こんにちは。
リサーチャーXです。
商品開発などで
ターゲットやペルソナについて
リサーチしたり、議論するとき。
「見込み客の立場に立って考える」
といった視点を
求められることがあると思います。
ご多分に漏れず、
ウチでもこの状況があるわけですが、
みんなで意見を出し合い、
ブレストをしながら
「自分が見込み客ならこういう悩みを感じる」
「見込み客はきっとこういう心理状態では?」
「自分が見込み客ならこれが欲しい」
といったアウトプットが飛び交います。
そんな中。
「お?なんだか噛み合ってないような…」
と違和感を覚えることがありました。
この違和感、コンサルの現場などで
見込み客についてヒアリングをしているときにも
同じように感じる画面があります。
どういうことかといいますと、
見込み客像を固めるために
議論しているときに
「自分が見込み客ならこういう悩みを感じる」
「自分が見込み客ならこれが欲しい」
と “見込み客の立場” に立った
アウトプットがなされる。
一見、
何も問題ないように思えますよね。
ですが、
ここに何か違和感を感じる…。
けれど、
自分が何に違和感を感じているのか?を
言語化できない。
そんなモヤモヤの正体を
見事なまでに言語化してくれた
書籍がありました。
こちらです!
↓
■ 勝負師の条件 同じ条件の中で、なぜあの人は卓越できるのか(日経BP 日本経済新聞出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4296116967?&_encoding=UTF8&tag=saleswriter-22&linkCode=ur2&linkId=24909e28b130ed54711fd5da09267782&camp=247&creative=1211
こちらの書籍の中に
このような記述がありました。
—————–
相手になり切ることには、深いレベルと浅いレベルが存在していることがわかる。それが次の二つだ。
A 相手の立ち場になったとして、自分はどう感じ考えるのか、と推測するレベル。
B 相手の人格になり切って、この好悪や価値観、性格などをベースに、論理立って相手の心象風景を読むレベル。
なり切る対象が、「立ち場」か「人格」なのかの違いが、この二つを根本的に分ける鍵となる。わかりやすく前者Aを「相手の立ち場だったらレベル」、後者Bを「人格なり切りレベル」と呼んでおこう。
引用「勝負師の条件」より
—————-
この部分を読んだときに
「ああーーー」
と首がもげるほど深くうなずいたのでした。
会議や打ち合わせの現場で
ターゲットとする見込み客について
考えるときに、
・「相手の立ち場だったらレベル」で話す人
・「人格なり切りレベル」で話す人
それぞれが混在してアウトプットしている。
そのズレが違和感の正体でした。
この二つは似ているようで全然違う。
「相手の立ち場だったらレベル」は、
自分が見込み客と同じところに立ってみたときに
“自分” がどう感じるかですが、
「人格なり切りレベル」は、
自分が見込み客の中に入り込んで
見込み客の目から見える風景を一緒に見ている感じ。
前者はあくまで自分という色が濃く、
後者は自分の色が薄い。
もちろん、
「人格なり切りレベル」であっても
自分というフィルターを通過する以上、
完全に自分をゼロにすることができませんし、
見込み客の内心を
完全にピッタリと1ミリのズレもなく
正解を言い当てられるわけではありません。
ですが、自分を極限まで薄めて
見込み客の感じ方、モノの見方に
近づくように思考が働くので、
アウトプットに差がでるのも当然です。
みんなで同じように
見込み客について考えているようで
“自分” の感じ方から話をしているのか?
“見込み客” の感じ方から話をしているのか?
ここが自覚的になっていないと、
アウトプットされる見込み客像は、
大きくズレた人になってしまいそう…。
今後、見込み客について議論するときは、
この認識合わせをしてからにしようと
固く心に誓いました。
そんな「人格なり切りレベル」。
マスターすると
かなり深いインサイトが得られそうですよね。
ただ、同時に
注意も必要なように感じました。
それは、過去に自分が、
見込み客と同じような悩みを持っていて
今、それを解決するためのビジネスをしているケース。
これって往々にして
よくあることですよね。
見込み客の悩みや苦しみが
手に取るようにわかる。
それこそ「人格なり切りレベル」で。
ですが、
ここに落とし穴が。
どういうことかといいますと、
自分と見込み客が限りなく近いがゆえに
「わざわざ知ろうとしなくても、もうわかっている」
となりやすい。
結果、まっさらな状態で
見込み客に思いを巡らす機会を失い、
別の角度からの新たな気づきを
得にくくなってしまうおそれがあります。
“過去の自分” がそうだったとしても
“今、目の前にいる見込み客” は
そうじゃないかもしれない。
この「かもしれない」が、
見込み客についての新たな発見や訴求軸、
商品開発につながる可能性がありますから
そのチャンス、
なくしてしまうのは
もったいないと思うのです。
その点も加味して、
自社の見込み客について考えるとき。
“自分” をどこに置いているか?
自分が、
見込み客の「立ち場」に立って、
“自分の感じ方” に意識を向けるのか?
自分が、
見込み客の「人格」になって、
“見込み客の感じ方” に意識を向けるのか?
アウトプットの軸足が
どっちにあるかを意識する。
さらに、
社内会議や現場での打ち合わせに
参加しているメンバーが
・「相手の立ち場だったらレベル」
・「人格なり切りレベル」
どちらのレベルで見込み客について
アウトプットしているのかを見極める。
せっかく時間をかけて
見込み客のことを考えるのですから、
みんなで同じ方向をみて進めていきたいですよね。
そんな気づきを与えてくれたこちらの書籍。
めちゃくちゃオススメです。
↓
■ 勝負師の条件 同じ条件の中で、なぜあの人は卓越できるのか(日経BP 日本経済新聞出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4296116967?&_encoding=UTF8&tag=saleswriter-22&linkCode=ur2&linkId=24909e28b130ed54711fd5da09267782&camp=247&creative=1211