
先日、とある旅館の社長と話をしていたときのことです。
「せっかく採用した子が、3ヶ月で辞めちゃったんですよ」
そう言って肩を落とす社長の顔には、
悔しさと、どこか諦めにも似た表情が浮かんでいました。
その子は、遠く福島からやってきた18歳の女の子。
おじいちゃんに育てられ、ここで社会人デビューを果たす!
そんな未来を思い描いていたはずでした。
でも実際には…
・化粧は毎日バッチリ決めてくるのに、遅刻はする。
・「体調悪い」と言っては、すぐに休む。
まるで学校気分のまま、仕事に臨んでいるようだったそうです。
社長も何度も声をかけ、辛抱強く教えたけれど、
夏を越す前に「やっていけません」と辞めてしまった。
僕はこの話を聞いたとき、胸にぐさっと刺さるものがありました。
なぜなら、これって旅館だけの話じゃないからです。
コンサル・ライターの現場、
中小企業の現場でも、日々、同じようなことが起きています。
たとえば…
「やります!」と元気よく案件を受けたセールスライターが、
修正が重なると「思ってたのと違った」と言って、
いきなり音信不通になる。
最初は勢いがあっても、続かない人は本当に多い。
じゃあ、続く人と続かない人の違いは何か?
僕が思うに、それはやっぱり、
「変わろうとする意思があるかどうか」なんです。
例えば、スポーツも一緒ですよね。
才能があっても「別にいいや」と思っている子は伸びない。
逆に、不器用でも「上手くなりたい」と心から願った子は、
努力を積み重ね、いつしか才能ある子を追い越していく。
人の成長は、外から押しつけられるものではありません。
「自分から変わりたい」と思った瞬間に、一気に花開く。
僕自身、一人の親としてもそれを痛感しています。
だからこそ若い子の求人で大切なのは、条件やスキルの前に、
“変わろうとする芽”を持っている子なのかどうか。
その芽を持つ子からの募集を得られるかどうか…
ここに尽きると思うんです。
じゃあ、どうやって彼らを惹きつけるのか?
・現場を体験させるインターンを用意する
・先輩スタッフのリアルな声を聞かせる
・求人サイトや動画で『現場のリアル』を見せる
こうした仕掛けで「働く前のギャップ」を埋めてあげること。
それが、続く人を惹きつけるポイントになるんです。
そして、もうひとつ。
僕が何より大事だと思っているのは、
募集の時点から自社の理念や方針をはっきり出すこと。
例えば…
「県内一、家族を大切にします!」
こうしたコンセプトを求人票に込めるだけで、
「ここなら、自分も頑張れそうだ」と思う人が集まり、
逆に「自分には合わない」と思う人は自然に離れていきます。
でも理念やコンセプトを隠して“条件の良さ”ばかり並べると、
「なんとなく」で応募した人ばかりが集まり、
入社してからミスマッチが起きる。
これほどお互いに不幸なことはないですよね。
でも、理念に共感して入ってきた人は違う。
困難にぶつかったときこそ、
「ここで頑張ろう」と火がつくものなんです。
だからこそ、募集の時点で理念や方針を打ち出すこと。
それが求人の成功には欠かせない。
“変わろうとする意思”を持った人に
理念やコンセプトでフィットさせていく。
この2つが揃ったとき今の若い子からも、理想の人材が現れ、
そし彼らは、3ヶ月で辞める存在ではなく、
5年、10年と共に走り続ける仲間へと変わっていく。
僕は今回、改めて強くそう感じました。
『今の若い子をどう活かすか?』
あなたなら、どう考えますか?