From:長嶋雄二
先日、
求人サポートをしている
旅館の社長とお話しする機会がありました。
その方はもともと
新宿の外資系ホテルでマネージャーを務めていた方で、
輝かしい経歴をお持ちでした。
完璧なホスピタリティを追求し、
ホコリひとつ見逃さない徹底ぶり。
そんな一流のホテルマンが地元に戻り、
老舗旅館の社長となったのです。
「地元の温泉地をもっと活気づけたい」
そう語るその目には情熱が宿っていました。
でも、話を聞くうちにわかったのは、
彼の道は決して、
順風満帆ではなかった・・・ということです。
最初の3年間、
彼は外資系ホテルでの経験をそのまま旅館に持ち込んだそうです。
部屋の隅まで徹底的に掃除し、
スタッフには厳しく指導。
布団のシワひとつ許さず、
夜遅くまで細部をチェックする日々。
「お客様が見ていなくても、
見えない部分こそがプロの証だ」
そう信じて疑わなかった彼ですが、
いつの間にか旅館には変化が起きていました。
彼が旅館に戻って3年が経ったある日、
ふと周りを見渡すと、もともと働いていたスタッフが
一人もいないことに気づいたのです。
そうです…
厳しい指導についていけず、次々と辞めてしまったのでした。
そして、残ったのは、
どこか疲れた顔をした新人スタッフばかり。
その事実に気づいた瞬間、
彼の胸は強く締め付けられました…
「もしかして、俺が間違っていたのか?」
その日の夜は、遅くまで旅館のロビーで考え込み、
そして、ようやく気づいたそうです。
「旅館はただの施設じゃない。人がつくるものだ。」
「これまでのやり方が間違っていた。
皆に厳しく接しすぎた。
これからはスタッフと一緒に旅館を良くしていきたい。」
そうした思いを新たに、
スタッフとの会話を増やし、彼らの意見を聞き、
働きやすい環境を整えることに集中していきました。
変化はゆっくりと、でも確実に訪れたそうです。
スタッフたちの表情が明るくなり、
旅館には再び温かな空気が戻ってきました。
ある日、旅館を訪れたお客様がこう言いました。
「ここのスタッフさん、みんな感じがいいですね。
なんだか心まで温かくなります。」
その言葉を聞いたとき、彼は確信しました。
「この方向でよかったんだな」と
彼の中で、「一流」の意味が変わった瞬間でした。
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僕は、この話を教えてもらいながらも
改めて感じました。
「間違いを認める勇気」が
どれだけ大きな力を持つかということを。
話をしてくれた社長とは違って、
間違いを認めず、
「俺は悪くない」
「スタッフが無能すぎる」
「うちは雑魚ばっかり」
と言い続ける経営者も少なくありません。
でもそうした経営者が裸の王様になり、
周りの人々が去っていく姿を何度も見てきました。
実際、僕の周りですら、思い当たる人が何人もいます。
でも、この旅館の社長は違いました。
自分の過ちに気づき、変わることを選んだのです。
それが、旅館の空気を変え、
スタッフを変え、そして地域全体を明るくした。
簡単にできそうだけど、
なかなかできることじゃないですよね。
その事実を知って、
「もっとこうした会社のチカラになりたいな」と
僕自身のキャリアを振り返るきっかけにもなったんです。
2024年もあと少し。
来年、あなたはどんな人と仕事をしたいですか?
僕は、旅館の社長のように、
自分を見つめ直し、変化を恐れない人と
チャレンジを続ける方に対して、
まだまだ求人・採用サポートを
提供していきたいと思っています。
そうした人たちの想いが
もっと求職者に元に届けば、
地域が、社会が、そして未来が少しずつ良くなると信じているからです。
あなたはどうですか?
新しい年に向けて、ぜひ考えてみてください。
やっぱり、「誰と一緒に仕事したいか」って、
僕らのビジネスにとっては、めちゃくちゃ大事な要素ですよね。