2023/01/23

優れたマーケターの思考の違い

From:宮川徳生

先日、マーケターとして
とてもハッとする事があった。

それは、何気なく見ていたYouTubeで
有名社長の格言みたいな動画を見ていたときである。

その中の1つにこんな言葉がでてきた。

「他の会社でもできる事を一生懸命やる意味はないし
 やる価値も感じられない」

なかなか尖った言葉だが
この言葉にものすごくハッとさせられた。

この言葉の意味は
他の会社でも作れる商品や提供できるサービスであるなら
例え儲かったとしてもやる意味はないし
やる価値も感じられないということ。

確かにその通りだなと。

よくよく振り返ってみると
自分自身この言葉どおりのことを
普段からやっているように思う。

例えば、社内の商品企画で
メンバーからでてくるアイデアをボツにする時

「それってウチがやる意味あるの?」

という理由でボツにすることがほとんどだったりする。

最近ボツにした企画の1つに

『高額でも契約が取れる
 高額BEが売れるプレゼンの作り方』

みたいなのがあった。

企画をボツにした理由

あるメンバーが
プレゼンセールスを教える講座は
売れるんじゃないかと企画してきたわけだが
秒でボツにした。

なぜなら、そもそもウチは
プレゼンにそこまで強みはないからだ。

もちろん、プレゼンのノウハウは語ることはできる。

プレゼンする時の成約率も
平均30%〜50%はいくし
なかには100%とか出るときだってある。

でも、プレゼンに関して
ウチは独自メソッドがあるわけでもない。

競合よりも圧倒的に
上手く使いこなしているわけでもない。

だから、ウチがこの講座をやることに
意味を見いだせなかったのだ。

なぜなら、ウチだから
できること、言えることではないからだ。

もちろん、最近のトレンドとして
ウェビナーセールスや説明会セールスは
需要のあるテーマであることはわかってる。

だから、一定の売上が上がるのはわかってる。

でも、そこに圧倒的な強みがなければ
結局、競合のマネレベルの内容にしかできない。

内容だけではない。

商品内容がマネレベルにしかならないということは
マーケティングやセールスがとてもやりにくくなるのだ。

マーケティングやセールスで
どんなメッセージで売るかと考える時
その根底にあるのはどこまでいっても
商品内容ありきである。

例えば、独自メソッドで作られているのなら
「他では学べない再現性の高い独自メソッド」
と言うことができるが

そうでない場合
「独自性のあるメソッド」だと言うことはできない。

世の中には似たような商品が無数に存在する。

だから、そもそもの話
商品企画やキャンペーンアイデアを作る段階から

「それは自分たちにしかできないことなのか?」

これを考えることは
とても大事なことなのだ。

最初から商品企画や内容が
他と違うものであったり
自分たちだから言えることであれば
セールスもしやすいし広告も作りやすい。

そして、何より売れる。

冒頭でお伝えした

「他の会社でもできる事を一生懸命やる意味はないし
 やる価値も感じられない」

この言葉は
チョコクロでカフェ業界に一時代を築いた
サンマルクカフェの創業者の言葉。

サンマルクカフェが誕生したのは
1999年3月。

当時、スタバも日本進出を始めた時期だったため
サンマルクがスタバと同じ戦い方をしたら
きっとスタバに駆逐されていただろう。

サンマルクカフェの生き残り戦略

ご存知の通りスタバは
「空間」が一番のウリである。

そして、すでに世界単位では
一大ブランドを築いており
「あのスタバが日本にも!」と
話題性も十分あった。

それに何より外資が入ってるわけだから
資金力で勝てるわけがない。

もし、そんな状態で
「空間をウリにするスタバが売れてるんだから
 ウチも空間をウリにしよう」

なんてことをしていたら…

スタバよりいい空間で勝負しよう…
なんてことをしていたら…

サンマルクはスタバという圧倒的なブランド力と資金力に
とっくの昔につぶされていたことだろう。

でも、サンマルクは違った。

サンマルクは空間をウリにするのではなく
焼き立てパンが食べられるカフェというウリで
勝負したのだ。

サンマルクはもともと
ベーカリーレストランサンマルクというお店が
母体となっている。

つまり、美味しいパンを作る技術に関しては
スタバより圧倒的に長けていたのだ。

そして、板チョコを挟んだ
チョコクロが大ヒット商品になり
サンマルクを一大ブランドにまで育てることとなる。

サンマルクが
あの当時スタバに負けずに
拡大できたのは間違いなく

「自分たちだからできること、言えること」

ベーカリーという
競合よりも圧倒的な強みを発揮できる
違いで勝負したからにほかならない。

ほとんどの人は
同じ業界で何が売れているのか?
それに追随し

競合と同じものを
競合よりもいいものを作り売ろうとする。

でも、これで勝てるのは
その中で一番「いいもの」を作れるところだけだ。

そうでないところは
結局、二番煎じから抜け出せず
付加価値もつけれないため
安売りすることでしか売れなくなる。

そして、一番いいものを作れるところは
そこに圧倒的な強みがあるので
どんなに真似しようとその差をうめることはできない。

他と違うものを作れ

でも、優れたマーケターは常に
自分たちだからできることは何か?
自分たちだから言えることは何か?
それを一番に考え

「他とは違うもの」
を作ろうとする。

この思考の出発点の差は
事業の結果に大きな大きな差を生み出す。

それに、何より
自分たちだからできること、言えることにフォーカスすると
自分たちがいなければ生み出せなかった商品や価値を
社会に届けることができる。

マーケティング上有利になるのはもちろんだが
そうした「価値創造」という、非常にやりがいのある挑戦にも
繋がるのだ。

あなただから言えることは何があるだろうか?
あなただからできることは何があるだろうか?

競合よりも圧倒的にうまくできること…
競合よりも圧倒的に情熱を注げること…

それがあなたがフォーカスすべきことだ。

決して競合よりもうまくできないことを
マネすることではない。