From:宮川徳生
先日、YouTubeを
見ていたときのこと。
売れないホストの
ドキュメンタリーっぽい動画が流れてきて
つい気になって全部見てしまった。
その動画は
夜の世界で華やかな世界を謳歌している
ホストA君の勤務時の映像が流れていた。
このホスト人気なのかな〜
なんで思いながら見ていたのだが
どうやらそうじゃないらしい。
ホストってやっぱり
豪華なプレゼントをもらい
高級マンションにすみ
高級時計を身に着け
たっかいスーツにたっかい車にのって
ブイブイしている
売れてるホストに対して
そんなイメージを持っていたが
彼は違った。
お店ではそれっぽくふるまっているが
彼は全然売れてなかったのである。
勤務が終わって
飯を食いに行くシーンがあったが
財布の中には千円札が2枚と小銭が少々。
その金でどうやら
あと1週間飯食わないといけないらしい。
なので、彼は
コンビニでおにぎりを2つ買い
家に戻っていった。
着いた家も
6畳一間で風呂トイレなしのアパートだった。
そこで、インタビューアが
そのホストにこんな質問をした。
「今、月の収入どのくらい?」
それに対してホストは
「月によって違うけど
10万くらいですね」
そこから
インタビュアーが色々な質問をし
いよいよ最後の質問になり
「何でこの世界い入ったの?」
ホストはこう答えた。
「昔から女にはモテたんで
簡単に稼げると思ったんですよね」
そして、インタビュアーに同伴していた
彼の店のNo1ホストが彼に言った。
「この世界、簡単に稼げそうという理由で
なめてかかってくるお前みたいなやつ多いけどさ
成功するやつは血尿まきちらしながら
死ぬ気でやってるやつだけだからね
お前もう辞めたほうがいいよ」
なんだか、目が話せなく
こんな動画を30分も見続けてしまったのだ。
なぜなら、このホストの世界の話が
失敗する起業家の話と同じだったから。
僕も仕事柄
これから起業したいという人と
よく話す。
そして、彼らのほとんどが
「これなら、自分でも簡単に稼げそうな気がした」
という理由でそのビジネスを始めている。
僕はこの仕事を
2016年からしているが
その時からこうしたことは
一向に減っていない。
そして、このケースは
歌舞伎町のホストと全く同じなのだ。
ホストという世界は外から見ると
一見、とても簡単そうに稼いでいる風に見える。
でも、実態は違う。
本当に、高級車を乗り回し
高級マンションに住み
高価なものを身に着け成功するホストは
一握りしかいない。
ビジネスも一緒だ。
よく、隣の芝生は青く見えるおいうけど
まさにその通り。
例えば、ウチが
サブスクだけで年間1億くらい売上あるよ
というと多くの人は
「サブスクやれば簡単に売上あがる」
なんて思うようだけど
実際はそんなことない。
白鳥と一緒で
水面下では沈まないように
必死であがき続けているのだ。
あなたの見えないところで
死にものぐるいで色んなことをやっているのだ。
簡単に稼げることなんて
この世の中に1つもないのだ。
僕も昔
自分の会社がうまくいかない時
FCに手を出したことがある。
FCなら
知名度もあるし
営業方法も確立されてるし
商品の品質もそれなりにあるし
簡単に儲かりそうな気がしたのだ。
そして、そのFCを始めるのに
400万ほど金を払った。
が、1円も稼げなかった。
まったく簡単ではなかったのだ。
言われた通りのことをやったのに
門前払いの連続。
話を聞いてもらうことすらできなかった。
そして、1円も稼げないまま
そのFCの事業は終わりにした。
ビジネスは
簡単に儲かりそうだからという理由で
始めてはいけない。
それがそのビジネスを始める
動機になっては歌舞伎町のホストのように
ほぼ失敗する。
なぜなら、そもそもの話
簡単なビジネスなんて1つもないからだ。
もちろん、自分の適性にあったものや
自分が得意なこと等の場合は
人よりも簡単になるかもしれない。
でも、それは
簡単に儲かるということではなく
人より優位性を持っているというだけの話だ。
勘違いしてはいけない。
それに、ビジネスを始めるのは簡単だが
続けることはとても難しいことでもある。
例えば
数年前「動画が儲かる」みたいなのに騙されて
多くの人が動画クリエイターを目指した。
だが、今となっては
果たしてどれだけの人が生き残っているのだろう。
それに、おそらくこの先
動画クリエイターはAIによって
かなりの仕事を奪われるはず。
上流工程に関われないクリエイターが
人より多く稼ぐなんてことは
まず起きないだろうね。
AIに関して言うなら
ライターもコンサルも状況は一緒だ。
つまり、ビジネスを始めてから
こうした環境の変化はたくさん起きるわけだから
その変化に対応していかなくちゃいけない。
それって簡単なことではないよね。
今ChatGPTの登場で
何が言われてるかというと
「IT革命以上の革命が起きる」
と言われている。
人類が経験したことのない事が
これから様々な業界で起きていくのだ。
確かに
2〜3年前なら
動画クリエイターになれば
数十万くらいは誰でも稼げただろう。
下請けの編集仕事を
数こなせばいいだけだから
数十万でいいなら簡単に稼げた時代は確かにあった。
でも、そんなものは
とっくに崩壊しているし
これからもっと崩壊する。
その中で稼ぎ続けるのが
簡単なわけない。
だから、簡単に儲かりそうという理由で
ビジネスを始めるのは
失敗することが決まった起業法なのだ。
それは、1週間2千円で生きてかなきゃいけない
歌舞伎町のホストが言った
「昔から女にはモテたんで
簡単に稼げると思ったんですよね」
と全く同じ意味なのだ。
大事なのは
簡単に稼げそうかどうかではなく
あなたがそのビジネスに情熱がモテるかどうか?
そのビジネスで関わる人を好きになれるかどうか?
どんな大変なことがあっても諦めずに頑張れるものかどうか?
あなたが何を始めるかを考える時
最も大事なことはこっちだ。