From:宮川徳生
「謎なんですよね」
このメルマガを書く前に
別事業のMTGをしていた時のこと
あるメンバーから出た言葉だ。
詳細は避けるが
今その事業の広告が今うまくいっておらず
様々なテストをしている。
訴求軸を見つけるために
メンバーが今テストしている広告に対して僕は
「なんで、この訴求にしたの?」
と聞いてみた。
そうしたら
例えば、ダイエットに例えるなら
「痩せたるためのダイエット法が知りたい」から
みたいな感じで言ってきた。
で、さらに突っ込んで聞いてみると
でも、その一方で
「おいしいスイーツ店に週3で通ってる」
みたいなことも言ってきた。
僕は「ん???」と思った。
なぜなら、言動に矛盾が生じているからだ。
痩せたいから痩せる方法が知りたいのに
週3でスイーツ店に通うってのは
完全に矛盾してる。
だから僕は聞いてみた。
「言動が矛盾してるけど
なんでこんな矛盾してることをしてるの?」と。
そうしたら
メンバーは「謎なんですよね」と
言ってきた。
僕は「ちょっと待て」と
少し怒り気味で言った。
なぜか?
それは、マーケターにとって
「わからない」という言葉は
絶対に使ってはいけない言葉だからだ。
わからないという言葉は
思考停止を促す。
わからないからしょうがないみたいな
そんな自分を正当化する言い訳になってしまうのだ。
マーケターは答えのないところに
答えを見つけるのが仕事だ。
何かの商品を売ろうとした時
それをどうすれば売れるのか?
その答えはどこに書いてあるわけでも
誰かが教えてくれるわけでもない。
自分で考えて仮説を立てて
1つ1つテストをして市場に聞いて
そうやって答えを見つけていくのが
マーケターの仕事だ。
だから、マーケターは
絶対に「わからない」とは
言ってはいけないのだ。
それに、わからないというのは
ただ単にリサーチが足りてないだけでもある。
そもそも自分の頭で考えて
わかることなんてほとんどない。
正解は市場しか知らないわけだから
わからないってのはイコール
調べてないから知らないだけである。
わからないって言葉が出る時は
仮説すら立てられてないことを表す。
仮説を立てられなければ
正解を見つけるためのテストすら
することができない。
だから、我々マーケターは
「わからない」という言葉を言ってはいけないし
その言葉を言うということは、いわば…
敗北宣言
のようなものになってしまうのだ。
話は変わるが…
顧客のことをリサーチしていると
言動が矛盾だらけなことに気づく。
例えば…
コンサルタントがクライアントを獲得したいと言ってても
でもクライアント獲得活動をほとんどしてなかったり…
売上を上げたいと言ってるのに
チラシの一枚も配らない店舗オーナーがいたり…
社員のためにと言ってるのに
こっそり家族旅行を経費にしてる経営者がいたり…
顧客リサーチをしていると
本当に言動の矛盾だらけだということに気づくのだ。
だからこそ、我々は
その矛盾を理解する努力をしなくてはいけない。
なぜだろう?と。
そうすると
顧客の本当の欲求が見えてきたりする。
さっきの例で言うなら…
コンサルタントがクライアントを獲得したいと言ってても
でもクライアント獲得活動をほとんどしてなかったり…
↓
クライアント獲得はしたいけど
断りの恐怖に晒されるのは辛い
それに、行動したらできない自分を認めなくてはいけない
行動しなければその最悪は避けられる
だから、クライアント獲得なんてしなくても
クライアントがいる状態を作れないだろうか。。。
みたいなことが
本当の欲求だとわかってくる。
人間とは超絶矛盾した生き物だ。
そして、その矛盾してる部分には
顧客の本当の願望が隠されてることがとても多いということを
僕は経験上知ってる。
だって、身近でもそうでしょ?
カップルがデート中に喧嘩して
彼氏が怒って「もう帰る!」と言ったとして
それを言われた彼女が
「どうぞ、帰れば」
って返したら
彼氏はなんて言うか?
「本当に帰るよ!それでいいの!」
と言い返すわけだ。
いやいや、帰るって言ったのは
お前だろ?早く帰れよって思うかもしれない。
帰るって言ったのに
帰ればって言われたら
「いいの?」と言ってくる。
めちゃくちゃ矛盾してる。
この時の彼氏の本当の気持ちはどんなか?
本当は帰りたいんじゃなくて
もっと自分のことん構ってほしいとか
そんなことが本当の欲求として
見えてくるわけだ。
顧客の言動の矛盾を見つけたら
マーケターならチャンスだと思おう。
なぜなら、言動の矛盾の奥には
高い確率で顧客の真の欲求が隠されてるからだ。
だからこそ!
顧客の矛盾を
「わからない」で終わらせてはいけないのだ。
今日から「わからない」を禁句にしよう!
その言葉は
我々マーケターにとって
敗北宣言を意味するから。