2025/06/14

[オススメ本] GBP・SNS・広告の運用代行者必見の炎上対策

 

こんにちは。

リサーチャーXです。

 

今日の推し本はこちらです!

■ ネット炎上事例300 なぜ企業や個人は失敗を繰り返すのか?

 

 

こちらの本は、
1つの炎上案件につき

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・何が起きたのか?

・ネットユーザーはどう受け止めたか?

・企業側の対応は?

・この騒動から得られる教訓は?

 

————————

という構成で、

1ページにまとめられています。

 

しかも、その数 300。

時系列、事象、対応までが

コンパクトに整理されていて、

本当にスルスルと読み進められる。

 

 

このコンパクトさ、とてもありがたいです。

(さすが編集のプロのお仕事…!)

さらに各事例は、

カテゴリ別に分類されていて、

以下のような構成になっています。

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Chapter1 2025年、炎上事件簿

Chapter2 ジェンダー炎上

Chapter3 不適切な投稿、行為、広告

Chapter4 バイトテロ

Chapter5 炎上エトセトラ

 

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このうち、とくに

「Chapter3 不適切な投稿、行為、広告」は、

日常的に集客や認知施策を担当する私たちに、

どのような点に注意すべきか?

その視点を与えてくれます。

そして「Chapter4 バイトテロ」は、

人材・採用に関わるライターやコンサルの方に、

ぜひ目を通してほしい内容です。

 

といいますのは、

このChapter4はSNSでの拡散や

炎上事例としてだけでなく、

 

 

現場で起こり得る(かもしれない)

従業員の“想定外”の振る舞いを具体的に

予見できるようになるからです。

 

社長や経営者の右腕の立ち位置にいますと、

採用時だけでなく、入社後の環境や教育にも

携わる機会があったりします。

 

そのとき

「予測の幅」を持っているかどうかで

事前の防止策を立てられるかに直結しますから、

そういった視点でもこのChapterは

押さえておきたいところです。

さらに「Chapter5 炎上エトセトラ」には、

“生成AIトラブル”も掲載されています。

まさに、

これから現場で起こり得るテーマ、ですね。

 

 

クライアントさんに

生成AIを導入するシーンでも

自社で生成AIを使うシーンでも

「予測の幅」として目を通しておきたい事例です。

 

 

・・・

 

 

「事例」って多くの方が求め、

知りたいことでもありますよね。

とくに“成功事例”は、

自分(自社)に当てはめれば、

似たような結果が出せるのでは…!?

そんな期待感があります。

ですが、私はそれ以上に、

“失敗事例”を知ることのほうが、

何倍も大事だと思っています。

なぜなら、

“勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし”

この言葉がすべてを言い表しているから。

過去に起きた「負け」(≒失敗)を

知識としてでも持っておけば、

“不思議の負け”を減らすことができるんじゃないか、と。

SNSやGoogleビジネスプロフィール運用代行

広告運用支援を担っている私たちにとっては、

クライアントさんのストッパーになることも

職務の一環だと思うのです。

 

 

クライアントさんのために

そんな “不思議の負け” をひとつでも減らしたい。

 

 

そういった意味で、

“失敗事例”を知ることの方が、

何倍も大事だと考えています。

また、この本の “推し” ポイントは、

失敗のプロセスだけで終わらないところです。

失敗から立ち上がり、その後の対応によって

“それ以前よりも支持を集めた”

企業の事例も紹介されています。

炎上に対して逃げずに向き合う姿勢。

鮮やかに状況をひっくり返す決断と行動。

現場にいる私にとって、

それは単なる事例ではなく心に響くメッセージです。

失敗は終わりじゃない、

そこからやり直せる、

だから現場に立ち続けるんだ、と

そんな勇気がもらえます。

 

とはいえ、

「じゃあ、失敗してもいいんだ!」

とノープランで挑むのはもちろん得策ではありません。

企画の検討段階から、

慎重な判断、リスクの洗い出し、

影響範囲のシミュレーションといった

できる限りの備えは必要です。

 

それでも、どうしても

炎上の可能性はゼロにはできない。

 

 

けれど、知っていることで、

わずかでもその確率を下げられるなら、

それは市場に立ち続けるための

強力な武器になります。

 

 

こちらの本は、

そんな “負けない” 武器を与えてくれます。

……と、ここまででも

十分に “お値段以上”の価値があるのですが、

一番の“推し”ポイントは、

「はじめに」の部分で著者の方が

昨今の炎上の起こりやすさの要因を

示しておられるところです。

 

 

この「はじめに」は

4ページ(全体は311ページ)ほどですが、

この4ページを読むだけでもこちらの本は価値があります。

 

 

Xのアルゴリズムといった技術的な部分はもちろん、

社会的背景と人の感情。

 

これこそが、

300の事例を貫くものです。

 

まずは、

社会的背景の「分断」。

◯◯ vs △△

賛成派 vs 反対派

「きのこの山」派 vs 「たけのこの里」派

 

といったものです。

(ちなみに私は「きのこの山」派です)

 

 

このように、

あらゆるテーマが二項対立で語られがちな今。

 

このことに対し、

著者の方はその状況と炎上に関して

このようにおっしゃっています。

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さまざまな論点で相いれない者同士が共存している状態は、非常に着火しやすい、“可燃性”が高い環境と言えるでしょう。

引用:『ネット炎上事例300』p.5より

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「着火しやすい」、まさに。

 

Xのアルゴリズムによって

小規模アカウントであっても「おすすめ」に表示され、

分断された「着火しやすい」状況に “燃料” 投下される。

 

結果、大炎上…。

そして、もうひとつ

人の感情。

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炎上の引き金になるのは、ほとんどの場合、喜怒哀楽の「怒」の感情です。人気のSNSや投稿端末、コンテンツ形態(テキストか画像か動画か)、そして情報モラルも時代によって変化しますが、「何をされるとカチンとくるか?」ーー、「怒」の感情がもたらすものはほとんど変わりません。そのため、10年前と同じパターンの炎上が繰り返されています。

引用:『ネット炎上事例300』p.6より

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この「怒」もいろいろありますね。

 

 

たとえば、

理不尽に感じた「怒」

尊厳を守るための「怒」

反射的に湧き出た「怒」

大事な人やモノを守るための「怒」

良い「怒」や悪い「怒」もあるんだと思います。

(この「良い」「悪い」も二項対立から逃れられていませんが…)

 

この「怒」。

 

とくに “正義” と結びついたときに

炎上が暴走しやすい危うさを感じています。

自分が “絶対の正義” なのですから、

振り上げた拳を下げる理由がありません。

 

そして、

炎上が炎上を呼び、収集がつかなくなる。

 

だからこそ、

SNSやGBP、広告の運用代行といった

クライアントさんの対外発信に関わる私たちは、

 

 

この「怒」が燃え広がる構造を

知っておくべきだと思うのです。

ツールや技術を使うだけじゃなく、

社会的背景と人の感情の構造を想像する力を持つこと。

この本は、そのためのヒントを

たった4ページの「はじめに」で教えてくれました。

炎上は誰にでも起こり得る。

でも、“想像力の有無”がその確率を変える。

 

 

“火を起こさないようにする工夫”と

“火がついたときの備え”

 

 

どっちも持っていたいですよね。

 

 

こちらの本は

そんな「はじめに」から300の事例を通して、

転ばないための知恵と転んだ後に起き上がるヒント、

そのどちらをも示してくれた一冊でした。

 

プロとして「知らない」は、

武器を持たずに戦場に出るのと同じ。

守りながら戦うために、

現場で使える“攻防一体”のマーケティングの戦術書

としてこちらの本、強く強くおすすめします!

 

 

P.S.

 

炎上って、ほんの一言(一文、一単語)で

火がつくこと、ありますよね。

SNS投稿も広告コピーも。

 

 

最近はそういった投稿文やコピーを

生成AIに書いてもらうことも多いと思います。

 

生成AIを使うときには

「どんな言葉を選ぶか」「どう設計するか」で

伝わり方がガラッと変わりますが、

そんなときに便利なのがこちらです。