいないです。
せっかく、
新しい気づきを
もたらしてくれるかもしれないのに。
せっかく、
これまでの積み重ねや経験を
バージョンアップしてくれるかもしれないのに。
それを先入観や思い込みで
排除してしまってはもったいないです。
顧客を完全に理解しきることはできない。
だからこそ、
今、何に困っているんだろう?
何を解決したいんだろう?
何を成し遂げたいんだろう?
と関心を持って、
ひたすら耳を傾け続けることができますし、
向き合い続ける理由になります。
それを続けることで、
足をすくわれるような盲点を
持たずににいられる、と。
いつまで経っても
顧客を完全にはできないという前提で
常にリサーチ、ヒアリング、
テスト改善をしながら
自分の中の顧客像の新陳代謝を繰り返す。
それをもとに作り込むことで、
見込み客にしっかり届くLPが完成する。
それをAIに読み込ませることで
そこから生成された
広告見出しや説明文の良し悪しを
“専門知識”を持って判断できる。
データ分析分野でこんな表現があります。
“Garbage In, Garbage Out”
(ゴミを入れたら、ゴミが出てくる)
なかなかに厳しい表現でアレですが、
AIがどれほど高性能になっても、
もとになるデータの質が悪ければ
良いアウトプットは得られません。
AIがLPから生成した
広告見出しや説明文を、
自らの「専門知識」で
良いと判断できるようになるために、
顧客理解の深度と進度を
止めてはいけない。
今回のGoogleの発表を受けて
そんなことを感じました。
…と、自分で言っていて、
私たちは、なんと途方もなく終わりなき旅に
出ているのでしょうね。^^;
でも、だからこそ歩みを止めず
その旅を続ける仲間を尊敬しています。
P.S.
今回の発表では、
ユーザーが検索した際、
その結果をGoogleが会話モードで返し、
そこに広告が添えられるように
なることも示されていました。
デモ画像をみると
その動作がまるでGoogleが広告を
提案(?)、オススメ(?)しているような
印象を与えかねないことから
広告の審査がより厳しくなる…かも??