こんにちは。
株式会社バリューイノベーションジャパンのリサーチャーXです。
今回の推し本はコチラです!

■ サイバー攻撃 その瞬間 社長の決定
https://amzn.to/4nFTpJD

今、現在進行系でアサヒグループホールディングスが
サイバー攻撃を受けたというニュースが話題になっていますね。
おそらく目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こういったサイバー攻撃のニュースは

「うちは小さい会社から大丈夫」
「フリーランスだから狙われるはずがない」

と思ってしまいがちですが、仕事でネットにつながっている限り、
サイバー攻撃とは無関係ではいられません。

しかも最近は、
「サイバードミノ」という言葉もあるように、
   ↓
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サイバー攻撃により、被害が連鎖して取引先やその先まで企業の業務が停止するような事態のことをいいます。
引用:経済産業省「中小企業の実態判明 サイバー攻撃の7割は取引先へも影響」より
https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250219001/20250219001.html
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という連鎖被害も無視できない状態です。
そんな今だからこそ読みたいのが本書です。

こちら物流大手「株式会社関通」の創業社長 達城さんが
“サイバー攻撃を受けた当事者”として記したリアルタイム・ドキュメントです。

タイトルにもあるように、これは「決定」の記録。
社長として、どう決断を下したのか?その一部始終が描かれています。

さながら、海外ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」のようで
刻々と変化する状況が時間軸で記されます。
たとえばこのような感じです。

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九月一三日 金曜日
7:00 緊急ミーティングー会社存続のための決断
引用「サイバー攻撃 その瞬間 社長の決定」p.29
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ドラマの中のあの緊迫感を高めるデジタル時計の秒針音が聞こえるようです。
あまりの現場のヒリつき具合に読み進めるほど、手が止まりそうになる。
(読んでいて、胸が苦しくなる瞬間ばかり…)

その一方で
「で、次はどうする?」
「どう動く?何を決める?」
を知りたくて仕方がないとなんとも複雑な心境になります。

そんな怒涛展開にあらためて思い知ったのは、
経営者・トップという立場は決断の連続なのだということ。

しかも、熟考する余裕なんてない。
その場その場で判断し、社員・取引先・顧客を守るために動き続けなければいけない。
それがこんなにも重く、孤独で、過酷なことだったのかと。

本書は、いわゆる“キラキラ成功ストーリー” ではありません。
(危機を脱したということでは “成功” でもありますが)

むしろ、トップの社長がどれだけ悩み、苦しみ、もがいたかが
リアルな言葉で綴られています。

だからこそ、読み手である私たちにも刺さる。
仮に今、自分自身が経営者・社長でなかったとしても、
サポートする側・並走する側として、
「こういうとき、自分はどう動くか?」
そう自分に問いかけずにはいられません。

そして本書の後半は、実際に被害を受けたからこそわかる
「今やるべきサイバー攻撃対策」も詳しく語られています。

本書をただの “怖い話”として終わらせず、
「備えるきっかけ」とするために実務としてここのパートももしっかり
読む必要があると痛切に思った次第です。

そんな本書の、今回の “推し” ポイントは、内容そのものもさることながら、
読後の導線設計が秀逸すぎる点です。

といいますのも、本書の最後には「読者専用ページ」が案内されています。
そこでは、サイバー攻撃対策コミュニティの案内と関通さんの無料個別面談を提供しています。

この流れ。
コンサルタント・マーケターな方でしたら
この動線設計に「!」と反応してしまうのではないでしょうか?

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ここまで読んだ人は、もはや体験者
    ↓
不安が可視化されている今こそ、支援を差し出す
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というある種の“体験型コンテンツ” からの次アクションへの導線設計。
関通さんは「被害者」でありながら、今では「支援者」として立っている。
この“変換”。

つまり、失敗も痛みも、経験すれば強みに変わる。

そして、その経験は、誰かを救う「選ばれる理由」になる。
万が一、自社やクライアントさんでサイバー攻撃やシステムトラブルが起きたら
「関通さん(達城さん)がいる」と“第一想起”になる。

この設計そのものが、“推し” ポイントです。

つまり、こちらの本は、セキュリティ意識を見直す“きっかけ” であると同時に、

・コンテンツとしての価値の出し方
・導線設計
・ユーザー体験の構築
・ブランドの再構築

が学べる“実践マーケティング教材”でもあるわけです。
…というわけで読むのに勇気はいりますが、読むと「背筋が伸びる一冊」です。

“もしも”のとき、自社はどうするのか?
そしてそのとき、自分は誰の役に立てるのか?

そんな視点に加えて、

・構造を学ぶ
・危機を疑似体験する
・強みに変える導線を知る

この1冊で全部できます。超、超オススメです!