
起業して13年。仕事もマーケティングや求人採用系なので社長と関わる仕事だ。だから、成功する社長と成功しない社長の両方がいることを現場で見てきた。だが、不思議なことに実はもう1パターンの社長がいるのだ。
その社長のパターンとは、成功するための要素として必要な能力や資金、アイデアやスキル、人脈なコネなどは持っている。持っているのだが、成功できないというパターンだ。成功するために必要なものはあらかた持っているのに、なぜかうまくいってない。はたから見るととても不思議なのだが、その社長と関わってみると驚くほどシンプルな理由が見えてくる。
それは…“モチベーション”だ。
そう…成功できる要素は持っているのにただ単にやる気がないから成功できずにいる…という社長がそこそこいるのだ。
例えば移動販売を始めた社長の場合。その社長は会社経営する父親のもとに生まれ、幼少期から社長というものを見てきた。当然、父親も息子に跡を継がせようとしていた。だから、息子が大学を卒業したら自分の会社に就職させ10年〜15年くらいの時間をかけて事業を継承させるつもりだった。
だが、息子は、そのまま父親の会社に入るのを拒否。理由は、もっと社会経験をしたいから。父親はそれを承認し、息子は飲食の世界に足を踏み入れた。そこで息子は、飲食の仕事の楽しさを知ることになり、25歳の時にキッチンカーで起業し社長となった。父親も、息子の選んだ道ならと応援をした。
当初は、父親のコネで、地元の人が集まるイベントなどに出店でき、売上も順調に伸びた。1日の売り上げが14万を超える日もあったほどだ。月の売上も3ヶ月目には100万を突破。この調子でいけば、キッチンかーのFC展開もあるんじゃないか?と胸を踊らせていた。
が、この社長は1年ほどで廃業することになる。なぜか?それは、順調にスタートしていたのだが、キッチンカーを始めた社長は内心こんなことを思っていた。
「思ってたのと違う」
どうやら、キッチンカー起業は、もっと自由だと思っていたらしい。だが、現実は、常にイベント会場探しと交渉をしながら、日中は1日中キッチンカーで販売。1日が終われば、片付けと次の日の仕込みをする。そんな日がただただ続く。飲食店勤務の時は、休みの前の日は同僚と飲みに行ったり、暇な時はスタッフと談笑したり、それが楽しかった。
だが、キッチンカーは違った。そりゃ、1人で全てを背負うわけだから、勤務という立場では全く違う。だから、日を重ねるごとにやる気がなくなっていってしまったのだ。毎日のように出店していたのが、半年経過した時には月の半分も出店しなくなり、キッチンカーを辞める月の出店回数はたったの3回だけだった。
正直、この社長は、父親のコネをもっと使えば、イベント会場に困ることはなかったはずだ。そして、ぶっちゃけ、キッチンカーの開業資金の600万も父親が出してくれている。資金力も「親」によって担保されていた。だから、キッチンカーで起業する他の人と比べたら遥かに成功できる要素は持っていた。というか、何も持たない人からしたら、むかつくくらい他力を持っていたはずだ。
だが、この社長は一年で潰すことになった。その理由は、結局、キッチンカーで何がなんでも成功してやるというモチベーションがなかったからだ。そのモチベーションよりも「思ってたのと違うからつまらない」という感情の方が強くなってしまったからだ。
いろんな社長と接していて、本当にこのパターンをよくみる。口では売上上げたいんだよね〜と言いつつ、何もやらない社長。5分でできることなのに1週間経ってもその仕事に手をつけない社長。そもそも、その仕事自体にもう嫌気がさしていて根本的に燃え尽きてしまっている社長。
様々なタイプがいるが、いずれにしてもやる気がなく売上ダウンや事業縮小をしている。「好きを仕事に」という言葉は、個人的にはあまり好きではないのだが…だが、自分が選択した仕事やキャリアに情熱を持ち続けられるかどうかはその分野でどれだけ成功できるかを決める重要な要素なのは間違いない。
例えば、僕は今、猟師になりたいと思っている。これは、最近に始まったことじゃなくてかなり前から思っていたことなのだが、猟師になって山に入りたいのだ。だから、試験などは1発で合格するだろう。そして、猟師として成功するために様々なビジネスアイデアを思いつき、それを実行に移すはずだ。なぜなら、それが楽しくて仕方ないから。
だから、もしあなたが、今あまりうまくいってないのなら、それはあなたの能力の問題ではなく、あなたが情熱を持って取り組める仕事やキャリアの選択をただミスってしまってるだけなのかもしれない。特に自分で起業する場合、やる気がないのは致命的だ。
なぜなら、会社員ならやる気がなくてもやらなくてはいけない強制力が働くので最低限はやる。だが、起業して社長になるとその強制力はマジで働かない。だから、1日「やらなくちゃ」と思いつつ、スマホを見続けて終わってしまうなんてことが繰り返される。やる気、モチベーションは成功する上でとても重要なことなのだと覚えておいてほしい。
PS.
人が同じ仕事を続けられないのは、この、やる気、が原因なんじゃないかと思っている。同じことを10年もやれば普通は飽きる。ワクワクすることは次第に少なくなり「また、これね」となる。
だから、5年10年15年20年とかそういうサイクルで燃え尽きて、仕事を変えるということが起きるのではないかた。あなたはどうだろうか?


