2024/12/28

[オススメ本] 年末年始に読みたい一冊

こんにちは。
株式会社バリューイノベーションジャパンの
リサーチャーXです。

今日の推し本はこちらです!

    ↓

■ 森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像

今日から、
いよいよ年末年始のお休みが始まった方も
多いのではないでしょうか?

とはいえ、
ついつい仕事のことを考えてしまい、
完全にOFFモードにできない…という方も
いらっしゃるかもしれません。

そこで今日、ご紹介する推し本は、
少しお休みモードにシフトチェンジしつつ、
仕事のスイッチを完全にOFFにしないための

ある意味、
“プロジェクトX” 的な内容です。

ウチの宮川が取り上げることも多いので
マーケターなあなたならきっとご存知の
森岡さん率いる株式会社「刀」。

代表取締役の森岡さんが
メディアに登場することが多いので、
森岡さんに注目が集まりますが、

こちらの本、タイトルにも
異能集団「刀」の実像
とありますように、

「刀」に在籍されている各分野の
超プロフェッショナルなメンバーの方が登場し、

「刀」の強さは、個々人はもちろんのこと、
組織「集団」としての力強さの「実像」を
知ることができます。

その中でも個人的に強く興味をひかれたのは
情報分析を専門とする
「インテリジェンスチーム」の存在です。

特許取得済みの独自開発の確率数式で
正確な予測値を出して
マーケティングに活かしている…

しかもその予測値がすごいのです。
誤差がなんと驚愕の “1%” 。

本書のタイトルにも
「必勝の法則」とありますように
必ず勝つ、と書いて「必勝」。

ビジネスを一か八かの
ギャンブルにしてしまうのではなく、

誤差1%の需要予測をする
精緻な数学マーケティングを使って
必ず勝てる戦い方をしている。

勘や経験頼みの「エイヤ!」ではなく
(もちろん、直感や経験からくる判断も重要です)
負けない戦い方をする。

なんてカッコいい…。

日々、数字をみている者の端くれとしては
驚きとため息しか出ません。

そんな数字の威力に圧倒されつつ、
私の一番の推しポイントは
実はココではありません。

一番の推しポイントは、
森岡さんが顧客理解をするための手段です。

本書の「第4章 これが本当の消費者理解」では、
大自然のアクティビティが楽しめる
「ネスタリゾート神戸」のお話がでてきます。

そこのマーケティング支援をする際、
消費者が山での体験で
何を求めているかを理解するために

なんと森岡さんは狩猟の免許を持って
猟師をやってしまうのです。

顧客理解のために猟師??
ちょっと意味がわからないですよね?^^;

そこにはこんな狙いがありました。

—————————

「『狂人』と『凡人』に憑依して、2つをつなぎ合わせたベクトルの上に解を見つける」

引用「森岡毅 必勝の法則」p.128 より

————————–

日々、山の中の自然を相手にする『狂人』の猟師
休日、山の中の自然を楽しむ『凡人』の消費者

真逆だけれど、根幹が同じで、
それぞれの体験が濃淡のグラデーションとなる
この2つを結び、

高濃度の『狂人』をやることで、
その先にいる『凡人』である消費者が
理解できるという発想。

もうシビれますね。

人が求めているものの根源、根幹は何かを掴んでいないと
決してその発想には至らないその洞察力。
なんという振り幅の大きさ。
そして縦横無尽な発想と行動力。

その一方で、森岡さんは、
製粉大手企業との協業の際には、
実際に小麦粉を使い自らの手でパン作りまでするのです。

「えっ!?森岡さんレベルの人が
 わざわざここまでやるの… !? 」

と驚きを隠せませんでした。
どこかで、

「そういった泥臭い、超絶現場的なことは
 さすがにあのレベルの人はやらないだろう」

という先入観を持っていたからです。
それに対して森岡さんはこうです。

    ↓

———————-

「『狂人』の分析をして本当に消費者を理解をしようとすれば、尋常じゃない情熱や執着心がいる」

引用「森岡毅 必勝の法則」p.130 より

———————-

雷に打たれたような衝撃です。
顧客理解は、

・努力してやるもの
・タスクとしてやるもの

といった類(たぐい)のものではなく

「尋常じゃない情熱と執着心」レベルで
やることだったのか、と。

「執着心」というと
どこかネガティブなニュアンスの言葉なのに、
こんなにカッコいい「執着心」もあるんだ、と。

このレベルにある人が、
「尋常じゃない情熱や執着心」で
顧客の気持ち、顧客理解をやり続けている。

じゃあ、自分はどうだろう…?

そんな自問自答をしながら、
クリスマス前の某日。

普段はネットを介してやり取りをしている
クライアントさんのスイーツ店を訪問。

スイーツ店は、
この時期、1年で一番の繁忙期でした。

それこそ、
寝る間を惜しんで、
まともに食事をする時間もない状態。

それでも工夫を凝らし、
来店するお客さんを楽しませ、
1円でも売上、利益を上げようとしている。

そんな姿を目の当たりにし、
猫の手くらいにはなれるかと
箱詰め作業のお手伝いさせていただきました。
(少しでも売り手に憑依したいという邪な気持ちもあり)

そして、
買い手にも憑依するために、
他のお客さんと同じように
クリスマス商品を購入もしてきました。

ネットだけの遠隔やりとりだけでもなく、
実際に店舗に足を運び、
クライアントさんと同じ景色を見てみる。

一般のお客さんと同じ方法、
価格で商品購入をしてみる。

森岡さんの
「尋常じゃない情熱や執着心」
には遠く及びませんが、

自分自身の五感で感じたリアルな経験が
深く自分の中に刻まれました。

このありありと残るリアルな感覚。

これだけは、
X(Twitter)や知恵袋では探せません。
ChatGPTにも出力できません。

このリアルが自分の中にあることで
言葉にチカラがのりますし、
臨場感を持って相手に
伝えることができるんですよね。

それは、
普段のコピーライティングや
広告訴求のメッセージだけでなく、
提案やプレゼンも同様です。

どれだけエビデンスを重ねても
机上の空論は、やはり最後の一押しとなる
“何か” が足りないのです。

現場を知っているからこその気迫なのか、
熱量なのかわかりません。

それでも確実に欠けている
“何か” があるのはわかる。

その捉えどころのない “何か” を掴むために
「尋常じゃない情熱や執着心」
が必要なのでしょうね。

私自身がまだこの “何か” を捉えきれていませんが、
確実に言えることは、

机の上でパソコンをカタカタやっているだけよりも
現場に行き、体験・経験することで
そこに近づくことができるということ。

先達が
「尋常じゃない情熱や執着心」
でやっているのですから

まだまだ挑戦者のわたしたちが、
やらない理由がありませんよね。

2025年。
現場、行きましょう!

そして、
「尋常じゃない情熱や執着心」を
やってやろうじゃありませんか!

最後に、今年もお世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。