
From:宮川徳生
かれこれ25年近く通っている
ラーメン屋があったのだが潰れてしまった。
そのラーメン屋は
味噌ラーメンしかメニューになく
地元民が味噌ラーメンを食べるなら
3人に1人はその店に行くんじゃないか?ってくらい
地元では圧倒的なラーメン屋だった。
そんな店が
数年前潰れた。
というのも…
10年くらい前に
どうやらオーナーが変わったようで
明らかに味が落ちた。
味が落ちるだけなだまだしも…
味噌ラーメンだけでなく
醤油ラーメンに塩ラーメン。
鶏白湯にタンメンや
チャーハンもあるし野菜炒めもある。
極め付けは
なぜかカレーもメニューに
ラインナップされた。
つまり、味噌ラーメンしかなかったのに
オーナーが変わってからどこにでもある
いろんなラーメンが食える店になってしまったのだ。
結果、味噌ラーメンしかない時代を知っている
古い客は一気に離反したのだろう。
(僕もその1人)
徐々に客足は遠のき
昔はいつ行っても並ばないといけなかったのに
潰れる直前はいつ店の前を通っても
ガッラガラだった。
で、結果潰れた。
なぜ、このラーメン屋は潰れたのか?
それは、マーケティングで一番重要な
ポジショニングをダメにしてしまったからだ。
最初は意図してかどうかはわからないが
味噌ラーメン専門ってのがウケたのだろう。
ラーメン屋は星の数あれど
味噌ラーメン専門ってのはほとんどない。
だから、味噌ラーメンならあの店!
というポジションを獲得することができた。
だから、味噌ラーメンが食いたくなったら
多くの人がその店を選んでいた。
でも、ラーメンの何でも屋になったことで
味噌ラーメンならあの店!というポジションを
自ら捨ててしまったのだ。
だから、選ばれなくなり
淘汰されてしまったのだ。
ポジショニングとは
市場やお客さんから見て
自社や自店、そして自分がどう見られるか?
ということである。
人は物事を無意識のうちに
カテゴリー分けして見る習性がある。
なぜなら、カテゴリーに紐付けないと
それが何かを認識できないし記憶できないからだ。
だから、人は
全ての物事を無意識で
カテゴリー分けするという修正を持っている。
そして、1つのカテゴリーに対して
何かの研究結果だったと記憶しているが
最大で7つくらいが覚えられるる限界らしい。
例えば…
近所のうまい蕎麦屋って言われて
どの店がパッと連想される店かな?
おそらく、3〜4つくらいは
パッと出てくるが、そこからは
「あと何処があったっけ?」って風に
ならないかな?
そして重要なのは
お客さんはそのカテゴリーの中で一番いいものを
選ぶということだ。
つまり、お客さんから選ばれるためには
自分が分類されたカテゴリーの中で
一番にならないといけないわけだ。
わざわざ2番以降を買う人はいない。
ただ、ここで問題がある。
自分のポジションってのは
意図的に作らないと
カテゴリーの中で選ばれることはないってことだ。
なぜか?
ポジショニングで大切なことは2つあって
1. 自分がポジションニングしているカテゴリー
2. そのカテゴリー内でどの位置にいるか?
この2つが
ポジショニングのキモだからだ。
2に関しては今言った通りで
カテゴライズされてるカテゴリーの中で
5番目とか10番目だった場合
選ばれることはない。
なぜなら、お客さんの中でつけられる
順番ってのはそっくりそのまま
購入を検討する順番だからだ。
ラーメン屋というカテゴリーで
10番目に位置付けている場合
10番目に検討されるってことだ。
つまり、ほぼ買われる可能性はないってこと。
カテゴリーの中で最も変われるのは
1番目に位置付けられる
カテゴリー オブ ワンの会社や商品、人なのだ。
だから、重要なのは
1のどのカテゴリーにポジショニングするかってことだ。
なぜなら、何も考えずにポジショニングすると
ラーメン屋とか外壁塗装とか車屋とか
税理士事務所とかそういうカテゴリーになってしまう。
その場合、よっぽどの強みがない限りは
より力のある競合に勝つことはできない。
だから、ポジションニングってのは
意図的にズラす必要がある。
冒頭のラーメン屋は
ラーメンというカテゴリーではなく
味噌ラーメンというカテゴリーだったことで
カテゴリー オブ ワンになった。
だから、ラーメンを食べたい人からは選ばれないが
味噌ラーメンを食べたい人からは圧倒的に選ばれるようになり
繁盛したのだ。
ポジショニングを考える時のポイントは
「誰」にとって一番になれるか?ってこと。
例えば僕の場合。
僕は大きなカテゴリーで言えば
起業したい人にノウハウを教える起業家みたいな
そこら辺にゴロゴロいる人の中の1人だろう。
もし、僕がそのポジションで勝負したら
こんなに売れていない。
なぜなら、僕はローンチを専門にやっているわけでもないし
情報起業家のサポートをメインでやっているわけでもない。
だから、そのカテゴリーに位置してしまったら
選ばれる理由がないのだ。
なぜなら、情報起業家、特に
稼ぐ系の情報起業家にとって
僕は一番になれないから。
じゃあ、何処に対して
1番になれるのか?
それは、例えば
街のリフォーム屋とか不動産屋とか
そうしたリアルビジネスだったり
BtoBの営業会社とかツール系の会社とか
そうした堅めの会社だったり
いわゆる情報商材ではない商材を扱っている企業の
集客やセールス、それにマーケティングや求人をサポートしたい
ライターやクリエイターやコンサルなどのフリーランスに対して
あらゆるノウハウを提供する…
というカテゴリーでは
一番に近い場所にポジションニングできる。
なぜなら、そのカテゴリーは
僕が誰よりも価値提供できるカテゴリーだからだ。
大きな枠で分類されるカテゴリーで
カテゴリーオブワンになるのは至難の技だ。
それこそあなたが
経営コンサルタントだとしたら
「経営コンサルタント」というカテゴリーで
1番になるのはかなりしんどいはずだ。
なぜなら、競合が強すぎるから。
だから大事なのは
自分がカテゴリー オブ ワンになれるカテゴリーを見つけて
そこにポジションングするということ。
昔関わった担々麺屋は
担々麺というカテゴリーではなく
「辛い担々麺が食いたい人のための担々麺」
というカテゴリーでマーケティングして
3店舗まで拡大した。
街の寝具店の案件では
「睡眠障害がある人のための寝具店」
というカテゴリーでマーケティングして
自社ビルが建つほど売れた。
壁紙を扱う内装屋は
「貼るから塗るへ」という
塗る壁紙というカテゴリーでマーケティングして
FC加盟が半年足らずで100社を超えた。
覚えておいてほしいのは
あなたがどんなに頑張っても
カテゴリー オブ ワンになれない場所にポジショニングしてると
その頑張りのほとんどは無駄になってしまう。
なぜなら、強い競合は五万といるからだ。
だから、あなたが
カテゴリーオブワンになれるカテゴリーはどこか?
それをまずは探してほしい。
基本的に多くの人は
「売り方」にフォーカスしてしまう。
例えば今なら
情報商材系の人はみんな
チャレンジローンチをやれば売れると思ってるし
リアル系なら
SNSやれば売れると思ってる。
でもそれは違う。
カテゴリー オブ ワンじゃなければ
売り方では売れないってことだ。
だから、売り方じゃなくて
自分が一番になれるポジションってのを
探して見つけることが大事なのだ。
これが、あなたが圧倒的に売れるために
真っ先にやるべきマーケティングの最初の一歩だよ。