2023/04/04

リニューアルに成功する店と失敗する店

from 古川馨

2月末に、前職で勤めていた店舗が
「リニューアルオープンした」
と報告があってからしばらく経って
先日、久々に連絡があったんですが、、、

第一声が
「死にそうなくらい忙しい」

なんでも、これまで客数の2倍以上の来客。
売上も同じく2倍以上になって
毎日のように残業残業で大変なのだそう。
まぁ、嬉しい悲鳴ですよね。

僕の前職は眼鏡屋で、メガネは
もともと3月〜4月は卒業入学、
新社会人のシーズンなので
買い替え時期ってことでわりと忙しい。

それプラス、今回のリニューアルもあって
たくさんお客さんが来ている様子です。

客数が2倍なんて働いていた僕からすると
ぞっとするような状況。

何せ売って終わりではなく
レンズを加工したり、
フレームにレンズを入れたり
かけ具合を調整したり、、、と

売った後も忙しい。

しかも、今まで売ったお客さんも
調整などで毎日数十人と来店していたので
1日の来客数はかなりのものです。
それを3人とかでこなすので結構大変。

これまでも数店舗リニューアルをしている
とのことだったので
「かなり会社は儲かってるんじゃない?」
と聞いてみると、、、

「実は、、、」

なんと、これまでリニューアルした店舗の
ほとんどは失敗といっていいほど
売れてなかったり微妙な感じなのだとか。

じゃあ、なぜ今回は上手くいったんだろう?
と尋ねてみると、、、

どうも1番の要因は「単価」。

リニューアル店舗は
新聞チラシに加え、ポスティングが
既存客へのDMを出しているらしいのですが、
そこに10%OFFのクーポンが付いている。

なので、黙っていても
単価が10%下がる仕組み。

どこの店舗もリニューアルすると
客数は3〜4割くらいは増えているものの
単価が下がって増客分の売り上げがほぼ相殺。
酷いところは、単価激下がりで
忙しいだけで売り上げが
上がらない店舗もあるのだとか。

しかし、今回はほぼ単価も下げずに
客数は倍に増えたため
売上もガンガン上がっていると。

なぜ、他の店舗はダメだったのに
そのようなことが可能だったのか?

それは、、、
商品の価値を伝えることを
意識的にずっとやってきたからだ
と僕は思っています。

眼鏡ってほぼ必要に駆られて買うものであって
欲しくて買うものではないんですよね。

見えなくなったから仕方なく、、、
免許更新で必要だから、、、
検診で引っかかって、、、
壊れたから、、、

ほぼ買う理由は「必要」だから。

必要なものってできるだけ安く買いたい。
だから、違いがわからないなら
安い方をほとんどの人が選択します。

なので、安売り店が流行るんですよね。

メガネの他店クレームで一番多いのが
「なんだかよくわからないけど、
気がついたら高くなった」
というもの。

要するに価値のプレゼンが全くされず
押し売りのように買わされている。。。

残念ながらそんな店が多いのも事実です。
(そら、淘汰される店が多いわな…)

僕は50本くらいメガネを持っている
ちょっと頭のおかしいくらいな
メガネフリークだったので、

お店にいた頃はメガネのフレームの価値
というか、フレームの良さとか
素材とかマニアックなことを
ずっとスタッフやお客さんに
教育していたんですね。
(今考えるとウザい店員かも…)

なので、そういった商品の価値を
伝えるような接客をずっとやってきた。

だからこそ、
ただ単にきたお客さんに
安く売っていくのではなく

ちゃんと商品の価値を伝えて
安いものだけではなく
ちゃんと高額品なども
満遍なく売っていく

そんなことができたから
単価も下げず、
むしろ、
10%OFFで買えるから
ワンランク上の商品にしましょう
という提案する。

そんなことが自然と
できているんですよね。

なので、ほとんどのお客さんが
最初の予算よりも高くなったとしても
「いや〜良い買い物ができた」と
笑顔で帰っていく。

安く買えるって嬉しいんだけど

もともと安いものを
さらに安く買えた満足より

安く買えるからどうせなら、
ちょっと良いもの買おう!
って買ったものの方が
満足度が高いんですよね。

ただ売るのか
それとも価値を伝えて売るのか

この違いがリニューアルで成功する店と
失敗する店を分けた要因だったのかな
と考えています。

あなたは普段、お客さんに商品の価値を
どのように伝えていますか?

伝え方次第で売上が大きく
かわるものですよ。