From:宮川徳生
いつものように
動画撮影のためスタジオに移動後
時間があったのスマホでYouTubeを見ながら
一息ついていた。
1人で楽しく
囲碁将棋チャンネルで
藤井くんのタイトル戦の
アーカイブを見ていた時
そのやりとりが耳に飛び込んできた。
それは、どのオフィスでも繰り広げられていそうな
上司部下の典型的なやりとりだった。
しかし、そこに
しょーーーーもないけど
とても重要な人間心理が垣間見れた。
藤井くんの神の一手が
どういう読み筋で繰り出されたかを
自分なりに考えていたわけだが
(将棋がわからん人はすまん)
近くの席にいる
50代くらいのおっちゃんと
20代後半くらいの兄ちゃんが
双方イラついてるのがわかるくらい
ちょっとした言い合いになった。
どうやら、おっちゃんが
兄ちゃんに任せた仕事の結果に対して
おっちゃんが怒ってるっぽい。
おっちゃん
「だからさ、こういう時って
先にこうしておかないとクラアントがわからないだろ?」
おっちゃんは
クライアントに提出するHPかLPかに対して
クライアントからダメ出しされたことを
兄ちゃんに問いただしているようだ。
僕も細かいことはわからないが
制作をするのに
デザインでいくら、コーディングでいくらと
兄ちゃんは見積もったそうだが
クライアント側が
「え?なに?コーディングって?」
という状態になったらしい。
それで、価格が違うという指摘を
おっちゃんがクライアントに言われて
兄ちゃんに対して
なんで、しっかり説明しないんだ?
とプチ説教しているというのが
話の内容みたいだった。
それを聞きながら僕は
「あぁ、兄ちゃんやってちまったんだな」
なんで思ってたわけだが
兄ちゃんはそこで思いもしなかった言葉を
おっちゃんに言い始めた。
兄ちゃん
「というか、ここに書きましたけど?」
兄ちゃんの言い分は
クライアントとのやり取りのメールの一部に
デザイン代とは別にコーディング代がいくらかかるってのを
言ってあると主張し始めたのだ。
こんなの結構あるあるだと思うが
売り手は言ったつもりだが
クライアントがそれを理解しておらず
「金が違くね?」ってなる典型的なトラブル。
おっちゃんの主張は
「お前なんで説明してないんだ?」
兄ちゃんの主張は
「いや、言ってるし」
そして、兄ちゃんの攻撃を受けたおっちゃんは
それに切れたのか….
おっちゃん
「お前が言ったか言ってないじゃなくて
相手が理解したかしてないかだろ?
最終的な確認すればよかったんじゃないのか?」
とさらに、兄ちゃんを潰しに行く。
そんなこんなで
うるさい揉め事で藤井くんの将棋を見れなかった僕は
撮影時間になったためその場を離れたわけだが…
このやりとりの中に
しょーもないけどとても大事な
人間心理が隠されてるな〜と改めて認識した。
その人間心理とは…
『人は誰しもが正しくありたいと思ってる』
ということだ。
兄ちゃんは
おっちゃんからミスを指摘されたわけだが
ちゃんとやってると反論をした。
こんな反論に意味はない。
反論して
自分の正しさをおっちゃんに証明したところで
クライアントとのトラブルが解決するわけでもない。
おっちゃんは
兄ちゃんからミスはしてないと言われたわけだが
そのやり方自体がそもそもだめだとさらに反論した。
お互いの主張はわかるし
それ自体間違ってるわけでもない。
だが、こうした反論の裏には常に
「自分は間違ってない、自分は正しい」と思いたい
という人間心理が強く強く働いている。
あなたも経験ないかな?
誰かに何かを指摘されて
それはその通りなんだけれでも
間違いを認めないがあまり
間違いを認めずに反論し続けるみたいな。
自分は間違ってないと信じたい
自分が正しいと信じたい。
だから、指摘されると
人は反論し抵抗を始める。
本当にしょーもない人間心理なのだが
我々マーケティングを実践する人間にとって
このしょーもない人間心理は全くもって
無視できないのである。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人を嫌う。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人を恨む。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人を憎む。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人についていかない。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人を信頼しない。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人を頼りにしない。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人の陰口を言う。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人を否定する。
人は「お前は間違ってる!」と言ってくる人をに怒る。
だが、一方で
人は「あなたは正しい」と言ってくる人を好きになる。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人に恩を感じる。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人を可愛がる。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人についていく。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人を信頼する。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人を頼りにする。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人の良い噂ばなしをする。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人を認める。
人は「あなたは正しい」と言ってくる人を理解する。
これが人間心理なのだ。
つまり、これをマーケティングに置き換えるなら…
あなたはあなたの顧客に
頭ごなしに「お前は間違ってる!」と
否定してはいけないと言うことになる。
もちろんこれは
間違いを指摘してはいけないと言うことではない。
顧客を導くには
彼らの間違いを時には叱り、時には諭し
ただし方向に導いてあげなくてはいけない。
だから、顧客を否定しなくては
いけないときはたくさんある。
だが、あなたがやることは
頭ごなしに否定することではない。
間違ってしまってる顧客を理解し
認めてあげることなのだ。
その上で、どうするべきなのか?を伝えていく。
この人間心理は
本当にしょーもない心理である。
だが、同時に
正しくありたい、自分は正しいと信じたい。
そういう心理を抱くのが
また人間でもあるのだ。
そして、人は
その正しさを否定する人ではなく
認めてくれる人・理解してくれる人に
ついていくということを覚えておいてほしい。
あなたのメッセージは
顧客を頭ごなしに否定していないだろうか?