2023/02/09

絶対売れるハンバーガー屋の作り方

From:宮川徳生

つい先日
ウチの年間サポートのメンバーから
ある相談をもらった。

そのメンバーは
プログラミング教室をやっていて
どうやってお客さんを増やしていこうかと
色々考えていた。

そして、色々実行しているが
大きな成果はまだ出ておらず
どうしたものかと相談がきたのだ。

で、端的に言うと
「ターゲット」をどうするか?という相談だった。

というのも、彼女はこれまで
「ゲーム好きな子」をターゲットにして
プログラミング教室への集客をしていた。

そして、今回新しいHPを作るために
どんな訴求がいいかを相談してきたのだが
僕は全く違うアドバイスをした。

僕が彼女にしたアドバイスは
「ターゲットを変えた方がいい」
ということ。

なぜだと思う?

理由は大きく分けて2つ。

1つ目は
実は彼女…

このコミュニティ以外のところで
かれこれ1年以上この案件の相談をしてきてて
同じターゲットであまりうまくいっていなかったのだ。

マーケティングってのは
市場の反応が全てなわけだから
このターゲットで色々やって結果がでないということは
そもそもターゲットに刺さってないという

「事実」

を、市場から突きつけられている。

答えは市場に聞けというのは
マーケティングの原理原則なわけだから
これに従うなら「ゲーム好き」という
ターゲットはもうやめるべきだろう。

そして2つ目は

そもそも、ゲーム好きの子を持つ親が
ゲームを使ったプログラミングをやらせたいと思うかどうか?
ということだ。

子供がゲームが好きで
四六時中ゲームばっかやってる。

そうした子を持つ親は
何を考えるだろうか?

きっと、ほとんどの親は
「ゲームなんてやらないでほしい」
「ゲームの時間を減らせないだろうか?」
「このままゲームばっかやってて将来大丈夫だろうか?」

そんなことを思うんじゃないかな。

そう考えると
ゲーム好きの子をもつ親に
「ゲームを使ってプログラミング」というのは
親の願いとは真逆をいくことになる。

辞めさせたいと思ってるのに
もっとやらせることになるわけだから
きっと共感が得られないだろう。

他にも理由はあるのだが
こうした理由から僕は
「ターゲットを変えるべき」と
アドバイスをした。

売り手の危険な考え方

でも、彼女は
あまりピンときてない様子だった。

なぜなら
彼女自身がゲーム好きな子がいるため
彼女の願いとして

「ゲーム好きな子にはプログラミングがいいから
 この訴求に共感してくれる人は多いのではないか?」

そう、つまり
売り手である自分なら反応するから
この方向でいけるはずだと思ってるっぽい。

でも、これは
とても危険な考えである。

なぜなら…

売り手がそうであったとしても
買い手がそうだとは限らないからだ。

ここで、ダイレクトレスポンスの
古き良き話をしよう。

この話にこそ
彼女の思い込みが
いかに危険なのか?

そして、ビジネスが上手くいかない人の
最大の理由が隠されている。

ゲーリーハルバートという
今はなき世界最高と言われた
セールスライターがいた。

彼はあるセミナーで
参加者にこんな質問をした。

ゲイリー
「もし、オレと君たちが
 ハンバーガー屋を始めたとする。

 そして、誰が一番売れるか競争するとしよう。

 もし、そういう競争をするとなったら
 その競争に勝つためにどんな”条件”が欲しい?

 この”条件”さえあれば
 その競争に絶対勝てると思うものは何だ?」

その質問に対して
参加者からは様々な答えが返ってきた。

ある参加者は
「秘伝のソースが欲しい」と答え

ある参加者は
「最高の牛肉が欲しい」と答え

ある参加者は
「最高の場所」と答えた。

中には
「誰よりも低価格で売れば勝てる」と言う
参加者もいた。

そして、一通り答えが出揃った時
ゲイリーは参加者にこう言った。

ゲイリー
「いいだろう。

 君たちが欲しい条件は
 すべてくれてやる。

 だから、オレも1つだけ
 欲しい条件をもらう。

 それさえあれば
 君たちが今欲しいといった条件をすべてくれてやっても
 オレは君たち全員を打ち負かすことができるからね」

これを聞いた参加者は
ゲイリーが欲しい条件が何なのかを
聞いた。

そして、ゲイリーは
こう答えたのだ。

ゲイリー
「オレが欲しい条件…それは…

 ”腹をすかした群衆”だよ」

さて、この答えの真意を
冒頭の彼女の相談と照らし合わせて
考えてみよう。

ゲイリーのセミナーに参加した多くの人は
「いかに美味しいハンバーガーを作るか」に
意識が向いていた。

顧客のことを見ていない売り手たち

こんなセリフ聞いたことがないだろうか?

「商品はいいので
 知ってもらえれば勝手もらえるはず」

でもこれは
自分の商品のことばかり考えていて
顧客のことを見ていない。

それに、「美味しい」という基準は
売り手の舌で決めることではなく
顧客の舌で決めることでもある。

自分が美味しいというハンバーガーを作ったところで
果たしてそれは本当に顧客にとって最高のハンバーガーなのかは
疑問だ。

マーケティングに置いて
最もお金を生み出すために必要なことは
いい商品を作ることではなく常に

「腹をすかした群衆」を探すことであり
その「腹をすかした群衆」が食べたいと思ってるものを
売ることだ。

ドラッカーもこれと似たようなことを言っている。

ドラッカーが言うには
「マーケティングとは結局の所
 人が欲しがってる物を見つけ用意し
 それを提供することだけだ」

自分が売りたい商品
自分がいいと思ったこと
自分のビリーフ
自分の欲求
自分の悩み

多くの人は
これを基準に考えてしまう。

顧客をみずに
「自分なら」という考えで
マーケティングを考えてしまう。

でも、自分が売りたいものが
腹をすかした群衆が食べたいものとは
限らない。

というか
大抵違う。

なので、色んな事をやっても
商品が売れない時は

その商品は大抵の場合
腹をすかした群衆が食べたいものとは違うものを
売ってるということを素直に認めるべきなのだ。

あなたのビジネスで
腹をすかした群衆は
何を食べたいと思ってるのだろうか?

もし、腹をすかした群衆が食べたいものと
あなたが売ってるものが違う場合…

何をやってもうまくいくことはない。

それは例えば
「今日は絶対ラーメンを食べるぞ!」という人に
「美味しいカレーはいかがですか?」と言ってるようなものだ。

腹をすかした群衆が求めているもの…

それこそが
あなたの売るべきものであり
あなたがアピることなのだ。