
こんにちは、古川です。今日は、少しだけ僕の「店長時代」の昔話をさせてください。
僕は以前、眼鏡屋の店長、そしてエリアマネージャーとして、全国70店舗ほど展開するチェーンの中で札幌地区を担当していました。エリアマネージャーといっても店長兼務なので店舗にいるんで、自店の集客に追われる日々でした。
当時の僕たちの集客手段は今と違ってほぼオフラインがメイン。折込チラシや新聞広告、ラジオ。時には僕自身が地元のテレビ局で生放送のスポット宣伝枠に出演していたこともあります。(30秒くらいでフリップ読むやつ)広告費も1回の施策で50万円、100万円単位のお金が飛んでいくのがザラでした。
とにかく集客にはお金をかけるしかない。これが僕たちの当時の感覚でした。札幌の場合は、全部で6店舗ほどあったのでそれでも広告費を6店で分散できたので他の地域よりはお金をかけれたのもありますが…。(他県はだいたい1件に1~2店舗だったので)
とはいえ、外したらかなり手痛い出費になることは間違い無いですよね。だからといって、広告費を絞れば集客はできない。やめてすぐは減らなくても、確実に徐々に客数が減っていくからです。なので、広告を出すことをやめるわけにはいかない。
そんな中で、模索していた時に出会ったのがたまたまFB広告で出てきたマーケティングの巨匠ダン・ケネディの著書をきっかけに知ったダイレクト・レスポンス・マーケティングでした。
そこで語られていたのは、「集客=新規」でなく、既存客にいかに買ってもらうか…つまりリピートの施策でした。これは僕にとってはかなり衝撃でした。というのも、それまで「集客」とは「新規集客」のことで顧客をリピートさせるために何かをするという発想がほぼなかったからです。
リピートをコントロールするという発想はなく、集客のためにはただ単にチラシを入れる、広告を出すだけ。購入客には、たまにメンテナンスのハガキをだすもののそれもコストがかかると会社でも削減の対象になるくらい。なぜなら、「一度買った人は、また来店する」と勝手に思いこんでいるからです。実際はそんなことは何も関わらず…。
「良い商品と、良いサービスを提供していれば、お客様はまた来てくれる」これが多くの店舗の発想です。当時の僕を含め、会社の幹部クラスも多くはその発想でした。だからこそ、リピーター向けの集客施策なんて僕がいた14年間のうちで、1~2回くらい。それくらいほぼ頭にないのが「既存客集客」という概念。
でも、買い手として考えると、またそのお店を利用するかどうかは決まってもいないし、他にいい店があればそっちにいきますよね。それに、よほどの高級品でもなければ「どこで買ったか」なんていちいち覚えていないことも多い。つまり、また来店するかどうかは運次第です。
お客さんが来なくなる最大の理由は、「忘れてしまったから」。なんてのは、よくある話。でも、そんなことは売り手に回るとなぜか、忘れてしまうんですよね。。。だからこそ、既存客にいかに買ってもらうか…というアプローチはすごく新鮮に感じました。
そして、実際に試してみたんです。その時はちょうど夏時期だったので僕は顧客データの中から過去に濃いカラーの度付きサングラスを買ったことがある人だけを50人抽出しました。そして、 彼らに向けて、一枚のハガキを送ったんです。内容は太陽光で色が変わる『度付きの調光レンズ』で新しいサングラスライフを楽しみませんか?というもの。
・サングラスの掛け外しが面倒
・暗くなったら見づらい
・二つメガネを持ち歩くのは邪魔
といったニーズがあったのでそこに当てこんだんです。店舗のプリンタで印刷したのでかかったコストは、ハガキ代の5,000円ほど。結果はどうだったか。たった50枚のハガキから、約15万円の売上が上がったんです。5000円で15万円の売り上げなんでめちゃめちゃコスパがいい。これまでは新規客を一人呼ぶのに数千円~数万円かかるのが当たり前だったのでこの数字は驚異的でした。
その後も何度かネタをかえてやってみましたが、だいたい平均して10万円~15万円くらいは売れる。おかげで、店舗のリピート率は60%を超えるようになり顧客が定着する流れも作れました。
新規集客はもちろん重要。だけど、新規集客の原資を作る上でもこの既存客に売っていくという方法は戦略的にも理にかなっています。新規オープンで顧客リストが全くないって状態でなければ、仮に今、広告費を捻出するのが難しい状況だったとしても5000円あれば、その費用を生み出すことだってできるかもしれません。
もし、あなたが今、資金的な余裕がないと感じているなら今すぐ、顧客名簿を出して彼らに売れるものはないか?を考えてみてください。ハガキなら、1枚85円、封書でも1通110円くらいです。5,000円ちょとあれば、50人にアプローチできます。1万円出せるなら、2パターンの訴求で送ってもいい。それで5万円でも10万円でも売り上げが上がれば十分利益は出せるはずです。
これほど安全で、確実な投資が他にあるでしょうか。店舗に限らずですが、多くのビジネスでは既存客へのアプローチをほぼしていません。何もしなければ、お客さんはいずれ離れていきます。何もしないで逃してしまうのか?それともいくらかでも追加で購入してもらう機会を作るのか?GWはもう終わりに近づいていますが、ぜひ一度、既存客への「集客」について考えてみてはいかがでしょうか?


