2024/09/06

ダメな顧客がいる?

From:長嶋雄二

娘に時計の読み方を
教えていた時のこと…

「これが短針で、こっちが長針だよね!」

最初は笑顔で答えていたのですが、
だんだん雲行きが怪しくなっていき…

少しずつその笑顔が消えていきました。

「これ、何時に見える?」と聞くと、
娘は困った顔をして、答えるまでに
しばらく時間がかかる。

僕も、思わず
「さっき教えたよね?」と
強めに言ってしまったり…

何度も繰り返して教えるうちに、
娘がうまく理解できないことに
イライラしてしまっていたのです。

「もう一度考えてみて」と言うたびに、
娘の表情はどんどん曇り、
ついには答えるのを嫌がるようになっていました。

多分、考えること自体が怖くなったんだと思います。

そこでやっと、気づいたんです。

「どうしてわからないんだ?」
とイライラしているのは自分で、
それが娘を萎縮させていたことに。

娘は完全にテンションダダ下がりで、
不安と恐怖に満ちているように見えました。

そして、「やらかしたな、、、」と思うと同時に、
こんな話を思い出したんです。

〜〜〜〜〜〜〜

ある日、学校で生徒を実力別に分けるための
テストが行われました。

でもその時、手違いがあり、テストの結果、

・成績の悪い生徒たち
 →成績の良いクラス

・成績が良かった生徒たち
  →成績の悪いクラス

という、まったく逆のクラス分けに
なってしまいました。

しかし、そのまま授業が進んでいき、、、
それから1年後。

驚くべきことに
その「間違った」クラス編成の通りに
子供たちの成績が変わっていました。

つまり、成績が悪かった生徒たちが、
良かった生徒たちを追い越してしまったのです。

〜〜〜〜〜〜〜

これはピグマリオン効果と呼ばれる
有名な心理現象のお話。

でも、どうしてこんなことが起こったのか?

きっと成績の悪い子供たちを受け持った先生は、
「この子たちは成績優秀だ」と信じて教え始めたはず。

授業が始まると、
最初は子供たちの理解度が低かったとしても、
先生は

「この子たちはできるはず」

と信じ続け、自分の教え方を見直し、
より丁寧に教えたのでしょう。

そして、「この子たちならできる」
という信念を持って接した結果、
子供たちの成績は驚くほど急成長をしたのだと思います。

これと同じように、
親として、子供をどう見るかは
本当に大切だと感じたんです。

「うちの子は勉強が苦手」
「なんでできないんだ」と考えながら教えると、
それが態度に出てしまう。

そして、その態度が相手に伝わり、結果も悪くなる。

逆に、「この子ならできる」と信じて向き合うことで、
子供の能力を引き出せるだろうな、、、と。

「ダメな生徒なんかいない、ダメな指導者がいるだけだ」

みたいな格言があった気がしますが、
これは子育てにも、そして、
僕らのビジネスにも、同じことが言えますよね。

普段、自分が顧客と向き合うとき、
どれだけその可能性を信じて接していただろうか?

目の前の顧客が抱える課題に、
真剣に向き合っていただろうか?

「この人は、ちょっと難しいな」
「多分、無理かもしれないな」と、
どこかで諦めてしまっていたことがあったかもしれない…

問題が解決できないのは、
顧客のせいだと考えてしまって、
必要なサポートを怠っていたかもしれない…

ふと、そんなふうに感じたんです。

ビジネスの世界でも、
顧客は無限の可能性を秘めている。

商品やサービスを提供する自分たちが、
その可能性をどれだけ信じ、サポートできるかによって、
結果は大きく変わりますよね。

「この人は難しい」と感じた瞬間、
その顧客との間には見えない壁ができてしまう。

まるで、娘とのやり取りで感じたような、
無意識の萎縮が生まれてしまうように。

けれど、本当に大事なのは、
顧客の可能性を信じ続けることですよね。

彼らの成功を、彼ら以上に真剣に考えること。

目の前の顧客が抱える課題は、
自分にとっても、大きな成長のチャンスだということ。

その姿勢を、最近、忘れかけていた自分に
ちょっと気付かされた出来事でした。

「できる」という信念があれば、
自然とサポートの仕方も変わり、結果が変わる。

もし、その信念が揺らいでいるなら
結果もまた悪い方向にいきやすいですよね。

今、目の前にいる顧客を、どれだけ信じているだろうか?

その答えが、自分のビジネスの未来を
大きく変えていくのかもしれませんね。