こんにちは。株式会社バリューイノベーションジャパンのリサーチャーXです。今回の推し本はコチラです!

■ 生成AIで心が折れた 強みがなくなる世界でどう再起動するか
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もし、あなたが今、

・生成AIの進化が速すぎて、追いかけるのがただしんどい
・「AIで将来なくなる仕事」という見出しに、心がざわつく
・内心、「自分の仕事もいつか…」という危機感が拭えない

そんな状態にあるなら、今回ご紹介するこちらの本、かなり刺さると思います。とくに、

・知識差や専門性を武器にしてきたコンサルタント
・特定分野のスペシャリスト
・コーチ、セラピストなど「人の心」を扱う仕事の方

こうした方には、なおのことおすすめしたい一冊です。この本、完全にタイトル買い(ジャケ買い)でした。たいてい、本を買う前は「こんな内容だろうな」と想定していることが多く、今回も、例に漏れずそんな軽い気持ちでした。(本を読む前にレビューは見ない派)

「毎日のように生成AIの進化の話題を目の当たりにすれば心も折れるよね」
「定期的に『生成AIに奪われる仕事』みたいなニュースも出るし、そこで実際に奪われた人のエッセイ的な感じなのかな」

と、どこか他人事のような。事実、私自身、生成AIに関しては、リサーチ、資料まとめ、スライド作成、開発コーディング…と毎日の仕事ではかなり生成AIに助けられていますが、今のところすぐに仕事を奪われるという切羽詰まる感じはありません。良きサポートをしてくれる “相棒” です。

ただその一方で、「こっちのAIが、あっちのAIを抜いた」「モデルがまた進化した」そんなニュースが毎日のように押し寄せてくると、正直、もうお腹いっぱいな部分も。また、どこかウンザリした気分になることもありました。

ですので、こちらの本を見つけたとき「代弁して生成AIを批判してくれるのかな?」「ちょっと生成AIにガツンとひとこと言ってやってくださいよ!」と、密かにちょっとズルい期待があったのも事実です。

ところが。読み終わったあと、口をついて出た言葉はまったく違いました。「想定とは全然違う場所にたどり着いてしまった…」たとえるなら、沖縄旅行のつもりで飛行機に乗ったら、気づいたらブラジルに着いていた、くらいのズレ。そのくらいの “想定外” でした。

本書の序盤、第1章・第2章のタイトルは、こんなふうに並びます。
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第1章 強みが通用しない世界がやってくる
第2章 スペシャリスト神話の崩壊
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もう、この時点で心がザワつきます。特定の分野の知識量やその差を仕事の源にしていた自分は他人事ではいられません。

そして第3章。「残る仕事の未来予測は可能か」あなたも一度は見たことがあるのではないでしょうか。「生成AIでなくなる仕事」「将来消える職業ランキング」つい読んでしまう、アレです。そして、ちょっと不安になる。

そんな第3章、必読です。サム・アルトマン氏をはじめ、生成AI最前線、業界のオピニオンリーダーたちの言葉で綴られる本章。彼らの言葉が示す「これまで」と「これから」の生成AIの発展の道筋を聞いているとアレ系の未来予測がいかに当てにならないか…。定期的に特集される「なくなる仕事」系の記事で心をザワザワと揺らされていた自分。それに一喜一憂しない軸を手に入れることができただけでもこの本を読む価値アリです。

そして、第4章以降。話は、本のタイトルにもあるように「再起動」へと進んでいきます。ここからの展開が、本当にすばらしい。再起動のカギとして語られるのは、「心」と「体」。生成AIの話をしていたはずなのに、行き着く先が自分の「心」、ましてや自分の「体」だなんて誰が予想できましょうか。

ですが、読んでいると腑に落ちる。この流れが至極当然と思えるのです。著者さんは、自身の心を折った生成AIというテーマと向き合い続けながら、まるで一緒に旅をしているかのように、読者を自然と “そこ” へ連れていってくれます。

実際のところ私自身、これまでの仕事はかなり知識差に支えられてきました。それが強みであり、価値であり、仕事を成り立たせてくれていたのです。ですが、生成AIはその “頭脳” 部分を軽々と代替してしまう。そんなこれまでの “前提” や保たれてきた “秩序” を生成AIが崩壊させてしまった後、その強みを封じられてしまった世界で自分自身はどうなりたいか、どうありたいか。

それでもやりたいことは何か?
それでも伝えたいことは何か?

そこをド直球に問われている気がしました。一度、奪われたからこそ見えてくるもの。奪ってくれたからこそ見えてくるもの。武器を失った丸腰の状態になって初めて、自分の中にある本当の核(コア)に気づくことができる。逆説的ですが、そこにたどり着いたとき、生成AIは初めて“本当の味方”になるんじゃないか。なぜなら、自分の中にあるその核を見つけられたら、今度こそ、生成AIはその核を増幅させるための “相棒” になってくれるから。私には、そんなふうに思えました。

この本は、生成AI全盛時代を前に立ち止まり、自分のキャリアを改めて積み上げていくためのキッカケを与えてくれる本です。現在進行形で心が折れてしまっている人にもこれから折れてしまうかもしれない人にも間違いなく勇気と気づきを与えてくれる本です。今、このタイミングで出会えて本当によかった。心からそう思いました。

もしあなたが、生成AIに対する漠然とした不安を抱えながら、今日も現場で戦っているのなら、ぜひ、手に取ってみてください。その不安は、きっと希望に変わりますから。