2017/09/19

無私であることとネット広告運用の意外な関係

先日あるカフェに入った際、2人組の大学生が会話をしていました。どうやら先輩、後輩の間柄のようです。話題は「就職活動について」後輩の方が先輩に相談でもしているようでした。そこで先輩の方がアドバイスしていたのが、

「自分のキャリアやビジョンをしっかりと語れないと面接通らないよ。」

といったようなことでした。就職活動の面接で学生に求められることって変わらないなぁ~と思いつつ、かつて自分が面接が嫌で就職活動を辞めてしまったことを思い出しました笑

面接が苦手というより、先輩さんがおっしゃるような、自分がどうなりたいのか、どんなキャリアを歩んでどんな人生にしたいのかを考えてPRするのが苦手でした。

そんな自分の性格を損だな~と思っていたのですが、今セールスライターとしての仕事、特にネット広告ライターとしての仕事をやっていると、「あまり自分がない」という特性も悪くないのではないかと思うようになりました。

今回はそのことについて書いてみようと思います。

自分がどうしたいのかを考えるのが苦手でした…

「黒岩さんがどうしたいのかを聞かせてくださいよ!」

これは、私が前の仕事で後輩に言われた台詞です。小さな会社でしたので、私もまがいなりにプロジェクトを任せてもらえ、数名で取り組んでいました。その会議でのことです。

私は事前にお客様の声や、属性の分析、今までのデータなどを調べながらプロジェクトの改善策を練っていました。そして、会議の場で私は

「お客様の声からこういったことがわかるし、データをみてもこうするべきだと思うから、次はこういった方針でいこうと思う。」

といったことを言いました。しかし、反応があまりよくありません。(結構論理的なアイデアだったと思うねんけどなぁ)と思っていると、ある後輩が

「このプロジェクトを動かしているのは黒岩さんなので、黒岩さんがどうしたいのかを聞かせてくださいよ!どうすべきとかじゃなくて」

と言いました。私としては、

(え~~。プロジェクトが成功すればそれでいいじゃん。俺がどうしたいとか、いる??)

といった感じでした。そんな経験があったので、何をするにも、自分がしたいことを表現できないというのは損な性格だと捉えていました。(今思えば、私が相手の感情を理解しようとしていなかったのが良くなかったのだと思いますが…)

しかし、大きく価値観の変わる出来事がありました。それは、楠瀬さんが私をパートナーとして選んでいただいた理由を話している時のことでした。

「黒岩さんは、あまり自分がなかったのでパートナーに選びました。」

(えっ、それって評価されるポイントなん!?)

ずっと弱点だと思っていた点が、強みに変わった瞬間は割と衝撃的でした。ここでの「自分がない」というのは、「エゴがない、自分の正しさを押し付けない」といった意味に変換できると思います。確かによく考えたら、セールスライターとしてマーケティングをする上では、良い特性なのかもしれないと思いました。

ネット広告ライターに求められること

私は主にネット広告ライターをやっています。ネット広告には2つの側面があります。

1つは、ターゲットを定めて広告を作成して配信するといった側面

2つ目は、広告の配信結果の数値を分析して、次の施策を考えるといった側面です。

おそらくスキルが一定水準に達しているセールスライターが初めてネット広告を作成して、配信したら、そこそこ良い結果になると思います。効果的な広告の原則はオンラインもオフラインも変わらないからです。

一方、数値の分析については、ネット広告の知識を持っていないセールスライターにとっては、簡単にいかないことが多いと思います。人によっては、ものすごく苦手に感じるでしょう。「数値を分析して考える」といった面が、ネット広告ライターらしさであり、強みでもあると思います。

  • 広告の良し悪しを判断するためにどの項目を見れば良いのか?
  • 結果からわかるターゲットの頭の中の感情は何か?
  • 数値から見えてくる広告の改善点は何か?

例え広告の配信結果が良くなかったとしても、しっかりと分析を行うことで次のテストに活かすことができます。その際に大切なことが2つあります。

1セールスライティングの基礎を知っていること

ネット広告では反応の良し悪しが数値となってはっきりと出ます。しかし、なんの知識もない状態で数値を見ていても、次にどうすれば良いのか?といった一手を打つことができません。ネット広告は可能性の検討手段であり、ターゲットに刺さる広告の作成にはセールスライティングの知識がベースになっています。

セールスライティングの知識をベースに広告を作成しなければ、たとえテストを重ねても、無駄打ちに終わってしまいます。また、項目の数値から、ユーザーの感情を予測しながら結果を分析していくことのできる面白さは、セールスライティングの知識が前提になっているからだと思います。

2市場のフィードバックを素直に受け入れること

これが、私がネット広告ライターにとって自分の正しさを押し付けないことが大切だと思う理由です。

残念ながら、ネット広告の運用は自分が予想していた結果通りに行くとは限りません。むしろ予想外の結果が出ることは日常茶飯事です。

また、時間と手間暇をかけて作成した広告が良い反応になるとは限りません。サラッと作成した広告の方が良い結果になることもあります。正直受け入れがたい結果となることもありますが、それが市場の声であり、顧客の頭の中なのです。ここで自分の正しさを押し付けようとしてしまい

(いや、私はそうは思わないから。私だったらこっちの広告を選ぶから。)

といった考えでいると、せっかくの市場の声を聞き逃してしまいます。ネット広告の結果は、市場さんが、

「ユーザーさんの欲求はこういうところにありますよ~」

と教えてくれているのです。せっかく教えてくれているのでしっかりと聞いて次に活かさない手はありませんよね?楠瀬さんもおっしゃっているのですが、私たちはマーケティングの奴隷です。マーケットの言うことは絶対に聞かなければいけないのです。残念ながら、そこに自分の意思を挟む余地はありません…。

私「今回の広告はかなり時間かけたから、いい感じの反応あるんじゃないですか〜?」

市場さん「いや、どうやらユーザーはには響いていないみたいだよ。」

私「…そう、ですか…やり直します…」

こんなやり取りを頭の中で繰り広げながら、日々広告の作成と運用のテストを繰り返しています。

もしあなたが、セールスライターとしてクライアントのネット広告を運用する際は、しっかりと結果を分析しながら市場からのフィードバックを聞くように意識してみてください。

追記

数値を正しく分析して、市場からのフィードバックを聞けるようなネット広告ライターになりたい方はこちら