2023/02/20

優れたアイデアvs平凡なアイデア

From:宮川徳生

「すごいアイデアですね!」

事業をしていると
アイデアマンという人にたまに出会う。

アイデアマンは
瞬時にビジネスに大きな変革をもたらすような
秀逸なアイデアをいくつも思いつく。

まるで、未来を知ってるかのように
そして、何かをカンニングしてるかのように
優れたアイデアを次から次へと生み出していく。

あなたの周りに
そんな人が1人や2人はいるだろう。

「こいつの頭の中はどうなってるんだ???」

脳の作りが違うんじゃないか?
と思うくらいアイデアを生み出す人。

そういう人を見ると
「彼はすごい成功しているんだろうな」とか
「彼がいればビジネスは伸びていくんだろうな」とか
そういうことを思ってしまう。

だが、起業家が成功する上で
優れたアイデアをいくつも作れるかどうかは
全く関係ないのだ。

今日は、そんなアイデアの落とし穴の話。

先日、ウチのある事業部の
売上の途中経過を眺めていた。

その事業部は
セールス担当が3人いる。

なので、一言で言うなら
その3人の売上が事業部の売上を
作っているということだ。

で、その事業部は
残り期間1/3を残した状態で
既に前年比140%ほどの売上となっていた。

「おぉ〜絶好調じゃん」

なんて、多少興奮したわけだが
内容は決して喜べるものではなかった。

なぜか?

それは、3人のセールス担当が上げている売上比率が
かなりいびつな状態だったからだ。

内訳はこう。

セールス担当A君:売上の90%
セールス担当B君:売上の10%
セールス担当C君:売上の0%

「!!!!!!!!」

そう、あなたもびっくりしたと思うけど
ほぼ1人のセールス担当が事業部の売上を作っていたのだ。

アイディアは実行されてこそ

なぜ、こんなことが起きてるのか?

それが、今日のアイデアの話と
とても密接なつながりがある。

確かに、A君は一番セールスの実力があるのは事実。

経験年数もスキルも
頭1つ2つ抜き出てるのは否めない。

だが、B君とC君が
全く実力もスキルもないかと言うとそうではない。

B君もC君も
A君と比べれば見劣りするかもしれないが
全く無能かというとそうではないのだ。

じゃあ、なぜ
ここまで差が出てしまったのか?

なぜ、C君は
今月1円も売上を作ることができていないのか?

それは…

アイデアが実行されないからである。

こうしてみたら売れるかもしれない。
こんな商品が売れそうだよね。
ここをこう変えたらもっと売上上がるじゃん。

A君もB君もC君も
みんなこうしたことを
普段から一生懸命等しく考えてる。

確かに、アイデア力で言えば
B君とC君はA君には敵わない。

だが、A君とその他二人の差を決定づけているのは
アイデアの差ではなく、アイデアを実行するスピードなのだ。

つまり、A君とB君C君は
売るという行動の量に大きな差があったのだ。

誰の言葉か忘れだが
成功したと言われる多くの人は
おんなじような事を言う。

結局、行動する人が成功する。

そう、つまり
この3人を成果を分けていることは
アイデアの実行力とアイデアを磨く量によって
生じているのだ。

ついつい我々は
アイデアの良し悪しが重要だと考えてしまう。

でも、世の中で成功した人たちが
みんなそろって革新的なアイデアをひらめく
アイデアマンだったかと言うとそうではない。

むしろ、誰でも思いつくようなことを
誰よりも早く実行し誰よりも磨いた人が
大きな成功を収めている。

例えば、グーグル。

グーグルは検索という1つの行為に特化した
WEBサービスを始めたことで一大帝国を築き上げた。

でも、じゃあ、「検索」に特化したサービスが
革新的なアイデアだったかというと
果たしてそうだろうか?

検索という行為は
グーグルが生み出したものではない。

グーグルがやる前にすでにYahooが手を付けていた。

日本だと
千里眼なんていう検索エンジンみたいなものもあったわけだ。

検索エンジンに特化したグーグル…

批判を覚悟で言うが
どこが?どこが?優れたアイデアだったのだろうか。

つまり、成功する人というのは
秀逸なアイデアを思いついた人ではなく
平凡なアイデアかもしれないが
それを誰よりも徹底して素早く実行した人なのだ。

もちろん、画期的なアイデアを思いつき
それを実行するスピードが早い人が
最も成功するだろう。

でも、良いアイデアが生み出せたとしても
実行されなければそのアイデアはゴミ同然。

実行されないアイデアなんてものは
何の価値も生み出さない。

でも逆に、平凡なアイデアであっても
実行すれば少しかもしれないが結果は出る。

そうした小さな結果を積み重ねれば
やがてそれは偉大な結果になるのだ。

あなたも普段
たくさんのことを思いつくと思う。

でも、それらは一体
どれだけ実行されてるだろうか?

どれだけのスピードで実行されてるだろうか?

どれだけの改善を加えているだろうか?

A君とB君C君に差を生んだのは
アイデアの優劣ではない。

アイデアの実行力なのだ。