2022/11/07

おもちゃ転売

From:宮川徳生


「こどもがおもちゃを買えない」


子供がいる人なら
おもちゃ転売ヤーによる買い占め転売に
泣かされた経験が1度はあるんじゃないだろうか。


子供が誕生日に
仮面ライダーのベルトが欲しいといっても
転売ヤーの買い占めで即日完売。


(今はもう仮面ライダーのベルトは
 そんなことないのかな?)


Amazonで定価の2倍とか3倍の値段で
転売ヤーから買うしかなく
泣く泣く諦めるor泣く泣く購入する。


納得できない気持ちとは裏腹に
子供の喜ぶ顔が見たい、子供の残念な顔が見たくない
子供に「買えなかったから別のにして」とは言えない


などなど…


自分は納得できないけど
仕方なく転売ヤーから買わざるをえなかったなんてことは
子供がいる人なら必ず通る道だろう。


最近では
スプラトゥーン3が大ヒットなり
スイッチが転売ヤーの対象となった。


スイッチ本体は
定価3万7千円の有機ELモデルが
メルカリで4万5千円ほどで転売されていたり


プロコンも
定価7600円がメルカリで
1万円以上で転売されいてる。


このように
いつの時代も人気おもちゃの裏には
職業転売ヤーとでも言おうか


親の「子供のためにどうしても欲しい」という心理を逆手に取った
転売ヤーによる意図的な需給バランスの崩壊によって
定価以上で転売ヤーから買わざるをえない
お父さんお母さんが後をたたない。


だが、我々マーケターは
転売ヤーから学ぶべきことがたくさんある。


というよりも
時には定価の2倍、3倍という価格であっても
飛ぶように売ってしまう転売ヤーの
高価格でも売る技術を盗まなくてはいけない。


理由はシンプル。


高く売ることができれば
それだけ儲かるからだ。


ちょっと考えて欲しい。


もしあなたの商品が
「価格で選ばれる」としたら
どんなことが起きるだろうか?


まず、利益率が悪化する。


例えば、1万円の商品を売っていて
原価が3000円かかるなら
1つ売れれば7000円の粗利である。


もし、これが価格競争に巻き込まれて
5000円で売らないと売れないとしたら?


原価は3000円で変わらないので
1つ売った時の粗利は2000円にまで落ち込む。


割引率は50%だが
粗利は70%から40%にまで下がるのだ。


単純に儲からないって問題もそうだが
もっと深刻な問題がある。


それは…


価格で選ばれるマーケットで商品を売るためには
「一番安くないと売れない」という問題だ。


単純な話、税理士が会社設立サービスを売っていたとして
A事務所は10万円、B事務所は5万円で売っていたとしよう。


この時、価格で選ばれる場合
A事務所の10万円は売れないのだ。


その10万円が市場の相場の半値だったとしてもだ。


つまり、価格で選ばれるゲームになってしまうと
一番儲からない最安値で売らないといけないため
売っても売っても儲からないという現象が起きる。


では、どうすればいいのか?


どうすれば
競合よりも高くても売れるようになるのか?


その答えこそ
おもちゃ転売ヤーのやり方に隠されている。


定価の2倍、3倍でも
なぜ大人たちは子供のおもちゃを買ってしまうのか?


それは、おもちゃ自体を
買ってるわけではないからだ。


大人が子供のおもちゃを買う理由は…
子供の喜ぶ顔が見たいとか、良い親でありたいとか
そうした事が目的になってる。


つまり、大人たちは
「おもちゃ」という単なる物を通じて
「感情的な満足感」を得るために
定価の2倍、3倍でも転売ヤーから
おもちゃを買うのだ。


もし、これが
おもちゃを単なるおもちゃとして売ったらどうなるか?


A店では1万円で売ってる。
B店では9800円で売ってる。
C店では7000円で売ってる。


あなたのお店が
おもちゃを売るためには
C店よりも安い値段で売らなくてはいけない。


なぜなら、おもちゃをおもちゃとして売るなら
顧客は「価格」しか選ぶ理由がないからだ。


ジェームス・スキナーは
このことに対して


「人は、感情の変化を望んで何かを買っている」


と言っている。


大人が子供のおもちゃを買うのは
おもちゃという物を通じて
子供の喜ぶ顔が見たいという感情の変化を手に入れたいのだ。


そして、定価の2倍、3倍であったとしても
その感情の変化を手に入れることに対して価値を感じるから
転売ヤーから買うのである。


少しエクサイズをしてみよう。


もしあなたが
「たこ焼き器」を売るとして
どうやって売る?


・50個一気に焼けます
・端まで熱が通りやすい
・他のプレートもついてるからお好み焼きも作れる


とか、こうした
たこ焼き器をただの「物」として売る?


それとも…


・火傷防止ガードが付いてるから
 子供が安全にたこ焼きを焼くことができる

・家族みんなでタコパしよう


とか、こうした
たこ焼き器を通じて得られる感情の変化を売る?


前者はたこ焼き器をただのたこ焼き器として売ってる。


もちろん、これでは
価格で選ばれる以外選ばれる理由がない。


なぜなら、そんなたこ焼き器は
世の中に腐るほどあるからだ。


でも、後者なら
たこ焼き器を通じて得られる感情の変化を売ってるので
その感情の変化にプライスがのってくる。

当然、そのプライスが
売値に反映されるので
競合よりも高く売ることができる。


そして重要なのは
ほぼすべての競合は
”物”を”物”としてしか売ってないということ。


だから、もしあなたが


ジェームス・スキナーが言うところの
「人は、感情の変化を望んで何かを買っている」


これを実践できれば
競合よりも高くても
競合よりもたくさん売ることができるはずだ。


転売ヤーが
なぜ批判されながらも高く売れるのか?


それは、やり方は褒められたものではないが
このやり方をうまく使っているからだ。


宿題!


あなたの商品を買うお客さんは
どんな感情の変化を望んで
あなたの商品を買っているか?


その感情の変化を売るために
どんなオファーやどんなメッセージを用意すればいいだろうか?

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