
今日は「求人」についての話…
先日、ある医療クリニックの先生と話をしていた時、
ポツリと、こんな言葉をこぼしていたんです。
「うちの問題かもしれないって、分かってるんですが…
でも、何がズレてるのか、もう分からなくて。」
この先生のクリニックには、
これまで紹介会社から何十人もの候補者が
送られてきていました。
紹介料は1人あたり100万円以上。
にもかかわらず、3ヶ月以内に辞めてしまう人が
後を絶たなかったんです。
「どうしてこんなに、
うちでは定着しないんだろう…?」
先生はその度に、頭を悩ましていたそうです。
実はこの話、この先生だけの問題ではなく
多くの医療現場で“同じこと”が起きています。
例えば、看護師1人あたり100万前後で獲得する
なんてことは、この業界では当たり前のこと。
でもみんな、すぐに辞めてしまう。
早ければ、1ヶ月〜3ヶ月
続いても3年以内にはいなくなる…
それが現実なんだそうです。
でも、紹介会社が悪い!というわけではありません。
ここで注意したいのは、
採用を「数合わせ」のように考えてしまうと、
人と職場のすれ違いは、どんどん深まっていく…
ということなんです。
例えば、僕らの事例にも、こんなケースがあります。
ある会社では、募集がたくさんくるけれど
どうしても良い人が取れないことがありました。
Indeedやハローワークを使って募集は集まっている。
でも、、、
「なんか違うんだよな…」
という人からの応募ばかりがきてしまう…
そんな中で、この会社は採用メッセージとして
こんなメッセージを打ち出したんです。
「県内一、家族の時間を大事にできる職場を目指しています!」
するとこのメッセージに反応してくれた人材からの応募が来て、
「こんな人に来て欲しかった!」
という人を、あっという間に採用できてしまったんです。
では、なぜそんなことが起きたのか?
それは、「欲しい人材」ではなく
『採用コンセプト』をもとにしたメッセージを発したからです。
「県内一、家族の時間を大事にできる職場を目指しています!」
一見、シンプルな言葉ですよね。
でもこの一文には、
経営者が「働く人とその家族を大切にしたい」という、
揺るがない“価値観”が込められていました。
つまり、、、
「欲しい人材をどう集めるか?」ではなく
「自分たちは、どんな人と一緒に働きたいのか?」
この順番を変えた瞬間に、採用はガラッと変わるということ。
実際、今の世の中、条件の良い求人なんて山ほどあります。
・給与が高い
・福利厚生が整っている
・休日が多い
こうした「条件競争」に参加しても、
上には上がいて、どこまで行ってもキリがありません。
それに、条件だけで集まった人は、
条件が合わなくなった瞬間に去っていくんです。
つまり「お金で買った縁」は、お金で簡単に切れてしまう。
じゃあ、本当に求めている人材は、どうやって来てくれるのか?
それは、条件ではなく「共感」でつながったときです。
「この会社の想いに共感できる」
「ここで働くことに意味を感じる」
そう思って応募してくれた人は、
条件以上に“居場所”を大切にしてくれます。
だからこそ、キャッチコピーを考えるのと同じで、
「どう言えば、求める人の心に届くのか?」を突き詰める。
それができないと、せっかく100万円払っても、
3ヶ月後には辞められてしまう…
そんな残酷な結果が待っています。
もし今、あなたが求人をサポートしているクライアントが、
「応募は来るけど、なんか違う」
「すぐに辞めてしまう」
そう嘆いているなら、チェックしてほしいのは募集要項や待遇ではなく
「採用コンセプトが存在しているか?」
これなんです。
そして、コンセプトは小難しい言葉である必要はありません。
「家族の時間を大切に」でもいいし、
「地域で一番ありがとうをもらえる職場」でもいい。
その会社が大切にしている価値観を、一言でズバッと伝える。
あなたは、今サポートしているクライアントに対して、
どんな採用コンセプトを言葉にしてあげられるでしょうか?
それが見つかった瞬間、
採用はコストではなく“投資”に変わりますよ。