こんにちは。
リサーチャーXです。
先日、
あるプロジェクトの参加者の方から
「宮川さんの毎日のYouTub動画コンテンツ。
効率化したらどうですか?」
というご提案をいただきました。
つまり
「毎日投稿するのは非効率なのでは?」
ということですね。
たしかに
3年半近く毎日投稿していますので、
単純計算しても1,300近い投稿を
していることになります。
1コンテンツを作るための
労力や手間ひまを考えると、
ご提案も、さもありなんです。
実はこの点については、
以前、社内でも検討したことがあります。
結果、
「ここは効率化しない」と。
その理由は、
この部分の効率化はファネルに
マイナスの影響となるから、です。
動画の影響力については
いろいろな記事やブログで
取り上げられていますし、
実際のところ、
ウチでもYouTube動画から直接の販売で
売上が上がっています。
また、間接的にも
毎日の動画投稿はファネル全体に
好影響を与えていることがわかっていますので
この部分は、
「効率化しない」
という決断を下しています。
とはいえ。
やはり、
効率化は魅力的ですよね。
また最近では、
効率化に加えて “自動化”も
同じレベルで語られることも多いです。
事実、
コンサルやご相談の場で
「効率的に集客したいです」
「できるだけ手間をかけないでやりたいです」
「有料引き上げの部分を自動化したいです」
と口にされる方も増えています。
たしかに、
この部分に極力、労力や手間をかけずに
さらに自動的にそうなってくれたら楽ちんですから。
そして、実際に
ファネルを組んでいらっしゃる方も
少なくありません。
ところが。
そういった方から、
次に相談されるのは、
「見込み客がなかなか引き上がりません」
「見込み客から有料顧客へのハードルが高い」
です。
一通り、
セールスファネルを組み、
自動化して効率化できたけれど、
肝心の有料への顧客転換が
うまくいかないというお悩みです。
そして、このとき。
多くの方が行うのは、
自動化したツールの部分の改善です。
たとえば、
・LPのデザイン変更
・コピーの表現修正
・動画コンテンツの差し替え
・ステップメールの中身変更
といった感じです。
もちろん、
これも間違いではありません。
ただ、
もうひとつ別の視点として、
「本当に “全”自動化の方が良いのか?」
「効率化で良いのか?」
と、“そもそも” から
見直す必要がある場合があります。
つまり、
「そもそも引き上げの “瞬間” は自動化で良いのか?」
です。
金額の多い少ないはありますが、
人が購入や契約を決断する瞬間は、
そこまでカンタンじゃありません。
悩んだり、不安になったり、
疑問があったり、迷いがあったり。
買い手が一番揺れ動くときに
売り手が不在。
有料への引き上げという最重要場面で、
一番、手間をかけるべき瞬間であるはずなのにです。
では、どうするか?
たとえば一つの方法として
販売直前までの導線は
すべて自動化するけれど、
一番、肝心要の部分となる
有料への引き上げの部分は“対面” で行う。
導線のすべてを
自動化・効率化をする or しないの
2択ではなく、
自社のセールスファネルの中で
外せない引き上げの瞬間、
そこにチカラを集中するために
他の部分を自動化するという方法です。
イメージしやすいように
具体的な数字で考えてみますね。
(わかりやすくするために話を単純化します)
仮に、あなたの会社の必要な顧客数
(enough number イナフナンバー)は
10人だとします。
自動化の場合、
有料顧客への引き上がり率が3%。
一方で、
あなたがその場で対面することで、
引き上がり率が10%になるとします。
自動化の場合は、
334人の見込み客を集めて
ようやく10人達成です。
(334人 × 3% = 10人)
対して、
あなたが対面した場合、
100人の見込み客を集めたら達成です。
(100人 × 10% = 10人)
もし、
そのファネルの入り口で
見込み客を集めるのに広告費をかけている場合、
一人集めるのに3000円かかるとしたら
334人を集めるのに約100万円です。
100人集めるのは30万円。
集める人数も必要な広告費も
その差は3.3倍です。
引き上げの瞬間に
あなたがシュッ!と駆けつけることで
これだけの違いが生まれる。
見込み客は、
たくさんの競合の中からあなたを選び、
興味を持って来てくれています。
その最後のひと押しのところで
他でもない “あなた” が登場したら?
一歩踏み出せずに迷っている見込み客に、
直接、あなたが接触し、
見込み客が疑問に感じていることや
不安に感じていることに対して
臨機応変に切り替えて対応する。
あなたがその場に現れること。
その威力は言わずもがなです。
もちろん事業のフェーズによって
とるべき方法は変わってきますから、
自動化の方が売上が最大化する可能性もあります。
ただ、
ビジネスの初動や新規事業で、
予算がかけれられなかったり、
時間的猶予がなかったり、
早期に売上の目処を
立てなければならなかったりするのなら
それは自動化・効率化よりも優先して
チカラを注いでよいポイントですし、
むしろチカラを注ぐべきですよね。
自動化・効率化はたしかに魅力的ですが、
すべてをツールで置き換えてしまうのではなく、
部分的に手動に置き換えることで
売上が向上するのであれば、
そこは完全自動化にこだわらずに
柔軟に組み替えることこそが
むしろ効率化につながります。
ちなみに。
自動化・効率化のためのツールを
導入するときのオススメの手順は、
—————-
1.まず自社にとって必要な顧客数
(イナフナンバー)を出す
2.そのイナフナンバーを達成するために
最初は手動でファネル導線を実行する
3. ファネルの中で
優先度を下げてもよい部分を特定し、
効率化・自動化のツールをはめる
—————-
この流れです。
本格導入前に
あえて手動をオススメしているのは、
効率化・自動化の過程で
抜け落ちてしまうことがあるからです。
手動は手間がかかりすぎたり、
めんどうだったりといったことが
あるかもしれませんが、
それをするだけの価値があります。
というのも、
この導線で追いかける見込み客は、
わずかでも自社に興味関心を持ってくれた人です。
そんな人が歩いてくれる導線であり、
要所要所で自社にとって
有益&貴重な情報を落としてくれます。
ChatGPTがどれほど進化しようが、
Google検索がどれほど賢くなろうが、
探せない、出てこない情報です。
あなたの会社に対してだけの
超絶カスタマイズされた情報であり、
あなたにしか
聞き出せない、引き出せない情報です。
それを自動化・効率化で見落としてしまう。
それは、あなたのビジネスにとって
めちゃくちゃもったいなくありませんか?
多くの方は、
ツールで確認できる
見込み客の動きや情報は調べますが、
見込み客に直接お会いしたり、お話を聞いたり、
提案をしたりして得られる情報に関しては
意外なほど見過ごしていたりします。
自動化・効率化で
得られるものはたしかにあります。
ただ、
そこで失ってしまうモノが
あるかもしれないということ。
すべてを自動化・効率化することで
死角や盲点ができてしまうかもしれない。
顧客を理解する大切な機会を
失ってしまうかもしれないのです。
しかも今はツールが発達して、
導入しやすくもなっているので、
最初から効率化・自動化を考えている方も
いらっしゃいます。
ところが、初動から
自動化・効率化をしまったがゆえに、
顧客理解という
お宝情報に気がつけなくなってしまう。
これは本当にもったいない。
だからこそ、
最初はメンドウでも、非効率でも
泥臭く、ひとつひとつ自分の手でやってみる。
始めにツールありき、ではなく。
そうやって
自分の手で泥臭くやることで、
顧客理解はもちろんのこと、
ツールに求める機能がはっきりわかりますし
手放してはいけない部分、
手放してもいい部分がわかる。
無駄に高機能なツールだったり、
不要な機能のツールはいらないと判断できる。
顧客理解という
大事な部分の感度を高め、
つねに情報更新しつつ、
本当に自動化したほうが
効果的な部分はツールにお任せする。
そして、全自動ではなく、
要の部分には手動も取り入れるハイブリッド型。
売上が上がってこその自動化・効率化ですから
道具(ツール)に振り回されるのではなく、
上段から全体を見渡し、
もっと自由にパーツを組み替えて
事業全体を動かしてください。
自動化・効率化に絡め取られるのではく、
むしろこちらが巧みに制御して統べる側に。
あなたのビジネスの指揮官は、
あなたなのですから。
P.S.
現在、ウチは夏季休業中です。
そんな夏休み中に読み、
今回のメルマガの内容にも
気づきを与えてくれた書籍をご紹介します。
ちなみにこちらの書籍、
自社またはクライアントさんが
・保険業界
・不動産業界
・製薬業界
・自社アプリ提供を行っている
は、特にオススメです。
こららの業界での
顧客理解の実例が載っていますので、
ぜひぜひご一読を!
LTV(ライフタイムバリュー)の罠(日経BP)
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