「アイデアのちから」という書籍をご存知ですか?
the sales writer の記事を読むくらい勉強熱心なあなたなら既にご存知かもしれませんね。
セールスライターにとっては必読書のような書籍です。
私自身その書籍を何度も通読していたのですが、7月末に楠瀬健之マーケター合宿があり、その合宿の課題図書だったので再度読み直してみました。
いや〜、やはり良書は何度も読むものですね。
「もう読んだことあるし…」
そう思って読み始めたのですが、新規集客チラシ、ニュースレター、LPをライティングするようになってある程度スキルの蓄積ができてきた今の段階で、再度読み直してみると、響く部分が全く変わっていました。
そこで、かの有名な書籍の内容を
セールスライターがより使いやすくするには?
より効果的に使うためには?
という視点で読み解いてみました。
最近マッチョすぎる記事が多かったので、今回はすぐにあなたの役に立てるこの内容をシェアしたいと思います。
「もう知ってるし…」
なんて思って読み飛ばすのはもったいないですよ〜。
「知ってる」のと「実践できている」との間には歴然とした差がありますからね。まぁ、100%実践できている!という方は読み飛ばしていただいた方が良いですが…。
では始めます。まずは…
「SUCCES」…使いこなせてます?
「アイデアのちから」といえばSUCCES
Simple:単純明快である
Unexpected:意外性がある
Concrete:具体的である
Credible:信頼性がある
Emotional:感情に訴える
Story:物語性がある
ですよね。
詳しい内容は実際に書籍を読んでいただくとして…
これら6つの要素のうち、備えている要素が多ければ多いほど記憶に焼きつくメッセージを作ることができます。短期間に多くの方に伝播するメッセージを作ることができます。
これを使えるだけで、
コピーの精度が劇的にアップする、という優れ物です。
ですが…
ここで一つ質問です。
本当に使いこなせてます?
正直私は、使いこなせていませんでした。
たまに内容を思い出したり、ライティングの中で少し意識することはありました。
…が「使いこなせていたか?」というと文句なしに「No」です。
なぜか?
「知ってる」というだけで、使える形で知識を蓄積していたかったからです。
使えなくて当然ですね。
例えば、「SUCCES」という順番は、この書籍の内容をより多くの人の記憶に焼きつくように、という意図で著者が並べたものです。この順番は「多くの人の記憶に焼きつく」という役割は見事果たしています。
…が、「多くの人に実際に使ってもらう」という形では示されていないのです。
セールスライターがSUCCESを効果的に使うには、もう一工夫して、使いやすいように並べ替える必要があります。
ではどんな順番が最も適切でしょうか?
マーケティングにおける3つの壁
「見ない → 信じない → 行動しない」
これらが「顧客が商品・サービスを購買してくれない3つの理由」と言われているのは、あなたもご存じのはずです。
そして、「アイデアの力」をよくよく読み解いてみると、これら3つの壁を乗り越えるためのメソッドとしても有効である、と気づいたのです。
そこで私は、
「マーケティングにおける3つの壁」を乗り越えるヒントとして、SUCCESを並び替えることにしました。
より使いやすいように
質問形式・チェックリスト形式で並び替えてみたいと思います。
注意を引くために:「見ない」の壁を乗り越えるために
- もっとSimple(単純明快)にできないか?
- もっとUnexpected(意外性のある形)にできないか?
- もっとConcrete(具体性のある形)にできないか?
複雑なものはそれだけで「注意」を引く際のハードルを上げます。
また、抽象的なものも、同様ですね。
そして、注意を引くにはなんといっても「意外性」が最も効果的であることは疑問の余地がありませんよね。
セールスライター的に言えば、ヘッドラインやリード部分を考えるときにこの辺を意識するとうまくいきます。詰まったら、この3つの部分について書籍を読み返したりすれば、大きなヒントを得ながらライティングできる、ということです。
信じてもらうために:「信じない」の壁を乗り越えるために
- もっとConcrete(具体性のある形)にできないか?
- もっとCredible(信頼性がある形)にできないか?
「アイデアの力」を今回読み返して今回最も印象的だったのは、この辺です。
ついつい、活用し忘れていた領域でした。
例えば、信頼性について、「お客様の声」や「権威者からの推薦」しか活用できていなかったのですが、信頼性を高めるテクニックは意外にも他にたくさんありました。
- 権威:専門家による権威・有名人による権威
- 反権威者の信頼性
- 細部の威力
- 人間的尺度の原則
- 統計は関係性を示すために使う
- シナトラテスト
- 検証可能な信頼性
これだけ多くのテクニックがあったのです。
あなたはこのうち、どれだけ実際に使えていましたか?
これらを読み返すだけで、商品・サービスの価値を信じてもらうためのたくさんのヒントを得ることができます。
行動してもらうために:「行動しない」の壁を乗り越えるために
- もっとEmotional(感情に訴える形)にできないか?
- もっとStory(物語性のある形)を盛り込めないか?
「行動してもらうため」と考えると、ついつい、オファーやCTA(コール・トゥ・アクション)ばかりに目がいってしまいますよね。
でも、もっともっと本質的に情報の受け手に行動してもらうためには、この2つが重要であることを、書籍を読み返して痛感しました。
「マズローの欲求階層の上位層にアピールしてみる」
「実際に頭の中でフライトシミュレーションのようにStoryを描写する」
これだけで行動してもらえる可能性を格段に高められることを再発見できました。
【再発見】SUCCESはライティングに使うな
そして今回、最も大きな再発見はここでした。
SUCCESはライティングに使うべきではなかったのです。
ついつい、
ライティングのときにしか意識していなかったSUCCESですが、本当にその効果が最大化するのは「リサーチの時」でした。
リサーチのときからSUCCESを意識することでリサーチの精度を格段に高めることができます。むしろ、リサーチのときから意識していないと、いざライティングのときにいくら意識しようにも材料不足でSUCCESをうまく活用できないことがわかったのです。
やはり、「コピーはリサーチが9割」という格言はその通りですね。
これはダイレクト出版など一流のマーケティング会社やリサーチ会社なら常識なのかもしれませんが、一ライターにすぎない私にとっては衝撃的な再発見でした。
ぜひあなたも「SUCCESはリサーチのときから活用すべき」ということを意識してセールスライティングの精度向上に活かしてみてください。
いかがでしたか?
「アイデアの力」をセールスライターとして使うならこんな形が最適ではないか?
という視点で再構成してみました。
このように、情報は読んで摂取するだけでなく、自分なりに「使うために再構成してみる」というのも知識を定着させるために非常に大切なステップとなります。
あなたもそんな視点で読み直してみるのはいかがでしょうか?
あなたの再学習の一助になれば嬉しいです。
今回も長文をお読みいただき、ありがとうございました。
P.S. これを読んで「じゃあ実際にこれを活かすリサーチをするとして…具体的にはリサーチってどうやれば?」と思う方もいるかもしれません。こちらの記事が最も効果的なリサーチの実態を明かしてくれています。