2023/06/14

リンカーンの手紙

From:長嶋雄二

ちょっとワタクシごとですが、、、

息子とのコミュニケーションに悩む
今日この頃…

「自分の考え方を
 押しつけちゃいけない…」

そんなことは分かっていながらも
ついつい口を出してしまったり、
彼をコントロールしようとしてしまう。

そんな何とも言えない状況に
モヤモヤすることが増えてきて、
ちょっと悩んでいたとき。

こんな話を知りました…

1863年7月。

アメリカで
奴隷制度の廃止を掲げた北軍と
奴隷制度の維持を掲げた南軍が争った
『ゲティスバーグの戦い』

いわゆる南北戦争の中でも、
最大の戦闘と言われる一戦。

南軍優勢とされたいた中、
北軍に敗れ
南軍は後退したのですが…

河が連日の豪雨により氾濫し、
南軍は足止めを余儀なくされます。

「これで戦争を終わりにできる!」

北軍(アメリカ合衆国)大統領、
エイブラハム・リンカーンは
このチャンスに歓喜しました。

すぐさま、北軍のミード将軍に
南郡追撃の命令を電報で送りました。

でも、ミード将軍は
リンカーンの命令通りに動きませんでした。

そうこうしているうちに、
河の氾濫が収まり、
南軍は退却。

リンカーンは激怒し、
やり場のない怒りを息子に
ぶつけたそうです。

「なんということなのだ!
 敵は袋のネズミ。

 私ですら打ち倒すことが
 できたはずなのに!

 ミードの臆病者め!」

リンカーンの怒りは
これだけでは収まらず、
彼に1通の手紙を書きます。

〜〜〜〜〜

拝啓

敵将の脱出によってもたらされる
事態の重大性を、貴下が正しく
認識されているとは思えません。

~中略~

この好機を逸した現在では、
戦争終結の見込みは
全くたたなくなってしまいました。

 ~中略~

今後、貴下の活躍に
期待することは
無理なように思われます。

事実、わたしは期待していません。

貴下は千載一遇の
好機を逃したのです。

そのために、
わたしも計りしれない
苦しみを味わっています。

以下略。

〜〜〜〜〜

想像してみてください…

この手紙を読んだ
ミード将軍は
どう思ったでしょうか?

大統領からこんな直接の批判を浴びて、
どんな感情になったでしょうか?

・・・いかがでしょうか?

実は、、、

ミード将軍は
この手紙を読みませんでした。

なぜなら、リンカーンは
この手紙を投函しなかったからなんです。

この手紙は、リンカーンの死後、
書類から発見されたそうです。

じゃあなぜ、リンカーンは
この手紙を出さなかったのか…?

想像してみると、
リンカーンはこんな感じで
考えたんじゃないでしょうか・・・

〜〜〜〜〜

待て待て。

この手紙を出したところで
今さら結果が変わるのか?

てめぇ全然使えねなって言われた
ミード将軍は
どんな気持ちになるだろうか?

そもそも、アメリカのためになるのか?

確かに、
自分の気持ちはすっきりするだろう。

でも、それだけじゃん・・・

 
もし仮に彼が手紙を読んだら、
その後ちゃんと、
アメリカのためになる
頑張ってくれるかな?

 
いや、、、
多分その可能性は低いよな。

軍を去るかもしれない。

 
下手したら自分が恨まれるし、
アメリカ合衆国を嫌いになるかもしれない。

 
それに、、、

もし自分も彼の立場だったら、
彼と同じ判断をしたかもしれない。

そして何よりも、
過ぎたことを叱責したところで、
誰のためにもならない。

そう、これは終わったこと。
もう時間は戻らない。

私が本当にやるべきことは、
彼の背中を押すことだ…

この経験を戦争終結や
今後の国のために
活かしてもらうこと。

それがアメリカの未来の
ためになるであろう…

〜〜〜〜〜

こんなことを考えて
リンカーンは手紙を
しまったようにも思うんです。

国の理想(未来)を見据え、
ミード将軍の立場に立ったリンカーン。

このエピソードから、
リンカーンの人間力が
うかがえますよね。

この話、あなたはどう感じました?

・家族

・友人

・クライアント

・仕事仲間

・先輩、師匠

彼らに対して
過ぎてしまったことを
ネチネチと恨んだり。

時には怒りのままに
感情をぶつけていませんか?

百歩譲って、この怒りに
あなたなりの哲学があるなら
逆に素晴らしいことだと思います。

でも、そうじゃなくて、
ただの感情任せの悪態なら…

あなたの身の回りの人間関係は
ボロボロと崩れ落ちていきます。

知らないうちに
みんなから避けるようになったり
裏で悪口を言われたり・・・

僕らがいるようなビジネスの世界って、
広いようで実はとても狭いです。

どこかで悪口が出れば
それがたちまち、業界に
知れ渡ることは珍しくありません。

『信頼』がもっとも大事な今の時代。

一度失った信頼を取り戻すには、
よほどのことが必要になります。

一度失った信頼は99.9%
回復が不可能だったもしますよね。

ビジネスをしていれば、
ついつい感情的な対応をしてしまう
ことがあるかもしれません。

でもそんな時こそグッと堪えて、
リンカーンがした行為を
思い出してみてください。

一時の感情に任せて
自分がスッキリすることも大事でしょう。

でも、僕たちはそれじゃいけない。

感情任せの自己中ヤロウのままでは
誰もついて来ないです。

『成功者と言われる人ほど人格者が多い』
なんて話をよく聞きますよね。

だから僕たちも
感情に身を任せたりせず、
未来に視点を持って

『相手の立場に立って、冷静に考える』

そんなリンカーンの姿勢が
ビジネスにも、人間関係にも、
めちゃくちゃ大切ってことです。