From:宮川徳生
「餃子の試食やってまーーーーす!!!」
僕がいつも使う
撮影スタジオから帰る途中に
町中華のお店と餃子の王将がある。
今日、撮影から帰る途中
町中華の前が人混みで溢れていた。
時間は午後15時ごろ。
飲食店にとってその時間は
1日で最も客数が少ない
アイドルタイムだ。
そんな「誰も飯を食わない時間」にも関わらず
ざっとかぞえて15人くらいの人だかりが
王将の前ではなく町中華の前にできていたのだ。
いつも、その時間は
町中華の中はいつもスカスカで
暇そうにしている。
でも今日は違った。
僕はいつもそのすぐ近くで
撮影帰りにお茶をするので
今日はどうしたんだろうと
その異様な光景を眺めることにした。
1分間の間に
4〜5回冒頭の声が
町中華の方から聞こえてくる。
「餃子の試食やってまーーーーす!!!」
かなり声がでかい。
店主の娘さんなのか
それともバイトの大学生なのかわからないが
お姉ちゃんは恥を捨てて遠くにいる人にも聞こえるように
精一杯大きな声を出している。
人通りは少ないが
その声に釣られてか
人混みに釣られてか
それとも声を張ってる若いお姉ちゃんに釣られてか
町中華の方に人がどんどん吸い寄せられていた。
だが、一方で
天下の王将は超絶暇そうにしている。
同じアイドルタイム。
そして同じ業態。
でも、賑わいは
全く違うものだった。
天下の王将を差し置いて
町中華が行列を作っていたのだ。
王将は
飲食店のアイドルタイムらしく
その光景を見ていた15分くらいの間に
店に入る人は1人もいなかった。
だが、町中華の方は
お姉ちゃんの声に吸い寄せられた人が
次々と試食をした後餃子のテイクアウトを買って帰っている。
お姉ちゃんすげーなと思いながら
その光景を僕は眺めていたわけだが…
さて、この話は
ただ単に町中華のお姉ちゃんが可愛くて
すけべな親父たちが群がって好かれたくて
餃子のお持ち帰りをしていたとか
そういう話ではない。
この話からは
とても大事なことが学べるのだ。
ほとんどの飲食店は
アイドルタイムに何もしない。
まぁ、それは当然で
アイドルタイムってのは
人が飯を食うゴールデンタイムではないので
そりゃ売れなくて当たり前だったりする。
だから、何もしない所が
ほとんどである。
しかし、アイドルタイムでも
時間がズレてる人は昼飯の時間だったりするし
夜のご飯を買い物する時間だったりもするわけだ。
でも、ほとんどの飲食店は
そんなことを無視して
アイドルタイムはボケーっと何もせず
売り上げが上がらない時間をただ暇そうに過ごす。
だが、考えて欲しい。
アイドルタイムだって
飯に関する何かにお金を使う人は
一定数必ずいるのだ。
そして、きっと
町中華のお姉ちゃんは
飯を食いに入ってもらうのは難しいかもしれないが
テイクアウトで持ち帰りしてもらうことはできるはず
きっとそう思い
テイクアウトを売るために
試食というフックでお客を集めようと行動したのだ。
そして、その結果
「餃子の試食やってまーーーーす!!!」
という声に釣られた人が
・試食する
↓
・美味しい
↓
・持ち帰りちょっと安いから
じゃあ夜用に買って行こうか
という行動を多くのお客が取ったのだろう。
数百円の餃子のテイクアウトなので
売上額はそこまで大した額じゃないかもしれない。
だが、他の飲食店が
売上ゼロの時間に数万円とかの売上を
あげていることは確かなのだ。
これを365日続けたらどうなるだろう。
1日1万円だったとしても
1年で365万円も売り上げは増える。
小さな町中華にとって
この金額はとても大きなものじゃないか?
これってすごいことじゃないか?
でも、ほとんどの飲食店はやらない。
その理由はきっと
外でお客さんを呼び込むなんて
「恥ずかしい」からできないからだ。
つまり、やったら売り上げが上がると分かっていても
恥ずかしいことだったり自信がないことだったり
そういうことを人は行動に移せなかったりする。
このことを巷では
コンフォートゾーンと呼ぶ。
大抵の人にとって
外で「餃子の試食やってまーーーーす!!!」という言葉を
大きな声で言うのは恥ずかしことだ。
だから、これはほとんどの人にとって
コンフォートゾーンの外にあることである。
だから、やれない。
でも、王将のお姉ちゃんは
ほとんどの人が抱く「恥ずかしい」というコンフォートゾーンを超えて
それを実行した。
だから、他の飲食店が売上を上げられない時間を使って
数万円かもしれないが売上を上げることができたのだ。
大抵の場合
あなたが何かうまくいかない時
自分がどうするべきかと言うのは
大体気づいていることだったりするよね。
例えば、コンサルが
クライアントが獲得できないと。
その時、クライアント獲得するために
もっと営業の数を増やそうとか
社長と知り合う場所にもっと行こうと。
そこで積極的に話しかけて
人脈を作ろうと。
こういうふうに
「何をすればいいか」ってのは
大体気づいてるもんなのよ。
でも、それを実行するには
とても勇気がいるのも事実。
格上の社長に挑むわけだから
恥をかかないか、断られないか
相手にされるだろうか
そう言う恐怖みたいなものが邪魔をして
コンフォートゾーンの外に飛び出せない。
でも、だからこそ
コンフォートゾーンの外に飛び出すことで
結果は変わるもん。
自分が成長したいのなら
コンフォートゾーンの外に
常に出続けないといけない。
コンフォートゾーンの中にいる限り
絶対に自己成長は望めないからね。
自己成長が望めないと言うことは
すなわちそれは結果につながらないと言うことだ。
結果につながる行動というのは
大抵の場合コンフォートゾーンの外にある。
そして、大事なことは
ほとんどの人は自分が今何をすべきなのか?
コンフォートゾーンの外にある
やるべきことに気がついているということ。
あなたが気づいていて
でも、コンフォートゾーンを破れずに
できずにいることは何があるだろうか?
もし、それに気づいているなら
ほんの少しの勇気を振り絞って
コンフォートゾーンの外に出てみないか?
コンフォートゾーンの
外に出る経験をしたことがある人ならわかると思うが
中と外では全く違う世界が広がっていることに気づくはずだ。
そして、中にいる間は
外側がとても怖い世界に感じるが
いざ出てみたら外が怖い世界じゃないことに
すぐ気がつく。
大事なことは
中から外に出るための
勇気を持ってるかどうか。
この差は
あなたがあなたのキャリアで
どんな結果を残せるかに一番影響することだということを
忘れないでおいてほしい。
町中華で働く
マーケティングのことやビジネスのことを
ないも知らないであろう20歳そこそこのお姉ちゃんから
とても大事なことを学ばさせてもらった。