From:宮川徳生
「集客人数はそこまで変わってないんですが
会員数はめちゃくちゃ増えています」
これは、今
個別コンサルをしている
ある店舗系ビジネスの方の話。
この方のビジネスは
いわゆる「ジム」系の
店舗を複数店舗展開している。
この方が
個別コンサルに申し込んてくれだ理由は
”ネットでもっと新規を集めたいから”
という理由だった。
というのも
コロナ前は割と順調で
新規>退会
の図式だったのが
コロナの影響もあって
新規がとれなくなり
新規<退会
の図式となってしまい
このままではやばいという理由だった。
なので、個別コンサルでやっていくことは
新規をいかに増やすか?に絞られた。
そこで、あらゆるアイデアを考え
その広告をうちテストを繰り返していった。
全く反応がとれないもの
かなり好調なもの
いがいな訴求であたったもの
などなど
試したテストから
色んなことが見えてきた。
ただ、色々テストはしていて
新規の獲得も多少は増えてきたものの
これといった明快な打開策は
見つからなかった。
なので、自分の中で
1つの仮設がでてきた。
「これだけ試してCPAもCVRも
これといった変化がないなら
もしかしたら、今の数字が
ある程度の限界なんじゃないか?」
もちろん、こっから先
改善を繰り返していけば
もしかしたら。。。もあるかもしれない。
でも、これだけ色々やって
劇的な改善をしないということは
おろらくこの数字が
このビジネスにおける
ネットで新規獲得するときの
1つの答えなんだろうと。
で、それをクライアントに伝えた。
そうしたら
クライアントから
冒頭の言葉が返ってきたのだ。
「集客人数はそこまで変わってないんですが
会員数はめちゃくちゃ増えています」
どういうことかというと…
確かに、あれやこれやと
いろいろ試しても
ネットからの集客数は
CPA、CVRともに劇的な改善はされなかった。
ただ、よくよく
いろいろな数字を追ってみると
改善した打ち手から入ってきた会員さんの
・入会率、継続率
この2つが
今まで以上に高い数字が出ていた
というのことがわかったのだ。
例えば、これまでを仮に
毎月の入退会の数字を
・新規10
・退会12
と仮定した場合
毎月マイナス2となり
会員数は減っていく。
だから、これを改善するには
新規を最低でも12以上にしなくてはいけない。
でも、今回は
新規は10のままで
退会だけが下がり
・新規10
・退会6
みたいな感じで
差し引きでプラスになったのだ。
なぜ、こんなことが起きたのか?
これは本当にあるあるだが
結局、どんな感情を刺激して
商品を買ってもらうかで
お客さんの質は変わる。
例えば、スーパーとかで
「安いよ!安いよ!安いよ!」
ばかり言ってお客さんを集めてれば
”安さを求めるお客”が集まる。
でも、
「新鮮だよ!新鮮だよ!新鮮だよ!」
という言葉でお客さんを集めれば
”新鮮さを求めるお客”が集まるのだ。
つまり、売り手のメッセージで
どんなお客が集まるかが
ガラッと変わってしまうのである。
今回のケースも
具体的な事は書けないが
メッセージを変えたことで
ジムで身体を鍛えるということに
より本気な人がより集まるようになり
自然と入会率が上がり継続率も上がったため
新規の流入が
劇的に増えていないにも関わらず
会員数がぐんぐん伸びていく。
という結果になったのだ。
本気度の高い人というのは
どんな業界でも投資意欲の高い人だ。
だから、ここからは
戦略を変え、LTVをいかに伸ばすか?
という戦いになる。
新規のための広告をテストして
新規流入は劇的に変わらなかっただ
本気度の高い人を集められるようになった。
結果、入会率、継続率が
劇的に伸びた。
であるならば
ここからは新規をいかに伸ばすかではなく
顧客一人あたりの単価をいかに伸ばすか?
これがビジネスを最大化させるための
最重要項目となってくる。
なので僕は
ジム系がLTVを伸ばす定番である
サプリ系の追加販売を提案した。
ちなみに、カーブスが
フィットネス業界で王様に君臨してる理由の1つが
会員にサプリ販売を大成功させたから。
会員への物販での売上が
実に163億円もある。
その163億円のほとんどが
サプリの売上なのだ。
カーブス全体の売上が
だいたい250億くらいなので
なにげに売上の半分以上を
サプリが占めているのだ。
さて、今日の話で
あなたに何を伝えたかったか?
これは本当に
常々感じるのだが
多くの人は広告の
CPAとCVRに固執しすぎてる。
いかにCPAを安くするか?
いかにCVRを高めるか?
もちろん、それらは
とても大事なことだ。
CPAが半分になれば
同じ広告費で倍のお客を
集客できる。
CVRが2倍になれば
これまた同じ広告費
倍のお客を集客できる。
だから、これらは
とっても大事なことには
代わりはない。
だが、しかし。
広告のCPAやCVRというのは
ビジネス全体を伸ばすマーケティングの
一部分にしか過ぎない。
ビジネスを伸ばすために
マーケティングに力を入れる場合は
全体最適をしなくてはいけない。
ネット広告というのは
全体の中の極々一部分にしか過ぎないため
ここだけに力をいれても
ビジネスが最大化することはまずない。
・広告流入の数字
・顧客展開率
・継続率
・LTV
などなど、最適化しなければ
いけない箇所はたくさんある。
よく、この話をする時
部分をスコア化しそれらを掛け算して
合計点数がどう変わるかの例えがある。
例えば、今回のジムのケースで考えると
・広告流入7点
・入会率3点
・LTV5点
だとしよう。
これを掛け算すると
5×5×5=105点になる。
ここから、広告流入の数字を改善し
スコアが1点上がった場合
全体の数字がどうなるかというと
8×3×5=120点となり
プラス15点になる。
1つのスコアが1点上がることで
全体のスコアがプラス15点されたことになる。
でも、もしこのスコアが
一番数字が悪い入会率が1ポイント上がったとしたら
どうなるか?
7×4×5=140点
そうだ。
つまり、ポイント自体は
同じ1点しか上がっていないのに
一番数字が悪い所を1点上げたほうが
全体のスコアは高くなるのだ。
ビジネス全体を考えた時
いかに部分最適だけ頑張ることが
効率が悪いかわかっただろうか?
ビジネス全体を伸ばしていく時
そのビジネスにどんな部分があるのかを
我々は知る必要がある。
そして、どの部分を改善するのが
ビジネス全体で一番大きなインパクトがあるのかを
知る必要もある。
部分を見るのではなく
全体を見ることで
何が今一番優先度の高い戦略なのか?
自ずと見えてくるのだ。
広告からいかに安く
新規をとれるかだけを
追い求めてはいけない。
それは、ビジネス全体からすると
あまり意味のないマーケティングになる可能性が
とても高いのだ。
部分を追い求め
部分が改善できても
全体のプラスがあまりないとき…
それは
戦略を変えるタイミングのサインだということを
覚えておいて欲しい。