2024/09/19

Q:この火災報知器どうやって売る?

From:宮川徳生

こんにちは、宮川です。

いきなりですが質問です。

もし何ら変哲もない
火災報知器を売る案件の依頼があったとして
あなたならどうやって売りますか?

・家族の命を守ろう!

みたいな
情に訴えかける広告で
売りますか?

それとも

・〜年から義務化されました!

みたいな
義務だということを打ち出して
売りますか?

それとも

・火災報知器が今なら90%オフ!

みたいな
お得に買えることを全面に出した広告で
売りますか?

これはどれが正解で
どれが間違いとかはありません。

なぜなら
どれでやったとしても
ほぼ売れないでしょう。

なぜか?

その理由について
広告の父と呼ばれる
デヴィッド・オグルビーは
こんな言葉を言いました。

『火災報知器を売りたいなら
 あなたの広告は轟轟と燃え盛る炎から
 始めるべきだ』

なぜ、オグルビーは
炎を見せろと言ったのか?

なぜ、火災報知器を売るのに
最も売れる方法は炎から
始めるべきなのか?

その理由を伝える前に
この話を痛感する出来事があったので
その話を少しします。

今、ウチは
沖縄に脳育という
子供の脳を育てる教室を
オープンしました。

そこで今やってることは
速読とパズルを使った脳トレです。

8月からやっと集客をスタートしたのですが
順調な部分もあれば苦戦してる部分もあり
立ち上げの楽しさを痛感してる最中です。

で、子供の脳トレを売るのに
難しいなと思うことが
冒頭の火災報知器の話に通じます。

どういうことか?

もしあなたに小学生くらいの子供がいたとして
子供に対してどんな悩みや問題
あるいは理想を抱いていますか?

ほとんどの親は

・宿題やれって言わないとやらない
・そもそも勉強が嫌い
・テストの点が取れなくて受験が心配

そんなことを思ってるはずです。

なので、やたらとの親は
塾に行かせたりするわけです。

あるいは

・コレからは英語が喋れないと〜

と思っている親は
小さい頃から英会話に行かせますし

・身体のためにスイミング〜

と思っている親は
スイミングに通わせます。

ですが、ほとんどの親は
子供の脳を育てたいなんて欲求は顕在化してません。

なので、脳を育てる教室に通わそうなんて
微塵も思ってはいないのです。

つまり、何が言いたいかというと
脳育を我々は売りたいわけですが
市場の親たちは

・脳を育てたい

という欲求もなければ

・脳を育てないことで〜な問題が〜

とも思ってすらいないのです。

もちろん、賢くなって欲しいなとか
将来困らないように頭が良くなって欲しいとか
そういうことは思ってますし
そこに対する問題意識がないわけではないですが

重要なのは
その問題に対して
緊急性もなければ問題の深刻さも
それほど高くないのです。

そして
問題解決を売る場合
問題に対して緊急性がなかったり
深刻さが浅い場合

基本、売ることはできません。

そんな親に対して
速読で理解力高めませんか〜とか
パズルで思考力を養わせませんか〜とか

そんなことを言ったって
売れないわけです。

なので、子供の脳トレを売る場合

・子供の脳を育てなくちゃ!

そういう風に
脳を鍛えることに対する
重要性や緊急性を認識させなくてはいけないのです。

話を冒頭の
火災報知器に戻しましょう。

確かに、家が火事になったら
大変です。

自分や家族が死ぬかもしれませんし
隣接する家や住人も巻き込むかもしれません。

思い出や財産も
全て灰になってしまいます。

だから、家族の命を守ろう!
と言われれば確かにその通りですし
義務化されたと言われれれば
やらなくちゃとなるわけですが

でも、ほとんどの人は
まさか自分の家が火事になって
家族が死ぬなんて想像ができないのです。

だから、火災報知器に対して
緊急性も上がらなければ
問題の深刻さも実感ができません。

なので、火災報知器は義務で大事なことはわかってはいても
火災報知器に対してお金を出して今すぐ設置しようとは
ならないのです。

じゃあ、どうすればいいのか?

それがオグルビーが言った
「炎から始めろ」ということなのです。

炎から始めることで
問題の深刻さを感じさせることができます。

炎から始めることで
ことは緊急を要することが伝わります。

そうすることで
ほとんどの人にとって
確かに重要なことなのかもしれないけど
緊急でもなく深刻でもないと思ってる問題を

緊急で深刻な問題だという認識に
変えることができるわけです。

我々は脳トレを売るのに
脳は12歳までしか育たないことを伝え
緊急性を生み出し

脳という器を大きくしないと
どれだけ勉強しても器が小さいから
いつまで経っても成績は伸びないことを伝え
問題の深刻さを生み出しています。

あなたが
問題解決を売っていて
その問題をビシッと解決できる商品なのに
いまいち売れないのなら…

その原因は
「炎の話をしてないから」
かもしれません。

問題の緊急性はどうすれば上がるのか?
その問題はとても深刻な問題だと
どうすれば認識させられるのか?

あなたは
どんな「炎」を売る?