2017/05/07

反応率0.01%のFAXDMは失敗か?

From:藤井和昭

ちょっとお時間をいただき、あなたにも考えて欲しい事があります。

これからお伝えするのは、あるクライアントさんの為に私が作成したFAXDMのお話です。

B2B取引の新規開拓を目的としてよく利用されるFAXDMですが、
受け取る側の意識は恐ろしく低く、通常の反応率は0.1%程度。

つまり、1,000件配信して1件反応があれば、「御の字」というレベルです。

ところが、私が作成したFAXDMの反応率は0.01%でした。

つまり、10,000件に配信して1件の反応率。

通常の10分の1程度の反応率でした。

その結果が判明した時、正直
「やっちまった・・・」と思いました。

と同時にクライアントさんにも本当に申し訳ない事をしたと思いました。

しかし、果たしてこのFAXDMは失敗だったのでしょうか?

 制作の背景

クライアントさんの提供しているサービスは「ファクタリング」というものでした。

一般的な企業では、商品やサービスを提供したら「売上」が発生し、例えば1ヶ月後とか2ヵ月後にお金が振り込まれます。その「お金になる権利」の事を「債権」と言います。

しかし、取引先の中には、商品やサービスを提供して、そのお金が入って来るのが3ヶ月後、4ヶ月後という所も珍しくありません。

その間にも、従業員への給料の支払いがあったり、商品を仕入れたりするためのお金が必要になります。そこで、何とかお金が入って来るサイクルを早める事ができれば、企業は給料の支払いも商品の仕入れも行えます。

銀行さんの融資を利用しても対応できますが、信用度の調査が入ったり、融資が下りるまで時間がかかったり・・・

そんな時間も待ってられん。3ヶ月後の100万円より、今手元に95万欲しい・・・

そんな企業さんの切なる願いを叶えるのがファクタリングサービスです。「売掛債権」を買い取り、数パーセントの手数料を徴収して現金化してあげるのです。

 ターゲット層は・・・

そうなるとターゲット層は「資金繰りに困っている企業さん」となります。売掛金や手形は持っているのに、これからの従業員さんへの給料の支払いや月末の仕入れ先への支払いを考えたら、通帳残高が厳しい企業さんです。そして、FAXDMを見て欲しいのは、社長さんや経理担当者、つまり資金繰りを把握している方です。

ですが良く考えてみて下さい。

そこまで「資金繰りに困っている」企業さんが、FAXなんて見るかと言う話です。どうにかしなきゃと思っているなら、ネットで調べるなり、何かしら調べてるはずだと言う事です。

そう考えると、良くて反応してくれるのは

  • ファクタリングというサービス自体を知らない方
  • そこまで切羽詰まってないけど、何か資金繰りを改善する対策がないだろうか?程度に考えている方

となります。さらに言えば、自社のそのような内部事情を露わにしたくないと言う感情も働きます。「うち、資金繰りが厳しいんですけど・・・」なんて、あまり知られたくない事実です。

このような状況を考えてみれば、1,000件に1件の反応を期待するのが間違っていると気づいたのです。

配信の結果だけみれば

結局、このクライアントさんは95,000社に対し配信をし、13件の企業から反応をもらいました。

反応率 0.0136% です。

反応率だけ見れば「大失敗」です。さらにFAXDMの配信費用だけでも60万円以上かかっています。

ですが、手数料5%として、1,200万円程度の申込みがあれば、手数料収入が60万円になります。それで配信費用の回収は出来ます。そして、その後もお申込みがあった企業と継続的にお取引が続けば、以降はFAXDMを使う事無く手数料収入を得られる事になります。

ただし私には、実際に1,200万円程度の申込みがあったかどうかは、知る事が出来ません。一つ言えるのは、少なくとも、今後の見込み客となる13件のリストを手に入れたと言う事です。

 反応率だけに捕らわれない

当初、反応率だけ見れば通常の10分の1程度と言う事で私は萎えていました。

しかし、この取り組み全体の流れで考えれば、

  • 反応率0.1%はそもそも厳しい
  • その後のLTVを考えれば13件のお問い合わせ・申込みがあれば、配信費用の60万円もペイできる

そう気づき、取り組み自体は失敗ではなかったと今では思えます。

 

「反応率だけに捕らわれるのではなく、クライアントさんに何を与える事ができるのかにコミットする」

そんな心構えを頂いたのも楠瀬さんからでした。

もしあなたが、自分の制作したものが本当にクライアントに結果をもたらす事が出来るのかと悩んでいるなら、こちらのグループで、毎月1回、楠瀬さんから直接アドバイスをもらう事もできます。私が今あるのは、そのおかげだと思っています。

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