From:宮川徳生
先日、僕が
ある社長と話した時のこと。
「マジで金がやばい」
と、驚きのカミングアウトから
会話が始まった。
その社長の会社は
1人社長でパン屋をやっている小さな会社だ。
なので、売上も
毎月何千万とあるわけでもなく
100万あれば御の字といった規模。
そんな中、パンを作る機器が
ぶっ壊れてパンが作れないと。
ただ、ぶっ壊れた機械はそこそこ高額で
今それを買うキャッシュがないため
やっすい代替品を買ったらしいのだが…
物ってのはほとんどの物が
安かろう悪かろうなんだね。
それもすぐぶっ壊れて
安物買いの銭失いになってしまったみたい。
で、冒頭の
「金なくてヤバい」
につながるわけだが…
今日の話の本題はこれから。
金がやばいわけだから
なんとかして金を作らないといけない。
融資受ければいいって話かもしれないが…
銀行に行って
「設備が壊れたんで
お金貸してくださ〜い!」
みたいなノリで
金が借りられるわけではない。
それなりに時間はかかる。
融資までに間に合えばいいが
間に合わなければそこでゲームオーバーだ。
だから、もっと足の早い資金繰りとして
残された手段は売上を短期間であげる必要が出てきた。
だから僕はその社長に
「既存客に対してキャンペーンやってみたら?」
と提案した。
だが、社長は
あまりピンときていないようだった。
色々
既存客に対する具体的な施策を伝えても
その社長が口にするのは新規のことばかり。
これは本当によくある話だ。
ほとんどの社長は
既存客には目もくれず
新規ばかりをみている。
まるで新規客だけが富をもたらしてくれ
既存客は何ももたらしてくれないと言わんばかりに…
新規新規新規新規新規新規新規
新規新規新規新規新規新規新規
新規新規新規新規新規新規新規…
みたいに
新規にしか目がいっていない。
もちろん
新規は大事だ。
既存客ってのは
徐々に減っていくので
必ず新規を入れていかないといけない。
それに、ビジネスの規模を拡大しようと思ったら
顧客数を増やさないといけないので
新規の増加は必須になる。
が!
新規ってのは大抵の場合
売上はあっても利益がない。
広告で集客するなら
集客するための広告費がかかる。
例えば、治療院が
初回施術1980円の特別価格で
患者を1人集客するのに広告費が1万円かかるなんてのは
よくある話だ。
表面上は1980円の売り上げがあるわけだが
そのために内部的には1万円のお金が使われており
差し引きマイナス8020円ということになる。
SNSで集客するのもそうだ。
SNSは無料集客ではない。
SNSで集客できるようにするためにかけてる
時間というコストがかかっている。
もしくはそれを外注しているなら
その外注費もコストとしてかかっている。
でも既存は違う。
既存は広告費がかからないし
集客のための時間もほとんど必要ない。
さっきの治療院の場合。
2回目以降は一回5000円だとしよう。
2回目来院してもらうために
広告費が1万円かかるかというと
そうではない。
初回来院時に予約を取ればタダだし
そうでなくてもやることはLINE送るとか
せいぜいハガキDM送るとかくらいだ。
つまり2回目は5000円の売上のほぼ全て
まるまる利益なのだ。
(製造原価とか人件費とかそういうの別だからね)
そう考えた時
会社に富をもたらしてくれるのは
既存客の方なのである。
そして何より重要なのは
新規で売上を上げるよりも
既存客で売上と利益をあげる方がはるかに簡単だということ。
ちょっと考えてみてほしい。
もしあなたが
パン屋さんから相談を受けたとしよう。
売っているのは一個何百円のパンだ。
で、設備が壊れたので早く復旧しないと
パン自体が作れなくなってしまうので
1週間以内に50万円の売上を上げないといけないと。
そして、パン屋さんから
「新規」で50万円作りたいと言われたら
どうする?
ちなみに、そんな状況なので
広告費は一円も使えない。
SNSのフォロワーは多少はいるが
そこまでいないとする。
さて、新規だけでどうにかできるだろうか?
おそらく全員
無理と答えるはずだ。
ワンチャン
JVとかが決まればありかもしれないが
期限は1週間だ。
その期間内でJVが決まり
売るところまでは無理だろう。
1円も広告費を使えない
既存客にも売ってはダメ新規だけ
フォロワーもいない
その条件で
1週間で売上50万を実現するのは
かなりの難易度だろう。
でも、既存客に対しても売れるとなったら
全く話は変わってくる。
既存客なので
売るのに広告費はかからない。
1人の既存客に対して
毎日セールスをかけることだってできる。
SNSのフォロワー数も関係ない。
既存客が1000人いるのなら
1週間毎日セールスしたら
7000回もセールスできる。
そして、既存客なので
魅力的なオファーさえ用意できれば
成約率は低くても10%は超えるだろう。
7000の10%は700だ。
購入回数が700で客単価が1000円なら
売上は70万にもなる。
1000人に1週間毎日
異なるキャンペーンをするわけだが
既存客に対してならいくらでもアイデアは出てくるだろう。
例えば、昨日は母の日だったので…
・今年の母の日は
カーネーションではなく
ちょっと変わったこんなプレゼントをしてみませんか?
ミリテリーパンBOX
みたいなことをやってもいいかもしれない。
あるいは
ピンチなことを素直に伝える…
・お願いがあります
どうか助けてください!
機械が壊れてパンが作れないんです!
みたいな、お願いレターで
キャンペーンをやるのもありだろう。
そうしたことだって
既存客ならコストもリスクもなく
実施することができる。
何より、既存客なので
一定の反応は必ず取れる。
お願いレターなんて
バカ売れする気しかしない。
なぜなら…
既存客は…
・あなたの商品の価値をすでに認識している
・あなたという人がどんな人なのかも認識している
からだ。
売上を上げるのに
難しいことなんてやる必要はない。
売上なんて
こんな簡単なことで
すぐに上がるわけだから。
ポイントは3つ。
・既存客の連絡先は必ず集めるようにする
連絡先がわからなければこちらから売れないからね
・売上ではなく利益で見ること
売上は幻想に過ぎない
極点な話…
売上30億利益1億
と
売上3億利益1億
なら、はるかに後者の方が
リスクも少なく安定経営ができる
・LTVを考えよう!
会社を安定成長させるためには
見込み客数と顧客転換率とLTVを見る必要がある。
一度購入した顧客のLTVをいかに上げるかが
利益率の高い事業を作る秘訣になる。
難しいことではなく
簡単なことで売上は上がるからね。