2024/06/27

自動化の落とし穴

From:宮川徳生

最近、SNSを見ていて
思うことがある。

それは、出てくる広告みんな

自動化!自動化!自動化!

だってこと。

仕事柄
同業のリサーチをするために
同業の広告は優先的にチェックするので
自然と僕のアカウントに出てくる広告は

・起業系
・集客系
・売上アップ系

のビジネスをしている人ばかりになる。

で、その中でも最近は

・完全自動化

みたいな訴求や
メッセージがすごく増えてきた印象。

広告も引き上げも教育もセールスも
提供もフォローも

全部!自動化できまっせ!

って広告がすごく増えた感じがする。

確かに
自動化っていいよね。

だって、自動化って
何もやらなくていいわけじゃん。

寝てても遊んででも
売り上げを上げ続けてくれるわけだから
そりゃみんな欲しいわな。

だけど、僕が見てきた世界線だと
成功してる人ほど

「自動化すればするほど
 効果は落ちてくる」

って言う。

もちろん、自動化は
ある程度のレベルまでは
絶対にやった方がいい。

これだけツールが発達してるわけだから
それらを使わずに全部手動でやるのは
生産性が低すぎてしまう。

だけど、大抵のことには
大概バランスというものがあって
何事もやりすぎはよくない結果を及ぼす。

筋トレをやり過ぎれば
筋肉は逆に小さくなったり

寝ずに仕事しても
集中力が落ちて
逆にトラブルを生むことになる。

マーケティング領域の自動化も同じで。
自動化をやりすぎると何がダメかというと
人間味を失うことになるのよ。

そして、この人間味というのが
実は売り上げにかなり影響を及ぼす。

ちょっと名前は忘れてしまったが
アメリカのマーケターが実際に
自動化 vs アナログのこんなテストをしたそうだ。

自分のリストを半分に分け
Aのリストには365日事前にセットしたメルマガを送る
Bのリストには毎日その日にメルマガを書いて送る

どうなったか?

AとBのリストも
最初の1ヶ月くらいは
結果に差がなかったそうだ。

だが、2ヶ月目くらいから
徐々に左が開いていき

3ヶ月目に入る頃には
売り上げに5倍近い差が出たんだとか。

もちろんより売れたのは
Bの方。

なぜか?

それは、
Aのあらかじめセットしたメルマガは
次第に開封すらされなくなったから。

つまり、そもそも
あらかじめセットしていたメルマガは
読まれすらされなくなっていったんだ。

なぜか?

人間には第六感みたいなのがあって
そういうのを感づいちゃうんだよね。

人間の察する能力を
侮っちゃいけない。

極端な話
今日、今あなたが読んでるこのメールだって
何ヶ月も前に自動的にセットしておくことはできた。

でも、そうしたら
「最近広告で自動化のオファー多くね」って
今の話は一切できない。

なぜなら
何ヶ月も前にそんなことを知るのは
不可能だから。

そして、1つの側面だけど
「最近こんなことあってさ〜」とか
「ちょっと聞いてよ、昨日さ〜」とか

そういう「今」のことを共有しあうことで
人って仲良くなしてもするわけじゃん。

そして、そういうことを通じて
お互いのことを理解しあえて
信頼関係が生まれるわけだよ。

で、それがビジネスの場合だと
熱狂的なファンの獲得につながるわけだよね。

つまり、マーケティングってのは
半分くらいは顧客とのコミュニケーションの
側面が必ずあるってこと。

で、自動化することで
果たしてファンが生まれるような
コミュニケーションはできるのか?ってことだね。

例えば、ある美容室のクライアントは
自動化真っ盛りのLINEを完全手動にした。

髪で困ったことや
髪の悩みをプロに気軽に相談できる
LINE窓口を作った。

普通ならここでみんな
チャットボット使ってツリー形式の分岐を作って
自動化する。

でも、この美容室はそうじゃなかった。

もちろん
登録後の返信メッセージは自動化してあるが
お客さんから送られてくるフリーの悩みに対して
完全個別で手動でアドバイスを返信した。

結果どうなったか?

売上が2年で5倍近く上がった。

それと同じことを
別の不動産屋のクライアントで
実践してもらった。

要領は同じ。

これから家を買おうとしてる人に対して
住宅購入に関するお金の悩み相談の窓口を
LINEで用意した。

美容室と同じように
フリーで寄せられる相談に対して
完全個別で手動でアドバイスを返信した。

結果どうなっったか?

売上は1年で2倍になった。

それ以外にも
手書きの広告は
今でも圧倒的に反応が取れたりする。

人はシステムやツールとコミュニケーションをし
商品を買うわけじゃない。

人は人とコミュニケーションをし
ファンになり、商品をたくさん買うようになる。

自動化しすぎて人間味が無くなった場合
どれだけ関係性を作れるのだろうか?

完全自動化すれば
確かに短期的には楽になるのかもしれない…

でも、長期的に
ファンが育つマーケティングの仕組みを
作ることはできない。

SNSには
楽して儲けることを自慢する
広告がいっぱい溢れてる。

でも、そんなものは
なんの自慢にもならない。

自慢になるのは
どれだけの顧客に価値を提供し
どれだけの顧客に影響を与え
どれだけの顧客をファンに変えたか

そして、それを
5年10年とずっと続けてるか?

そういうことが
起業家として真に自慢することなんじゃないか?