From:甲斐 慶彦
セールスライターとして一度は憧れるのが、ストーリーを使ったセールスレターを使って大ヒットを出すことですよね!
とは言いつつ、まだまだ新米の域を出ない私たちセールスライター1・2年生は『今スグ客』に売れるLPを書けなければ話になりません。ただ、あいにくストーリーを使ったセールスレターは『今スグ客』には不向き!
まだまだスキルを伸ばしていかなければいけないなぁ〜、
実力不足だなぁと悔しい想いを抱えてる今日この頃なんですが…
とはいえ、
野球少年が、イチロー選手のバッティングフォームを真似るように、
テニス少年が、錦織圭選手の股抜きショットを真似るように、
セールスライターだって一流セールスライターの真似ごとしたっていいじゃない!
「だって、ニンゲ〜(以下、略)」
ということで、今回は前回の記事でお約束した通り、かる〜いテーマで『漫画に学ぶセールスライターとして使いたいストーリーパターン&テクニック』を取り上げていきたいと思います。
セールスライターの視点から勝手に漫画を分析
ということで、今回勝手に私に分析されてしまうのが…
『キングダム』
『アルスラーン戦記』
『銀河英雄伝説』
今、私が一番ハマってる漫画3つです。
どれも一度読み出すと止められない
とてつもない引力のストーリーが秘められてる作品です。
「なぜ、こんなに惹きつけられるのか?」
セールスライターの視点から
どんなテクニックを使ってるのか?を
邪推してみよう、という企画です。
(いや〜なんて楽しい企画!!)
よくよく分析してみると、
人を惹きつける面白いコンセプトの
根幹部分がちょっとだけ見えてきました。
まずは今一番熱い漫画!
『キングダム』
時は紀元前。500年の大戦争時代(春秋戦国時代)にある中華西方の国・秦(しん)
そこで奴隷同然の生活を送っていた少年、信が、天下の大将軍を目指して、どんどん立身出世していく、という王道ストーリーです。
私が注目したポイントは3つ!
・「下僕から、天下の大将軍へ!」という「負け犬からヒーローに」の大きな流れ。
・強力で、魅力的な敵とのめまぐるしい合戦。
・1つの戦争ごとに、大きく成長していく主人公・信の姿。
他にもたくさん魅力があるんですが、やはり大きなのはこの3つですかね。
負け犬からヒーローに
セールスライターであれば「負け犬がヒーローに」というストーリーパターンをご存知ですよね?その名の通り、世の中に相手されず明らかにダメな部類に入る人が、英雄として皆に賞賛される、というストーリーラインです。
もう王道ですよね。
このコンセプトを聞くだけで魅力的ですよね。
この漫画の主人公・信は、元々下僕なんですが、幼馴染と剣術の腕を高め合い、それをきっかけにどんどん大きな戦場に身を投じていきます。
そして、合戦が終わるごとにどんどん立身出世!
現在50巻ですが、今は5千人の兵士を統率する5千将です。
次が将軍。その次が大将軍!
やはり、このように立身出世していくストーリーは先が気になってどんどん引き込まれていきます。
魅力的な「敵」とのめまぐるしい合戦
戦国時代を舞台とした漫画なので、そこには当然「敵」が存在します。
相手の敵も、今では将軍や大将軍級!
その知略や、戦略、武力を打ち破っていく様子が、なんとも爽快なんです。
やはりストーリーに「敵」がいると、大きな引力を生まれますね。
「敵」がいることで、主人公に感情移入しやすくなりますし、その「敵」が強大であるほど、それを打ち破った時の達成感!充実感!これが病みつきになる秘密なんだろうと思います。
主人公が成長していくストーリー
これもハマっていく秘密でしょうね。
私たちは、ストーリーを読む時、主人公の体験を疑似体験しているもの。
主人公が成長するごとに、自分も一歩、また一歩と進んでいるような体験を追体験できるので、同じストーリーでも何度も読み返してしまうんだろうと思います。
現実は、困難にぶつかって、それでも諦めず、努力に努力に努力を重ねなければ成長できないものですが、この成長体験を気軽に摂取できるのも、漫画で成長ストーリーが人気な理由なんだろうと思います(笑)
次に紹介したい漫画はコチラ!(笑)
『アルスラーン戦記』
人気ファンタジー小説を、『鋼の錬金術師』というこれまた私が超大好きな人気漫画を描いた漫画家さんが作画している作品です。
中世ヨーロッパを思わせる世界観の中、敵国ルシタニアに征服されたパルス王国。
主人公はそのパルス国王の息子、王太子アルスラーンです。
これもまた目まぐるしい展開で、一度読み出したら止まらないんですが、私が注目したポイントはこの3つ。
・主人公が一番無力な存在!有能で魅力的な仲間に恵まれる主人公!
・「負け犬からヒーローに」への期待感
・明らかに邪悪な敵!勧善懲悪のストーリー
主人公が一番無能!?有能で魅力的な仲間に恵まれる主人公!
この漫画の面白いところは…
主人公が全然強くないし、
取り立てて賢いわけでもないし、
最初は王位継承者ってことだったのに、最近ではその王位継承権すらないんじゃないか?って疑惑が出てきてるのに、魅力的な仲間がどんどん集まってくる、というストーリーであるところです。
「結局何も持っていない主人公を、とても魅力的な人たちが盛り立ててくれる」といった状況を追体験できるから、読んでて心地いいのかもしれません。
主人公も、懸命に王太子としての責任を果たそうと葛藤するんですが、そのひたむきな姿に共感し、魅力的で有能な仲間がどんどん集まってくるのです。
こんな状態ってやっぱり純粋に憧れますよね。
「負け犬からヒーローに」への期待感
率直に言うと、この漫画…
今現在最新刊は8巻なんですが、今のところ「負け犬からヒーローに」要素は全然追体験できません(笑)
第1巻で敵国に征服されるところからストーリーが始まるんですが、そこへの期待感が半端ないんですよ。
このまま読み進めていけば(買い続けていけば)いつかは、敵国を打ち破って、王国を取り戻せるのでは?という期待感が、ず〜〜〜〜っと読み続けさせる理由になってるんだと思います。
やはり「負け犬からヒーローに」自体が、読んでて気持ちいいコンセプトなので、そこへの期待感だけでも、大きな魅力・引力があるのかもしれません
明らかに邪悪な敵!勧善懲悪のストーリー
この漫画がわかりやすいのは、敵がとにかく悪いこと!
敵国をそそのかして、パルス王国を征服させたのは、実はパルス王国の本来の正当な後継者でした!この一派がとにかく酷い。
闇に潜んで、怪しい呪術を使ってるわ、
征服者として金品を略奪するわ、
女・子どもでも喜んで虐殺するような連中です。
こういった連中を、今のところ全然打ち倒せてないんですが(笑)
場面場面でこういった連中が、主人公一派に蹴散らされる姿がやはり気分がいい!
勧善懲悪は、年齢問わず好かれるコンセプトですよね。
鬼平犯科帳・暴れん坊将軍・銭形平次
ドラゴンボール・仮面ライダー・ワンピース
人はやはり
「正しくありたい!」
「悪い奴には、痛い目を見させてやる!」
という欲求があるのでしょう。
これを追体験できるのは気持ちがスカッとします。
次に紹介したい漫画はコチラ!
『銀河英雄伝説』
名前を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、この漫画を読んだことがある人は、まだまだ少ないようです(それでも超人気漫画なんですが)
原作は累計発行部数が1500万部を超えるベストセラー小説。
舞台は遠い未来の銀河系。皇帝と貴族が支配する「銀河帝国」と、帝国から脱出した人々が建国した「自由惑星同盟」。この2つの国が150年に渡り戦争を繰り広げており、それぞれにラインハルトとヤンという英雄が登場することで、歴史は大きく動いていく、というストーリーラインです。
私が注目したポイントはこの3つ。
・2人の英雄のコントラスト
・2人の英雄がそれぞれの国でぶつかる「共通の敵」
・独立や自由を勝ち取っていく成長ストーリー
2人の英雄のコントラスト
この漫画が何と言っても特徴的なのは、主人公が2人いることです。
一人は、銀河帝国で地方貴族の子どもだったラインハルト!
もう一人は、軍人なのに戦争が嫌いな歴史研究家志望のヤン!
2人に共通するのが、こと戦争において並外れた戦略眼を持っていることですが、性格も、暮らし向きも、2人は正反対です。
ラインハルトは、
容姿端麗、頭脳明晰で軍の学校では在籍期間中ず〜っと主席!
ケンカも負けなしでカリスマ性もある天才です。
ヤンは、
元々歴史家になりたくて学費が免除される軍の学校に入ったものの、成績は落第ギリギリ…。覇気も、出世欲もなく、戦争も嫌い。なのに、戦略眼は随一で、作品中ではラインハルトを超える戦略眼を発揮します。
やはり、コントラストってわかりやすくて、引き込まれますよね。
人間は比較することでしか、物事を正しく判断できない、と言われますが、この漫画では2人の主人公がお互いで魅力を引き出しあってるように描かれてます。
2人の英雄がそれぞれの国でぶつかる「共通の敵」
そして、面白いのがそんな対照的な二人が、共通の「敵」にぶつかってることです。
その「敵」とは、国の体制や、その体制から生まれた無能で害にしかならない特権階級の人たち。
ラインハルトが住む銀河帝国では、貴族階級が国全体を支配しており、貴族階級にいる者は無能でも軍の上級職に就きます。彼らが虚栄心に任せて、これでもかってほど戦場かき回して、犠牲者を増やしていきます。
ヤンが住む自由惑星同盟は民主主義国家。選挙で票を取るために戦争が利用されている世界です。自分は戦場に出ないくせに群衆を扇動して、戦争に駆り立てる政治家。その政治家に翻弄されつつ、絶妙な判断ミスを犯してしまう無能な上司…
ラインハルトとヤンは、お互いを「敵」として戦っていますが、彼らが共通して戦っている「敵」が、お互いの国の体制なのです。
この国の体制から生まれた「敵」の連中が、本当に腹が立つ(笑)
もう笑っちゃうくらい主人公の怒りや憤りに共感してしまう憎たらしい存在として描かれているので、二人の対照的な主人公にぐいぐい感情移入してしまうわけです。
2人がぶつかっている「共通の敵」が、
読者が社会生活を営む上でぶつかる「共通の敵」としても描かれているので、結果、どんどん引き込まれるんですよね。
どんどん権限が大きくなり、独立と自由を勝ち取っていくストーリー
そんな「共通の敵」にぶつかる2人の対照的な主人公。
彼らは着実に功績を積み上げて、無能で害悪をもたらす連中が手の届かない存在にどんどん出世していきます。
これが気持ちいい!
意味もなく、腹立たしいだけの体制に翻弄される存在から少しずつ独立を勝ち取り、本来自分がやりたい在り方を手にしていく姿を追体験するのは本当に楽しい時間です。
人はやはり
「何ものにもいたずらに左右されない、自分で自分の人生をコントロールする力が欲しい」という欲求は持っているものですよね。
これを勝ち取っていく主人公の体験を、劇的に追体験できるのがこの作品の人気の秘密なんだと思います
いかがでしたか?まとめとおさらい
思った以上の超大作記事になってしまいましたが、人気漫画には、人気を勝ち取るだけの心理的な仕掛けがたくさん隠されていることがわかりますよね!
まとめてみると…
・「負け犬がヒーローに」の大きな流れ
・強力な「敵」との対立
・「敵」を打ち倒していく成長ストーリー
・魅力的な仲間に恵まれる主人公!
・「負け犬からヒーローに」への期待感
・勧善懲悪のストーリー
・2人の英雄のコントラスト
・2人の英雄がそれぞれぶつかる「共通の敵」
・独立や自由を勝ち取っていくストーリー
いつか、セールスライティングのスキルを高めて、これらのテクニックや構成を使ったストーリーを主体として、大ヒットするプロモーションをできたらいいな、と妄想している甲斐でした(笑)
身近なところでも、このようにセールスライティングの視点から物事をみると、とても楽しくセールスライティングの知識を自分の中に取り込むことができます。
ぜひあなたも、身の回りにあるものをセールスライティングの視点から見つめ直してみてください。きっと楽しめますよ。
P.S. この視点で、私が過去にぶつかっていた視点を見事に克服したストーリーを描いてくれてるのがこの記事。純粋に面白かったです → コチラ