
こんにちは、古川です。
今日は、先日僕がハッとさせられた出来事をシェアします。
とあるキャンペーン企画を立てていたときのこと。
過去の商品をパッケージ化して、割引価格で販売する
「これならお得感も出せるし、売りやすいだろう」
そう思っていたんですが、会議中、鋭いひと言が…。
「で、その割引に理由はあるの?」
……一瞬、返す言葉がありませんでした。
世の中にはたくさんのセールやキャンペーンがあります。
クリアランスセール、記念キャンペーン、在庫一掃…。
共通しているのは、必ず理由があるってことです。
・新商品に切り替えるから
・◯周年記念だから
・パッケージに傷がついたから
・季節イベントだから
この「理由」があるからこそ、割引はただの安売りではなく、
意味のある価格設定に変わります。
逆に、理由もなく値下げしてしまうとどうなるか。
「売れないから安くしたんだろうな」
「在庫処分でしょ」
そんなふうに見えてしまう。
つまり、安物感=価値の低下につながるわけです。
さらに厳しい見方をされると、
「みんなが支持していない商品」「いらないもの」
というレッテルを貼られてしまうことすらある。
でも、そこに理由をひとつ添えるだけで印象は一変します。
「今回は◯周年記念だから特別に」
「新商品が出るから今だけ」
そうなると、 価値は高いまま、でも今回は特別に安く手に入る
というポジションに変わるんです。
この違いは大きいですよね。
単なる値下げなら「今じゃなくてもいいか」と思われれるかもしれない。
でも理由がある値下げなら「今買わなきゃ」と思わせられる。
つまり、購買意欲を一気に高める力があるんです。
ここで思い出したのが、コピー機の実験です。
人が並んでいる列で「先にコピーを取らせてください」と頼んでも、
順番を譲る人は少ない。
でも、そこに理由を加えると状況が変わる。
「急いでコピーを取らないといけないから」
「仕事で使うコピーだから」
こう伝えると譲る人が一気に増えたんです。
しかも面白いのは、その理由が説得力のあるものじゃなくても効果があったこと。
「コピーを取らないといけないから」なんて、
誰だってコピーを取るために並んでいるわけです。
でも、それでも人は譲ってしまった。
ここからわかるのは、大事なのは「理由の強さ」じゃなく
「理由があること」そのものが力になる、ということ。
つまり、理由を添えるだけで、本当はただの安売りだったとしても、
「意味のある割引」「価値のあるオファー」に変わるんです。
僕たちがやるべきことは、ただ値段を下げることではありません。
なぜこの価格なのかを語ること。
これがあるだけで、ブランドや商品の価値を下げずに、
多くのお客様を惹きつけられるようになります。
割引は諸刃の剣です。
やり方を間違えればブランドを壊しますが、
理由を添えるだけで強力な武器に変わる。
「今回は特別だから」「今だけの機会だから」
このひと言があるだけで、安売りが「今すぐ欲しい」に変わるんです。
もし、あなたが次に割引施策を考えるときは、ぜひ自分に問いかけてみてください。
「この割引に理由はあるのか?」
これだけで、あなたのオファーは安売りではなく、
価値を保ちながら売上を作る戦略に変わりますよ。