From:長嶋雄二

先日、求人講座の参加者から、
こんな質問をもらいました。

「地域で求人勉強会を開こうと思っているのですが、
 もし同じエリアで複数の顧客をサポートしたら、
 求人内容が似てしまって、
 共喰いになるんじゃないかって不安があるんです…」

その気持ち、すごくわかります。
みんな困っているから、みんな助けたい。
でも、その結果、同じような発信になってしまったら・・・

たしかに、
クライアント同士がぶつかるんじゃないかって、
心配になりますよね。

ただ、僕はこう答えました。

「いや、大丈夫ですよ。むしろ、全然ぶつかりませんよ」

なぜか?

それは、
『コンセプト』が違えば、届けるメッセージも、
響く相手も変わるからです。

今、うちでもサポートしている
鬼怒川温泉の旅館エリア。

同じ“旅館”という業種でも、
そこにあるのはまったく違う価値観、
まったく違う“世界観”です。

たとえば仮に、ですが…

ある旅館では、
「家族のような関係性づくりが大切」
という考えをもっていて求人の面接でも、
「自分の子どもに会わせられるような人かどうか」
という基準で採用しているかもしれません…

でも一方で、別の旅館では、
「お客さんのためなら何でもする」
という“プロ魂”が色濃くて、
20代の若手スタッフは毎日汗だくで働きながら、
将来の幹部を目指してる。

そんなプロ集団という色を濃くしながら
採用メッセージを考えているかもしれません…

また別の旅館では、、、

「自然の中で暮らす豊かさ」を大切にしていて、
“田舎の生活に憧れてる人”を
求職者のターゲットにしているかもしれません…

全部、同じ「旅館の求人」ですよね。
でも、伝えたい世界観は、まったく違う。

だからこそ、
「他と違うことを言わなきゃ」じゃなくて、
『自分たちが大切にしてることを、素直に言えばいい』んです。

でも一般的に…
「他と違うことを言おう」とすると、
どうしても戦略的になりがち。

ちょっと背伸びした言葉を選んでしまうんですよね。
(僕もやりがち…)

でも、そうじゃないんです。

“自分たちらしい言葉”こそが、
最強の差別化になる。

たとえば、、、

・「毎朝、“おはよう”って声をかけてくれるおばあちゃんがいる」
・「まかないの味噌汁が、母の味を思い出させてくれる」
・「チェックアウトのとき、お客さんが“また来るね”って言ってくれる」

そんな一言があるだけで、
その旅館の世界観って、ぐっと伝わると思いませんか?
求人って、条件や待遇だけで選ばれるものじゃないんです。

「自分は、どこで、誰と、どんな時間を過ごすのか?」
求職者は、それを“想像”したい。

だから、求人サポートでやるべきことは
『イメージがふくらむ言葉』を見つけて、届けることなんです。

…と、偉そうに言ってますが、
僕もこの『コンセプトの力』を実感したのは、
最近になってからです。

セールスライターとして、
いくつものプロモーションを経験して、
「ああ、今回のは売れたな!」というときと、
「全然ダメだった…」というときの違いを見てきて、
ようやく気づけました。

それが、
コピーの強さも、オファーの魅力も、
結局は『コンセプトの力』の上に成り立っている、ってこと。

コピーでなんとかしようとしたって、
コンセプトがズレてたら、やっぱり刺さらない。

逆に、コンセプトがビシッと決まっていれば、
コピーはそこそこでいい。
それでも、ちゃんと売れる。

・誰に、何を売るのか?
・誰にどんな嬉しい未来を見せるのか?

これが、曖昧なままだと、
どんなに手を加えても、伝わらないんですよね。

「じゃあ、コンセプトって何?」
って話なんですが、
僕が一番しっくりきてるのは、こういう表現です。

“見込み客の信念をやさしくひっくり返す一言”

「そっか、そういう考え方もあるんだ!」って、
読む人の中でカチッと視点が切り替わるような、
そんな“ひらめき”のようなもの。

これがあるからこそ、
読み手の頭の中に、イメージが膨らんでいきます。

もし今、あなたが
「なかなか売れない」
「提案が通らない」
「発信しても響かない」
そんな壁にぶつかっているとしたら・・・

もしかしたら、それは
スキルや努力の問題じゃなくて、
『コンセプトがズレているだけ』かもしれません。

・誰に届けたいのか?
・その人は、何に悩んでいるのか?
・どんな言葉が、心を動かすのか?

そうしたこと振り返りながら
『言葉を変える』んじゃなくて、
『世界の見方を変える』こと。

ぜひそこを、意識してみてくださいね。