From 古川馨
前職がメガネ屋さんのため、
ついついメガネ関連の話題やニュースは
チェックしてしまいます。
街中やショッピングモールに行っても
ついつい立ち寄ってしまったり
相変わらず、「レンズ半額」とか
胡散臭い商売しているな〜とか。。。
(いつもやっている…)
そんな中、いつも面白いことやるな〜
と注目しているのがJINSさん。
いろいろ賛否両論はあるんですが、
ぶっちゃけ、売り方というか
マーケティングの仕掛け方は
いつも上手いなと感心しています。
最初に注目を集めたのはJINS PC。
パソコンメガネというジャンルを新たに作り出し
メガネをかけない人にもメガネをかけさせるという
まさにマーケットを作っちゃったんです。
ぶっちゃけ、ブルーライトなんて
UVカット機能が付いていれば
ある程度カットしているし
パソコン画面のチラつきは
茶系のカラーレンズを入れるか
PC画面の色温度を調節すれば
パソコンメガネと同じ機能は果たします。
でも、JINS PCという新しいメガネ
そして、お医者さんと共同開発で
論文発表、お墨付き…。
という流れで
一気に市場を掻っさらっていった。
その後は、どこの眼鏡屋も追随して
こぞってパソコンメガネが販売され
終いには雑誌の付録にすら
パソコンメガネが登場。
世の中パソコンメガネブームってくらい
巷に溢れ出したわけです。
きっとあなたも一度は
見たことがありますよね?
そんなマーケットを作り出したJINSが
また、新しいことをやり出したっぽいんです。
それが「JINS SAUNA」
要するにサウナ愛好家サウナーを
囲い込もうって作戦らしい。
今度はかなりマーケットを絞ってきたみたいですが
ここって結構、昔から需要があったりするんです。
メガネユーザーなら、わかると思いますが
メガネをかけたままサウナには入れない。
ぶっちゃけ、お風呂も微妙。
なぜなら、今、主流のプラスチックレンズは
耐熱性能が低いため、熱で歪んだり
コーディングが割れたりするから。
サウナなんか入ったら一発アウト。
メガネをかけて
サウナに入りたーい!
というメガネサウナーのあなたへ送る
「JINS SAUNA」ってわけですね。
そして、この「JINS SAUNA」。
2023年上半期を通した総売り上げが
男性30~40代で1位になるほど
バカ売れしているらしい。
いやー、JINSさん。
また、すごいもの
開発したねぇ。
、、、、と思ったら。
なんかそうでもない。
新しい素材なのかな
と見てみたけれど、
元メガネ屋さんの観点からみると
それほど新しいものでもない。
どういうことか?
ちょっとマニアックな話ですが、
レンズはポリカーボネート製。
ポリカっていうと
スマホのケースにも
使われているやつです。
食器とかでも
レンジで使えるプラスチックは
大抵、ポリカです。
要するに熱に強い。
でも、このポリカーボネイトのレンズ。
熱にも強いのですが、
衝撃に強いことからスポーツ用のレンズとして
昔から存在しているんです。
僕がいた頃は、野球キッズ用みたいな
売り込みで存在していたはず…。
つまり、昔からあるものです。
フレームの素材は「樹脂」としか書いてませんが
おそらくポリエーテルイミド系の樹脂を
使っていると思われます。
ポリエーテルイミドは
車とか航空機の部品でよく使われていますね。
で、これも前からフレームとしてある。
もちろん、より熱に強くなるように
いろいろ改良は加えたりしている
可能性はありますが
全く新しいものってわけではない。
つまり、何がいいたいかというと
全てもともとあるものなんですよ。
それをコンセプトや
売り方を変えて売り出した。
そしたら、バカ売れ!
JINS PCもそうですが
要するに売り方なんですよ。
どういうコンセプトで売るか。
単なる耐熱レンズといっても
それほど売れないでしょう。
耐熱コートとかもありますが
そんなに売れているのを
聞いたことがない。
でも、サウナメガネ
みたいな打ち出しなら
サウナーには響きますよね。
サウナに行くグッズの一つとして
揃えておくべき…
サウナーなら、そんな感じに
捉えるかもしれないですよね。
あなたの商品も売り方を変えれば
ヒット商品に生まれ変わるかもしれません。
このお盆期間にでも
あなたの商品の新しいコンセプトを
考えてみてはいかがでしょうか?