From 古川馨
日常生活において
常識は私たちを助けてくれるものですが、
ビジネスやマーケティングの世界では、
この「常識」が邪魔になることがあります。
つい先日、うちのお客さんから
非常に興味深い成功体験を
シェアしてもらいました。
あまり詳細はお伝えできないのですが、
主婦層をターゲットにした
LPのファーストビューについて、
ある実験を行ったそうなんです。
それは、比較的文字が多く
説明チックになっているファーストビューと、
シンプルにキャッチコピーで
構成されたファーストビューを
比較するテストでした。
通常、リード獲得用の LPのファーストビューは、
簡潔でインパクトのあるキャッチコピーと、
視覚的に魅力的なビジュアルを配置するのが
「常識」とされています。
特に、広告から流入してくる訪問者に対しては、
文字数を抑えたシンプルなデザインが
好まれることが多いからです。
なぜなら、広告からの流入の場合、
訪問者はそれほど真剣に
LPを見ないことが多いため、
ファーストビューでテキストが多いと
「読むのが面倒」と感じられてしまい、
離脱につながるからです。
しかし、この実験結果は
そういった「常識」とは違ったものでした。
つまり、文字が多いファーストビューの方が
遥かに反応が良いという結果が出たのです。
なぜ、このような結果が
出たのでしょうか?
ファーストビュー以外は全く同じため、
そこに書かれたテキストが
勝敗を分けたことは一目瞭然です。
実はファーストビューで書かれていたのは、
商品の価値をしっかりと伝えるための
メッセージでした。
そして、その商品がある深い悩みを
解決するものであったため、
広告からの流入とはいえ
むしろその詳細な説明に
安心感や信頼感を抱いた可能性があります。
だから、行動に移ったと。
要するに真剣に解決法を探している人が多く
アクセスしてきていた可能性ですね。
解決意欲も高く、
めちゃめちゃ検索しまくっている。
そして、あちこちのサイトを見ている。
そんな時、
たまたま見かけた広告から
流入してきた …。
そんな風に想像すると、
LPの中を一言一句、
舐め回すように読み込む
かもしれません。
「これはどうだ?」
「他と何が違うんだ?」
「本当に効くのか?」
そんな人なら、
文字量の多さよりも
書かれている内容が
気になるかもしれないですよね。
マーケティングは、
常にテストと改善の繰り返しです。
「常識」に囚われてしまうと、
勝ちを見逃してしまうこともあります。
そして、今「常識」となっているものが、
いつまでも「常識」とは限りません。
なので、私たちマーケティングに携わる者は、
時には常識を疑い、
新たなアプローチを試みることが必要です。
この事例を聞いて、
かつてのダイソンのエピソードを
思い出しました。
ダイソンの掃除機が登場する前、
掃除機業界では紙パック式が主流であり、
それが「常識」とされていました。
しかし、ダイソンはその常識に疑問を抱き、
「もっと優れた方法があるはずだ」と考え、
サイクロン技術を開発しました。
彼の革新的な技術は、
吸引力を維持しながら
紙パックを不要にするもので、
当時の掃除機の常識を
完全に覆すものでした。
しかし、業界全体がそのアイデアを
「非常識」と見なし、
製品化に否定的でした。
それでも、ダイソンは
自らの信念を貫き、
リスクを恐れずに市場に
新しい製品を投入しました。
その結果、消費者からの支持を得て、
今ではダイソンは世界中で
愛されるブランドとなったのです。
ダイソンの成功と今回の LP実験の成功には
共通点があります。
それは、どちらも「常識」とは
違ったところに正解があったことです。
ビジネスの世界では、
時に「非常識」と思われるアイデアが、
他とは違う価値を生み出し、
成功への道を切り拓きます。
「大衆は常に間違う」という言葉があるように、
「常識」はビジネスにとっては
判断を鈍らせるものにもなります。
もちろん、常識にとらわれず、
自分の信じる道を進むことは、
リスクを伴います。
しかし、そのリスクを
乗り越えた先には、
他では得られない大きな成果が
待っていることもまた事実です。
常識を打ち破ることで、
新しいアイデアが生まれ、
そして、あなたのビジネスが
さらに成長し、
競争力を持つきっかけとなります。
あなたが今、当たり前と
思っていることを打ち破った先に、
新しい発見とビジネスの
成功が待っているかもしれませんよ。
ps.
なんでダイソンのエピソードと結びついたかというと
実は最近、掃除機が壊れて家電店で
あれこれ見ているからだったりします…。