2024/08/21

強烈にファン化して差別化する方法

From 古川馨

僕が店舗運営時代に強烈なファン化戦略で
差別化して、競合から根こそぎ
顧客を獲得していた方法がある

それはNOと言わない戦略。

よく
「できないではなく、
どうやったらできるかを考えろ」
と接客の現場では言われますが
現実には難しいものです。
物理的、あるい技術的に
できないことも
あります。

ですが、このお客さんにNoと言わないを
徹底していくだけで強烈なファン化と
差別化につながることを
あなたは知っていますか?

こんなことがありました。
あるお客さんから
「ツーポイントのフレームでメガネが作りたい」
と相談がありました。

ツーポイントフレームとは
いわゆるフレームレスで
レンズと鼻あてや柄の部分が
直接ネジとナットで止めているものです。

フレームが目立たないので
女性には好かれるフレームなのですが、

あいにくし、そのお客さんは目が悪く
レンズがものすごく分厚くなるのです。
おそらく、1cm以上。

1cmというと大したことない
と感じるかもしれませんが
メガネのレンズで1cmは
超分厚い。

見た目がすこぶるよろしくないため
多くの眼鏡屋ではそんなメガネを
売ることはほぼありません。

レンズを薄くするか、
フレームを代えろと言われます。

特に度が強くレンズが暑くなる
メガネを作ることは
眼鏡屋の常識としては
あり得ないからです。

ですが、そのお客さんは
どうしてもツーポイントで
メガネを作りたい。

厚くなっても
見栄えが悪くてもいいから
作って欲しいと懇願するのです。

かなり深刻な感じなので
どうにかできないかと
考えていると、、、

「やっぱりダメですよね…」
と諦めたように
お店を出て行こうとします。

そして、
「私は一生ツーポイントのメガネは
掛けられないのね」
と呟いたのです。

あまりに悲しい声だったので
「ちょっと待って!どうにできないか考えましょう」
とお客さんをカウンターの席に座らせると
どうしてそんなにツーポイントにこだわるのか
詳しい話を聞いてみることにしました。

その女性は小さころから目が悪く
いつもレンズが暑くなる
そのため、プラスチックの
厚みが目立たないフレームしか
かけたことがないそうなのです。

ですが、プラスチックのフレームは
重たく、見た目もやぼったい

友達がかけていた
ツーポイントのフレームが
すごく素敵に見えたのだそう。

なので、ずっと憧れがあったそうです。

しかし、眼鏡屋に相談に行っても
「ツーポイントはあなたの度では作れない」
と言われてしまい
どこも作ってくれない…。

新しいメガネ屋を見つけては
聞いて回っているそうなのです。

厳密には作れないわけじゃない。
ですが、出来上がったものを見て
「こんなに厚くなると思わなかった」
とクレームを言われることが
多いのも事実です。

なので、
レンズが厚くならない
あるいは
厚みが目立たないように
フレームを選別したり
加工をするのが
一般的なのです。

しかし、このお客さんは
ツーポイントを心から渇望している。

「わかりました!作りましょう!」

比較的厚みが目立たないサイズを選び
レンズサイズもカスタマイズして
さらに薄型で穴あけにも耐えられる
強度があるレンズを選択。

それでも厚みが6ミリくらいあります。

「こんな感じに仕上がりました」
と納品すると…。

「本当にありがとうございます」
お客さんは感動のあまり
泣いてしまいました。

その後、そのお客さんは
お店の強烈なファンになり
家族や親戚、会社の同僚まで連れてくる勢いの
お店のアンバサダーかってくらい
集客に貢献してくれました。

この方だけではありませんが
当時はこのように他店では断られる
門前払いされるようなものでも

しっかりと話を聞いて相談に乗り
可能な限り理想を実現してあげる
ということをやっていました。

そのおかげもあって
単価の高いコアなファンを
続々と増やすことに成功したのです。

もしかしたら、これは極端な例かもしれません。
ですが、競合がやりたがらないこと
普通は断ることで顧客が求めていること
ぶっちゃけ面倒なことを
率先して引き受けることで

差別化もできるし
強烈なファン化を生み出す
キッカケにもなります。

なので、もしあなたの業界で
業界的に普通はやらないこと
断って当たり前のようなものがあるなら

そこには差別化やファン化の
タネが隠れているかもしれません。