2025/04/28

上手にパクる方法

From:宮川徳生

「パクる」

という言葉を見て
ドキッとした人も多いんじゃないだろうか。

「パクる」という言葉を見て
何か罪悪感を感じこのメールを開封した人も
いるかもしれない。

「いやいや、俺はパクるなんてしたことねーし」

と思った人もいるだろうが
自分の胸に手を当てて正直に
内なる声に耳を傾けてみよう。

今まで他社のコピーや広告
プロモをパクったことがないと
果たして本当に言い切れるだろうか?

僕は言い切れない。

というか、駆け出しで
未熟だった頃、盛大にパクリ
怒られたことがある。

コピーや広告
マーケティングの仕事をしているのなら
「パクったことがない」と言い切れる人は
1人もいないんじゃないだろうか?

先日、メルマガの読者さんから
「ウチの商品からコピーから何から何まで
 パクってる人がいるんですけど」と
メールをもらった。

ウチは、商品によっては
「そのまま使用してもらってOKだよ」
としてる商品もあるが…

教えてもらった内容は
その許可をしていないものだった。

そして、本当に
びっくりするくらいそのままだったw

「あれ、これ俺の書いたコピーじゃね?」

って感じだった。

マーケティングの仕事をしていて
パクられる当ことはある種の栄誉でもあるが…

話を戻して
マーケティングの仕事をしているのであれば
多かれ少なかれば「パクった経験」は
誰もがあるだろう。

セールスライティングをやっていると
パクることをスワイプすると呼び
言い方を変えてパクることを肯定したりする。

セールスライティング以外でも
参考にする、オマージュする、インスパイアされる
影響を受ける、エッセンスを取り入れるなどなど…

耳障りのいい言葉に変換してたとしても
要はそれは「パクる」のと変わらない。

今日は、なぜ
こんな話をしたのか?

誰しもが
臭いものにふたをしておきたい
「パクる」というテーマに切り込んでるのか?

それは、先日受けたある相談が
「パクる」ことについてだったからだ。

パクるというよりも
「真似をして成果を出す」ことに対して
間違った認識をしていたからだ。

なぜ、我々はパクるのか?
真似をするのか?

それは、その方が
うまくいく確率がグッと高まるからだ。

特に広告やコピーはそうだ。

これまで誰も使ったことがないような表現や
誰も見たことがないような訴求はとても危険。

なぜなら、誰も見たことがないってことは
誰の感情も動かしたことがない訴求だからだ。

それが当たるか当たらないかは
全くの未知数。

いわば丁半博打に近い。

金が無限にある企業ならそれでもいいが
金が有限な中小零細がそんなことしたら
一瞬で破産である。

だから、パクる方がいいわけだが
でもパクるのも問題があって…

それは何かというと
パクること自体が難しいという問題だ。

あなたも経験ないだろうか?

うまくいったものをパクったのに
全然うまくいかなかった経験は
きっとあるんじゃないだろうか?

それも、一度や二度じゃなく
何度もあるんじゃないだろうか?

うまくいったものをパクるなら
うまくいく確率が高くなるはずなのに
なぜかうまくいかない…

なぜ、こんな矛盾が
起きるのだろうか?

その理由こそ
パクること自体が
実はとても難しいことだから。

どういうことか?

みんなパクる時に
決定的に重要なあることを
ごっそり見落としている。

見落としているというよりも
全くそのことが頭にない場合がほとんどだったりする。

これは、広告を作る上で
最も重要な要素にもかかわらず
「パクる」時になると
みんな見えなくなってしまう。

それは何か?

それは…

“背景情報”だ。

例えば、こんな広告があったとしよう。

「あのダン・ケネディがついに公開!!
 この秘密がダン・ケネディを億万長者メーカーと言わしめ
 世界一のコンサルタントにした…
 その秘密を今日公開します」

これを見て
「これいいな」と思い
あなたがパクったとする。

あなたの名前を
仮に山田太郎にしよう。

で、山田太郎は
コンサルとして最高月収10万円としよう。

さて、パクるとどうなるか?

「あの山田太郎がついに公開!!
 この秘密が山田太郎に最高月収10万円をもたらした…
 その秘密を今日公開します」

どう?

これ見てどう思った?

あなた、山田太郎の秘密を
知りたいと思った?

おそらく誰も思わない。

でも、不思議じゃない?

だってこれ
うまくいった広告を
かなり忠実にパクってるんだよ?

でも、忠実にパクってる広告を見てるのに
それを知りたいとも欲しいとも思わないのは
一体なぜか?

これこそが
背景情報なのだ。

ダン・ケネディの場合
コンサルであればダンは神様みたいな人で
「ダン・ケネディ」だから買うって人が
世の中にごまんといる。

中には商品がよくわからないけど
とりあえずダンだから買っておく
みたいな人もいっぱいいる。

つまりだ。

このうまくいった広告が
なぜうまくいったのかというと…

ダン・ケネディが権威だから
うまくいった広告ということになる。

この広告がうまくいった背景情報ってのは
「権威がみんなが羨む結果を手に入れた秘密を公開する」から
うまくいったわけ。

ってことはだ。

この広告をパクって成果を出すためには
同じ背景情報が必要になる。

売り手は権威か?
みんなが知りたい成果を手に入れているか?
そこに秘密はあるか?

など、これらの背景情報が必要になり
これらの背景情報が重なる時のみ
この広告をパクっていい結果を出すことができる。

山田太郎は権威でもなんでもない。
最高月収10万円は誰もが手に入れたい成果でもない。
そこに秘密もクソもない。

なぜ、山田太郎は
忠実にうまくいった広告をパクったのに
全然ダメなのかの答えがこれなのだ。

つまり、パクるというのは
まずそもそもの話
うまくいった背景情報を汲み取る能力がないと
できない高等技術なのだ。

この技術がないとどうなるかというと…

・パクるではなく盗用
・ただの猿真似
・パクっても成果でない

この3つのうちのどれかになる。

広告やコピーは
パクって真似することは
何も間違いじゃない。

でも、パクるということは
背景情報を観察し
背景情報をパクることだということを
肝に銘じておこう。

ちなみに、背景情報をパクるということが
無意識でできるようになると…

世の中にある
広告やコピーが全て
背景情報に見えてくるようになる。