先日、バイク屋に行った帰り
1人でふらっと立ち寄ったたこ焼き屋で
マーケティングにおける最も重要な戦略について
とても考えさせられたので今日はその話をシェアしようと思う。

コンビニに行く時などに乗っている
原付バイクのヘッドライトが切れたので
バイクに屋に買いに行った。

そのバイク屋の近くには小さなアイス屋があって
前からずっと気になっていた。

最近はめちゃくちゃ暑いので
電球を買った帰りにアイスでも食うかと立ち寄ることにした。

基本持ち帰りっぽいのだが
店内には 2〜3席くらいのイートインスペースもある。

店内はアイス屋らしく
カウンターにアイスのショーケースがあり
8種類くらいのアイスがあった。

何にしようかな〜と悩んでいると
ふと、あるPOPが目に飛び込んできた。

「小田原漁港水揚げ 地魚たっぷり海鮮丼」

ん?
んん?
んんん?

目をゴシゴシ…まではしないが
どうやら見間違えではないらしい。

このアイス屋には海鮮丼が売ってるとのこと。
僕は心の中で思った。

「アイス屋で海鮮丼って売れるのか?」
「ってか、外に海鮮丼なんて書いてないよな?」
「アイス食いにきた客が海鮮丼なんて頼むのか?」

僕は「ピスタチオで」と
アイスを注文し速攻で食ってその場を後にした。
アイスは普通にうまかった。

が、問題は海鮮丼である。
僕が思ったのは仮にこのアイス屋で売っている
謎の海鮮丼が美味かったとしても
致命的な問題があるということだ。

というのも、アイスを食いに来たお客からしたら
アイス屋で売ってる海鮮丼がうまいとは誰も思わない。

そして、致命的なのはアイス屋で海鮮丼が売ってることで
肝心のアイスも「大丈夫なのか?」と思われてしまうことだ。

つまり、このアイス屋は海鮮丼を売ることによって
マーケティングにおいて最も重要な

“ポジショニング”

をミスってる可能性があるのだ。

ポジショニングとは自分のお店や会社、または商品が
お客さんや市場から見て“どういうカテゴリー”なのかということ。

要は、どう認識されているかってことだ。

例えば、ウチがやってる沖縄の脳育という子供向けの教室。
子供向けの勉強教える教室はいっぱいあるわけだけど
それらのほとんどは「塾」というカテゴリーだったりする。

で、問題なのはお客さんはそのカテゴリーの中にある塾を
全部覚えられるわけでもなく全部、魅力的だと思うわけでもなく
脳科学的には上位7つくらいしか記憶できないらしい。

つまり、うちの脳育が
「塾」というカテゴリーで勝負しようとする場合、
那覇市の小学生向けの塾といえば?という問いに対して
上位7番に入らないと候補にしか挙がらないってこと。

もしあなたがバイクを買うとなった時
エンフィールド(メーカー名)なんて絶対に候補に挙がらないでしょ?

じゃあ、どうやって選ばれるようにするかというと
それが自分が一番になれるカテゴリーで
ポジショニングするってことなのだ。

那覇市の塾と言えば脳育だよね?
ってのはおそらく無理。

だから、ウチは
教室の名前を脳育にして塾というカテゴリーではなく
「脳を育てる教室」というかなり尖ったカテゴリーに
ポジショニングして市場にアピってるわけだ。

そもそも脳を育てる教室なんてカテゴリーに
リアルの教室でポジショニングしている競合自体が
ほぼ皆無なのでほぼ独占できるってわけだ。

昔僕がやっていた出張洗車のビジネスも
ただの出張洗車ではなく“高級車専門の美観維持”という
カテゴリーにポジショニングしたからこそ
流行らせることができた。

そして重要なのはお客さんはそのカテゴリーの中で
一番いいものから選ぶということだ。

アイスなら一番うまそうなアイス屋を選ぶわけだ。

だから、マーケティングの世界には
「カテゴリー オブ ワン」という言葉がある。

そのカテゴリーの中でNo.1になれってことなんだけど
なぜかと言ったら今日の話がその理由だ。

だって、わざわざそのカテゴリーで5番目に
良さそうなところで買わないでしょ?

もしあなたが家を買うとして、いろいろ検討した結果

「1番良さそうな工務店じゃなく
 5番目に良さそうな工務店にする!」

なんてしないよね。北海道に旅行に行ったとして

「1番美味しそうなカニのお店じゃなくて
 7番目に美味しそうなカニのお店に行こう!」

なんて絶対にならない。
なぜなら、そのカテゴリーで一番を選びたいからだ。

そう考えた時このアイス屋の「海鮮丼」ってのは
果たして功を奏すのか?
きっと、裏目に出るだろうなと個人的には思う。

もちろん、こういう突拍子もないことが話題となり
人気が出るケースもあるがそれはかなりレアケースで
ほぼまぐれみたいなもんだ。

だから、個人的には海鮮丼が売っているアイス屋ってのは
ちょっと無い気がしている。

ポジショニングの考え方は色々あるので
ここで全てを伝え切れないが…
大事なのは2つ。

1つはお客さんから見て
自分がどのカテゴリーにいるのか?

2つ目は
そのカテゴリーで何番目に位置づけているのか?

商品がなかなか思うように売れないなら
このどちらかを変えないいけない。

そもそもそのカテゴリーで上位にいけないのなら
カテゴリー自体を変える必要があるし
そのカテゴリーで上位にいけるのなら
そのための努力をしないといけない。

ポジショニングはマーケティングをやる上で
最も重要な基幹戦略なので今日のメルマガを機に
一度しっかり学んでみることを強くお勧めする。