※今日は筋トレの話に聞こえるかもしれないが
かなり真面目なビジネスの話をしているので最後まで読んでくれるとすごく嬉しい。

先日、スーツ用のYシャツを買いに行ってきた。

というのも…最近、身体が一回り大きくなったのか
持っているYシャツがパツパツすぎて着れなくなってしまったのだ。

特に首と肩幅。

肩が広がったのか?首が太くなったのか?
シャツの首の部分のボタンが届かないのだ。

9月にちょっとお堅い団体で求人の研修をやることになっているので
先日、Yシャツを買いに行ったのだ。

僕は服を1つの店でしか買わないので
その店の店長とはもう5年くらいの付き合いである。

で、店長に言われた。
「あれ、宮川さんまたデカくなりました?」
僕は自分が最近小さくなったと思ってたので
意外だったのだが、どうやらでかくなったらしい。

(コレ、マーケのお客さんにも同じことを最近言われた)

ジムに行ってるとムッキムキの人たちがたくさんいるので
自分がガッリガリに感じてしまうからだろうか。

店長に「いや、そんなことないですよ」と言ったわけだが
店長から「だって、今ままでのサイズはいらないんでしょ?」と言われ、
「あ、確かに」と自分がデカくなったんだということをちょっとだけ自覚した。

だが、最近筋トレは頻度を少し落としていた。
ちょっと腰の調子が良くなく週6でジムに行っていたのを週3〜4にしていたのだ。

だが、ジムを減らしたのに逆に筋肉はデカくなった。
なんでだろうと自分で考えて思い当たる節はあった。
というのもジムの頻度を減らすかわりにトレーニングの仕方を変えたのだ。

これまでは例えば10回 3セットみたいな感じで回数を決めてやっていた。
アームカールなら16kg 10回 3セットみたいな感じだ。

それをジムに行く頻度を減らすかわりに
一回一回の質を上げるために限界までを3セットみたいに変えたのだ。

なぜなら、「もう無理」ってところから
何回やるかが筋肉の成長を加速させるからだ。

だから、そう変えたのだ。

で、結果的におそらく効果があったのだろう。
僕はちょっとだけデカくなることができたわけだ。

で、思ったことがある。
これって会社の利益を出す行為とすごく似てるなと。

あなたが割とガチめに筋トレしているならわかると思うが…
「もう無理」からもう一回あげるのがどれだけ苦しいかを知ってるだろう。

筋肉が悲鳴をあげてから1回、2回、3回と上げていく。
これはかなりしんどいのだ。

なぜなら、脳はすでに「もうやめろ!」って指示を出してるのに
意思の力でその指示を無視するわけだから。

しかもそれを20セットとかやる。
普通の意思の力では絶対にできない。
(だから、マッチョには 痛みに強い人しかなれないっていうのだろう)

まぁ、筋トレの話はもう終わりにして
筋トレで「追い込む」ことと会社の利益を出す行為は似ている。

なぜなら、経営をしていると儲かる月もあれば儲からない月もいっぱい経験する。

利益で1000万超えてるじゃん!とかもあれば利益30万しかねーじゃんみたいな。
長く経営者してればそういう経験は何度も何度もしてきた。

じゃあ、なぜ儲かる月と儲からない月があるのか?
もちろん、儲かる月はプロモーションが当たった月だ。
儲からない月はプロモーションが微妙だった月だ。

それはそうなのだがでも、もっと本質的な原因はそこではなく…
“安心”が、儲かる月と儲からない月を分ける最大の原因なんだと思っている。

というのも、基本的にどの会社も毎月
「今月は損益クリアーできるかな?」って心配を抱えている。

なぜなら、会社の売上に責任を持っている人なら誰しもが思うことが
「今月は最低でもこのくらいの売り上げは作らないとな」
ってことを思いながら毎月をスタートする。
(もちろん、今月は〇〇円やるぞ!みたいなポジティブな気持ちも持っている)

だから、その売り上げをクリアーすると
「今月は最低限はこれでクリアーできたぞ」って安心してしまうのだ。

最初は「最低でもこのくらいは…」ってのがあるからめちゃくちゃ頑張る。
でも、それがクリアーされてしまうと頑張らないわけじゃないのだが
最低限をクリアーするまでと同じ頑張りではなくなってしまう。

例えば、損益分岐が1000万だとしよう。
そうしたら売上が1000万行くまでは死ぬ気で頑張る。

でも、1000万クリアーしたら
「よしよし、とりあえずこっから先は全部利益だから今月はこれで大丈夫だ」
ってなってしまうのだ。

が、よく考え欲しい。
社が本当に儲かるのはその「最低でもこのくらい」を超えてからなのだ。

そっから先は売れば売るほど儲けが膨らむ。
10個売れば損益ゼロ。

その場合は11個めからが本当に儲けを出すフェーズになるわけだが
売上に責任を持つ立場の人は損益を超えると
「ホッ」としてしまい途端に力が抜けてしまうのだ。

儲けが膨らむのはそこからにも関わらず…
つまり、死ぬ気で「今月は最低でもこのくらい」をクリアーした後に
もう一踏ん張りできるかどうかが利益を最大化する上で極めて重要なのだ。

「もう無理!」「これでOK!」ってところから
「よっしゃ!あともう1回!」
これができるかどうかが筋肉の成長も
会社の利益の最大化も決める極めて重要なことなのだ。

実際、自分の会社の毎月の収支を見ても本当にそうだなって思う。
儲けが多い月はこの最後の一踏ん張りができた月だし
でも逆に儲けが少ない月は「今月は最低限このくらい」を売って
安心してしまった月だったりする。

あなたもこれまで担当したプロモーションの成果と
自分の「もう一踏ん張り」の相関関係を見てみるといい。

かなりの確率で相関関係にあることがわかるはずだ。
だが、このもう一踏ん張りって頭でわかってもなかなかできるもんじゃない。

なぜなら、人間はそもそも「失敗したくない」という感情の方が
成功したいよりもはるかに巨大だからだ。

つまり、「失敗」を極度に嫌うのが人間という生き物だということだ。

だからこそ我々マーケターは常に意識したい。
「最低限このくらい売ってからが本番」だということを。