
採用サポートしている旅館の社長と話していて…こんな話がありました。
「結局、人がいなくなれば“崩壊”なんですよ」
現在、支援している旅館はいわゆる“家業”です。
家族や親戚が、苦しい時代を一緒に支えてきました。
コロナのときも、家族一丸となって、踏ん張れたそうです。
だから、感謝もあるし、誇りもある。
でも同時に、社長はこうも言いました。
「家業って、“血”が勝っちゃうんですよね」
社長を飛び越えて、親戚の意見が通る。
普通の会社ならあり得ないことが、平然と起きてしまう。
社長が決めたはずの方針が、翌日には、ひっくり返っている。
スタッフに理由を聞くと、「会長がそう言ってたから」…こういう理由で、です。
それが、組織を歪ませてしまう部分もたくさんあるそうです。
そして、社長は続けました。
「このままじゃ、大きくはできない」
「20億、30億を目指すなら、家業のままじゃ無理です」
「ちゃんとした“チーム”を作らないといけない」
この言葉を聞いて、僕はハッとしました。
これ、セールスライターやコンサルの世界も、まったく同じ構造だなと。
多くのライターやコンサルは、最初は「一人」で始めます。
自分が動けば、売上が立つ。
自分が書けば、成果が出る。
だから、しばらくはうまくいく。
でも、あるラインを超えた瞬間、急に苦しくなる。
・自分が止まると売上も止まる
・誰にも任せられない
・相談できる相手がいない
・クライアントが増えるほど、しんどい
それでも、多くの人が言います。
「まだ自分一人でいける」
「人を入れるのは怖い」
「組織なんて大げさだ」
これ、家業の構造と、まったく同じですよね。
社長は、こうも言っていました。
「自分の代では、完成しないと思ってます」
「だから、5年で成長への土台を作って、10年後には引退したい」
この言葉、めちゃくちゃ重いですよね。
じゃあ、あなたなら、どうですか?
自分がいなくなった後・できなくなった後を一度でも、考えたことありますか?
・自分が書けなくなったら?
・自分が動けなくなったら?
・この仕事、誰が引き継ぐ?
考えないまま、売上だけを追い続ける。
もしそうなってしまっているなら、それは、きっと「拡大」じゃなくて、「消耗」かもしれませんよね。
もちろん、「俺はそれでいい!!」というならその道を進んでいくのが良いと思います。
でも、1つのビジネスとして、事業として拡大していきたいならやっぱり「組織化」は大事です。
でも、組織づくりって、単に人数を増やすことでもありませんよね。
社長と話していて僕が改めて感じたのは、結局一番大事なのは、
「この人たちと、どんな未来を作りたいのか」
を、明確にしていくこと。
言語化していくことだと思ったんです。
例えば、旅館の社長も“方向性”は、はっきりしていました。
・この会社を、どうしたいのか
・誰に、何を託したいのか
・どこまで行きたいのか
それを、ちゃんと言語化して今の行動に落とし込んでいたんです。
じゃあ、これ…セールスライターやコンサルに置き換えると、どうなるか?…というと、
・自分は、いつまで「プレイヤー」をやるのか
・クライアントと、どんな関係を築きたいのか
・この仕事を、誰かに渡せる形にできているか
みたいなことだと思います。
こうした先のことを考えずに、今だけを見てしまうと…どこかで必ず詰まります。
テクニックだけ磨いて、単価を上げても、忙しくなるだけ。
案件を増やしても、自由は減るだけ。
だからこそ、今のうちからあなたも考えてみて欲しいんです。
・何人、信頼できる仲間がいればいい?
・どんな役割を、誰に渡せばいい?
・自分は、どこから手を離せばいい?
チーム・組織づくりは、会社が大きくなってから考えるものじゃありません。
むしろ、一人でうまくいっている今こそ、考えないと手遅れになる。
旅館の社長との会話は、旅館経営の話でありながら…
「一人で稼ぐ人ほど、早く向き合うべきテーマ」
を、突きつけられた時間でした。
あなたは、自分の仕事を、“自分が動き続けないと成り立たない仕事”として終わらせますか?
それとも、誰かに引き継がれ、積み上がっていく仕事に育てていきますか?
さて…あなたは、どちらを選びますか?


