2024/02/05

完璧主義の罠

From:宮川徳生

ご存知の方も多いと思うが
ウチはこれから幼児教育の事業を始める。

その事業は
僕が事業責任者も兼任し
立ち上げていくので
今新規事業の準備で大忙しだ。

この事業の目的はこうだ。

どんな子供も誰にも負けない
その子だけの能力や才能を持っているわけだけど
大抵の子供はそのことに気づく事なく大人になっていく。

例えば、将棋の藤井くんなんかは
まさに将棋の才能に出会うことができ
それに没頭する環境があったため
将棋の世界でトップになった。

どの子供も
藤井くんにとっての将棋のように
めちゃくちゃ才能が発揮されるものがあるはずなのに
気づく機会すらない。

なぜなら
今の幼児教育の環境は
時代遅れの詰め込み先取り学習だからだ。

子供のうちから
学校でいい点数を取ることが「正義」だと刷り込まれ
いい高校いい大学に行きいい会社に就職するレールが
幸せな人生だと言われ続ける。

が、僕はそうは思わない。

もちろん
学校のお勉強が
その子供の将来に役立つなら
その道は間違いではないだろう。

しかし、そうじゃない子も
いっぱいいるわけだ。

にもかかわらず
学校のお勉強が最も才能を発揮できる場所ではないのに
それを強制されてしまう今の環境は
絶対ダメだよなと言うのが
我々の考えだ。

だから、我々の教室は
子供が本当に集中して取り組める何かを
見つけることができる場所であり

どんな分野の道に進もうとも
能力を発揮できるために
その下地となる脳を鍛えることを行い

子供達にそうした環境を提供できるための
場所としてインフラ化していく。

ざっくりこんな感じなわけだが
こういうことを考えてると
いろいろなことを最初からやりたくなる。

これから
間違いなく共働きの世帯は増えるので
親が子供をより見られなくなる。

だから、子供たちが入れる場所としての
機能も持たせたい。
(学童の要素もある子供の脳を鍛える場所的な)

教室も広く子供がワクワクするような
デザインで作りたい。
(視覚情報から子供がこれやりたいとなるような場所)

教育理念の根幹が
モンテッソーリの要素が強いので
どうせならモンテッソーリの資格も取りたい。
(言葉の説得力が違う)

子供たちがいろんなことを体験できる
機会の提供を企業に協賛を募り作りたい。
(没頭できることと出会えなければ子供が
 生まれながらに持ってる才能に気づくことができない)

事業立ち上げフェーズなので
本当にアイデアは色々出てくる。

こうした方が売れるんじゃないか?
この場所の方が売れるじゃないか?
サービス内容をこうした方が絶対価値があるんじゃないか?

しかし、こうしたことを考えてる中で
ふと思ったことがある。

「おい、自分よ
 最初から完璧を求めてないか?」と。

この世の中に
完璧なものなど1つもない。

というか
「完璧な状態で世に出たものなど1つもない」
の方が正確だね。

どんな世界でもこれは共通だ。

なぜ、iPhoneは
リリースしてからアップデートがあるのか?

電子機器の全ては
必ずアップデートがある。

そして
そのアップデートに
終わりが来る日はない。

ゲームだってそうだ。

リリースした後に
重大なバグが見つかり
その修正版を配布したりする。

スポーツ選手はどうか?

ボクシングの井上尚弥は
あの強さを身につけてから
試合に出始めたわけではない。

試合に出る中で
強さを身につけていっているのだ。

そして、それに終わりはない。

ビジネスもそうだ。

Airbnbなんて
最初は地図がなかった。

まがりなりにも
宿泊みたいなジャンルなのに
地図がないって致命的じゃないかと思う。

でも、最初はなかったのが事実だ。

その後
旅行者の利便性を上げていくアップデートが繰り返され
今のAirbnbになってる。

時価総額は9兆円近くにり
「民泊」という概念すら生み出すことになった。

それが地図がない状態で
サービスをスタートしてたわけだよ。

これがもし最初から
完璧を求めていたら…

きっとAirbnbは今存在しないし
「民泊」と言う概念はもしかしたら
生まれなかったかもしれない。

今、話題のチョコZAPもそうだ。

完全無人なので
マシンが壊れて使えないと
結構クレームが多いらしい。

また、無人なので
店舗によっては清掃状態が杜撰で
かなり汚いみたいな声も見かけたりする。

しかし、たった1年で
国内ダントツのフィットネスサービスになったのは事実だ。

もしチョコZAPが
壊れないマシンを開発してからやろうとしたら
いまだに1店舗目は出せてないだろう。

清掃スタッフを常駐させようとしたら
あの価格でサービス提供ができないので
この会員数の伸びは絶対になかった。

我々がこれから
子供達に提供しようとしている事も同じだ。

完璧な状態でスタートなどできないし
するべきでない。

もちろん
これはいい加減な状態でスタートするという意味ではない。

不完全な状態でスタートして
社会の洗礼を浴びながら
改善をして育てていくものだ。

完璧が来る日なんて
絶対にないから。

不完全なまま
やり続けるのがビジネス。

そして、お客さんから
洗礼を受けて改善をしていくことで
よくなっていくのだから。